甘酒には2種類あります。米麹から作るものと、酒粕から作るもの。名前は同じでも、甘さのもとになっている糖からして別ものです。人に飲んでもらった試験でいちばん調べられているのは、お通じでした。その試験で比べものに使われている「偽の飲みもの」が少し変わっていて、糖もカロリーもほとんど同じにそろえた、米の水あめなのです。だから、もし差が出たとすれば、それは糖のはたらきではないことになります。はじめに、飲んでいるものの中に何が入っているのか。つぎに、お通じについての試験が3本。最後に、肌について調べたものが2本。中身の話、お通じの話、肌の話、の順に、6本を読みます。

ざっと言うと

  • 麹甘酒の甘さはブドウ糖で、100gあたり23.2g。砂糖は加えていません。酒粕甘酒はその逆で、ブドウ糖が2.1g、加えた砂糖が13.8gです。
  • 麹甘酒の中身をまとめて測った研究では、300を超える成分が見つかりました。糖、アミノ酸、有機酸、ビタミンB群です。
  • 健康な大人44人の二重盲検の試験では、お通じの日数が、偽の飲みものより多くなりました。糖もカロリーもそろえたうえでの比べ方です。
  • 中高年32人が6週間飲んだ研究では、便秘の点数が下がり、ビフィズス菌が増えています。
  • 10人の研究では、もともとの腸内細菌の型によって、変化のしかたが違っていました。
  • 肌については2本。片方は左の頬の水分だけ、もう片方は皮脂の量に差が出ています。調べた場所も指標も、そろっていません。
  • ブドウ糖の塊のような飲みものですが、118g飲んだあとの血糖の上がり幅は46mg/dLでした。

そもそも甘酒とは

甘酒と呼ばれる飲みものには、2種類あります。米麹から作るものと、酒粕から作るものです。

米麹のほうから説明します。麹菌(アスペルギルス・オリゼー)は、蒸した米に生やす、カビの仲間です。味噌、醤油、日本酒、焼酎、みりん、米酢、漬物。日本の発酵食品は、だいたいこの菌で作られています。そのなかで麹甘酒はいちばん単純で、米麹と水を混ぜて、50〜60度に置いておくだけです。日本書紀(720年)に、もう出てきます。

置いておくあいだに、何が起きるのか。麹菌が出すアミラーゼという酵素が、米のデンプンを切っていきます。デンプンはブドウ糖が長くつながったものなので、切れた先はブドウ糖です。これが甘さの正体で、砂糖は加えません。酒粕のほうは、日本酒を搾ったあとに残るものを湯で溶いたもので、甘さは足した砂糖から来ます。少しですが、アルコールも残ります。

100gあたりで並べると、こうなります。麹甘酒は105kcalで、ブドウ糖が23.2g、砂糖(ショ糖)はゼロ。酒粕甘酒は102kcalで、ブドウ糖が2.1g、砂糖が13.8g。たんぱく質はどちらも1.3〜1.4gです。砂糖を一粒も入れていない麹甘酒のほうが、糖は多いことになります。果物のジュースの主な糖はショ糖と果糖ですから、ブドウ糖が主役の飲みものは、けっこう珍しいものです。

世界保健機関は、砂糖などの糖を、1日にとるエネルギーの10%より少なくするようすすめています。1日2000kcalの人なら、糖で50gほど。甘酒を100mLくらい飲むぶんには、この目安は超えません。

では、糖のほかに何が入っていて、それは体にとって何なのか。分かっている範囲で並べます。

まず、アミノ酸が20種類。米のたんぱく質を、麹菌の出すプロテアーゼという酵素が切ったものです。そのなかに、エルゴチオネインという変わったアミノ酸があります。人の体はこれを自分では作れず、食べものからとるしかありません。ところが体のほうには、この成分専用の入り口(輸送体)が用意されています。しかも、いったん取り込んだら、なかなか外に出しません。この入り口を持たないマウスに注射で入れると、半分以上が尿に出てしまうのに、ふつうのマウスでは1割も出ていきませんでした。わざわざ専用の入り口を用意して、抱え込む。体にとって要るものだ、ということです。

血のなかのエルゴチオネインは、年齢とともに減っていきます。そして、少ない人ほど、パーキンソン病、軽い物忘れ、クローン病、体の弱りが多いことが報告されています。もの忘れの外来に通う高齢者470人を、最長5年追った研究があります。血のなかのエルゴチオネインが少ない人ほど、記憶、段取りの力、注意、手の速さ、ことばの成績が、速く下がっていました。ただし、これらはいずれも「少ない人にそうした状態が多い」という関係で、減ったから起きるのか、起きたから減るのかは、まだ分かっていません。いちばん多く含まれている食べものは、きのこです。

ビタミンB群も入っています。B1、B2、B3、B5、B6、B7。米ぬかにあったぶんは精米で削り落とされているのですが、麹を作るあいだに、麹菌が作り直しています。

オリゴ糖も入っています。ブドウ糖どうしが2つ3つつながった形のもので、いちばん多いイソマルトースが全体の2〜3%です。この形になると、人の消化酵素では切りにくく、大腸まで届いて腸の菌のえさになります。

脂のなかには、グルコシルセラミドがあります。麹菌の細胞膜からくる成分です。肌の表面には、水を逃がさないための脂の層があって、その材料がセラミドです。米、とうもろこし、こんにゃく、ビートから取ったグルコシルセラミドを口からとると、肌から水が逃げる量が減った、という報告があります。麹甘酒のものも形が似ているので、同じようにはたらくかもしれない、という段階です。

もうひとつ、麹菌そのものの菌体も入っています。この記事の2本目に出てくる試験では、118gあたり302mg。試験を行った人たちは、これが効いている成分ではないか、と考えています。

酒粕のほうに特徴的なのは、レジスタントプロテインです。消化されにくいたんぱく質で、胃や腸の酵素で切られないまま先へ進むため、食物繊維に近いふるまいをします。もうひとつ、α-エチルグルコシドという、日本酒を造る過程でできる成分があります。

ここまでが中身の話です。最後に、意外なことを2つ。

ひとつめ。ブドウ糖の塊のような飲みものですが、血糖の上がり方は、思ったほどではありませんでした。健康な18人に118g飲んでもらって測ると、血糖の最高値は133.5mg/dL、上がり幅は46mg/dLです。同じ量のご飯を食べたときの報告より低い値だ、と総説は書いています(別々の研究どうしを並べた比べ方です)。ラットの腸を裏返して調べた実験でも、ブドウ糖の吸収が抑えられていました。オリゴ糖か、麹菌の菌体が関わっているのかもしれない、とされています。血糖が高め(100〜125mg/dL)の24人が、3倍の量を4週間飲み続けた試験でも、体重も血液検査の値も変わりませんでした。

ふたつめ。この記事の2本目の試験で「偽の飲みもの」に使われているのは、米に酵素を加えて作った水あめです。1本118gあたり、エネルギーは128.6kcalで甘酒が127.4kcal。ブドウ糖は27.8gで甘酒が26.1g。糖もカロリーも、ほとんど同じにそろえてあります。違うのは、麹菌の菌体が302mg入っているかどうか、麹菌由来のグルコシルセラミドが1.16mg入っているかどうか、といったところです。だから、もし差が出たとすれば、それは糖やカロリーのはたらきではないことになります。

出典:Kurahashi A. Ingredients, Functionality, and Safety of the Japanese Traditional Sweet Drink Amazake. J Fungi (Basel). 2021;7(6):469. doi.org/10.3390/jof7060469(成分の量、世界保健機関の目安、血糖と安全性の並び。全文が無料で読めます) 研究費は、米麹甘酒を作っている八海醸造株式会社から。著者は同社の生産と研究開発の責任者です。血糖と安全性のもとになっている試験も、同じ著者らによるものです。 / Cheah IK, Halliwell B. Ergothioneine, recent developments. Redox Biol. 2021;42:101868. doi.org/10.1016/j.redox.2021.101868(エルゴチオネインの入り口と、血中濃度の話。利益相反はないと書かれています。全文が無料で読めます) / Wu LY ほか Low Plasma Ergothioneine Predicts Cognitive and Functional Decline in an Elderly Cohort Attending Memory Clinics. Antioxidants (Basel). 2022;11(9):1717. doi.org/10.3390/antiox11091717(シンガポールの470人を最長5年追った観察研究。研究費はシンガポール国立医学研究評議会などの公的な資金から。全文が無料で読めます) / 118gあたりの中身は、この記事の2本目(J Fungi. 2021;7(9):782)の表によります。

成分を測った研究

麹甘酒に何が入っているのかを、まとめて測った。300を超える成分が見つかった

まず、飲んでいるものの中身の話です。千年以上飲まれてきた飲みものですが、何が入っているかは、あまり調べられていませんでした。

  • 2017年・日本
  • 麹甘酒と、乳酸発酵させた甘酒
  • まとめて測る方法(メタボロミクス)
  • 300を超える成分

調べたのは2つの飲みものです。ふつうの麹甘酒と、それを乳酸菌(雪室から取り出したラクトバチルス・サケイUONUMA株)でもう一度発酵させた甘酒。どちらにも何がどれだけ入っているかを、成分をまとめて測る方法で調べています。

2つ合わせて、300を超える成分が見つかりました。糖、アミノ酸、有機酸、そしてビタミンB群です。糖は13種類が特定され、そのうち2つは、まだ名前のついていない三糖でした。

糖の顔ぶれは、2つの甘酒で違いがありませんでした。乳酸発酵させたほうでは、乳酸とビタミンB2、B3、B6が増え、リンゴ酸とグルタミンが減っています。これらのビタミンは、乳酸菌が作っていました。

乳酸発酵させたほうからは、アセチルコリンという、神経のあいだで信号を伝える物質も新しく現れています。論文はこれを「驚いたことに」と書いています。

元の数字:2つの飲みものから、合わせて300を超える成分を検出。糖は13種類(うち名前のついていない三糖が2つ)。乳酸発酵させたほうで、乳酸、ビタミンB2(リボフラビン)、B3(ニコチン酸とニコチンアミド)、B6(ピリドキシン)が有意に増え、リンゴ酸とグルタミンが減少。研究費は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムと、科学技術振興機構から出ています。

この研究が調べていないこと

測ったのは飲みものの中身で、人が飲んだあとに何が起きるかは、この研究の外になります。

原文:Metabolite profile of koji amazake and its lactic acid fermentation product by Lactobacillus sakei UONUMA. J Biosci Bioeng. 2017;124(2):178–183.
doi.org/10.1016/j.jbiosc.2017.03.011

くじ引き試験

健康な大人44人。お通じの日数が、偽の飲みものより多かった

甘酒の人の試験のなかで、いちばん条件のそろったものです。比べものの作り方を見てください。

  • 44人
  • 1日118g・4週間
  • 二重盲検
  • 新潟

週に2〜5日お通じがある健康な大人44人を、くじ引きで2つに分けました。片方は麹甘酒、もう片方は米に酵素を加えて作った水あめ。4週間、毎日1本飲みます。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。

この水あめが、うまく作られています。1本118gあたり、エネルギーは128.6kcalで甘酒の127.4kcalとほぼ同じ。ブドウ糖は27.8gで、甘酒は26.1g。糖もカロリーもそろえてあります。違うのは、麹菌で発酵させたかどうか。甘酒には麹菌の菌体が302mg入っていて、水あめには入っていません。麹菌由来のグルコシルセラミドも、甘酒に1.16mg、水あめには0mgです。

1週間あたりのお通じの日数は、2週間目で5.09日と4.14日、3週間目で5.41日と4.18日、4週間目で5.09日と3.95日。どの時点でも、甘酒のほうが多くなっています。4週間目の1週間ぶんの便の重さは、724gと501gでした。

便のなかの短鎖脂肪酸には、差が出ていません。3週間目に、ブラウティアという菌が減り、バクテロイデスが増えていました。

糖もカロリーもそろっているので、差が出たとすれば、それは糖のはたらきではありません。著者は、麹菌の菌体そのものが働いている成分かもしれない、と書いています。

元の数字:1週間あたりの排便日数が、2週後5.09日対4.14日、3週後5.41日対4.18日、4週後5.09日対3.95日。4週後の1週間の便重量が724g対501g。麹菌の菌体は118gあたり302±15.5mg。1本あたりのエネルギーは127.4kcal対128.6kcal、ブドウ糖26.1g対27.8g、グルコシルセラミドは合計1.39mg対0.41mg(うち麹菌由来が1.16mg対0mg)。臨床試験登録はUMIN000038520。研究費は、麹甘酒を作っている八海醸造株式会社から出ています。著者の1人は同社の生産と研究開発の責任者、4人は同社の社員です。

この研究が調べていないこと

参加したのは、もともと週に2〜5日お通じのある健康な人で、便秘のある人は含まれていません。

原文:Intake of Koji Amazake Improves Defecation Frequency in Healthy Adults. J Fungi (Basel). 2021;7(9):782.
doi.org/10.3390/jof7090782(全文が無料で読めます)

日本語

中高年32人が6週間。便秘の点数が下がり、ビフィズス菌が増えた

岡山県立大学のグループによる、日本語の研究です。

  • 中高年32人
  • 1日35g・6週間
  • 便の形と便秘の点数
  • 前後の比較

中高年32人に、米麹甘酒を1日35g、6週間飲んでもらいました。飲む前と後で、便の形を段階で見る指標と、日本語版の便秘評価尺度、それに便のなかの菌13項目を調べています。

便の形も便秘の点数も、前後で有意に変わりました。便秘のあった人では、便秘の症状がはっきり良くなっています。

便秘のなかった人で、便がゆるくなりすぎたり、もれが増えたりはしていません。下剤や浣腸ではそこが問題になりやすい、というのがこの研究の出発点でした。

菌のほうでは、フィルミクテスとバクテロイデーテスの比が有意に下がりました。便秘のあった人では、ビフィズス菌とアッカーマンシアが有意に増えています。

元の数字:32人、1日35g、6週間。ブリストル便形状スケールと日本語版便秘評価尺度が、介入の前後で有意に変化。Firmicutes/Bacteroidetes比が有意に低下し、便秘群でBifidobacteriumとAkkermansiaが有意に増加。著者は岡山県立大学と甲南女子大学の所属です。

この研究が調べていないこと

飲まないグループを置かず、同じ人の前と後を比べたものです。

原文:「中高年者における米麹甘酒摂取に伴う腸内環境と排便の変化」日本臨床栄養学会雑誌 2020;42(1):54–65.
jstage.jst.go.jp(全文が無料で読めます)

1グループを追った研究

10人で、もともとの腸内細菌の型によって、変化のしかたが違った

同じ岡山のグループが、重い障害のある子どもと大人を対象に行った研究です。

  • 10人
  • 6週間
  • 2021年・日本
  • 比べるグループなし

重い運動と知的の障害のある10人に、米麹甘酒を6週間飲んでもらいました。便のなかの菌を、飲む前と後で詳しく調べています。

便秘の程度をはかる尺度の点数は、有意に下がりました。便のなかでは、乳酸菌の仲間が有意に増え、大腸菌やシゲラの仲間が有意に減っています。

面白いのはここからで、飲む前の腸内細菌の顔ぶれによって、参加者を3つに分けています。フィルミクテスが多い5人、アクチノバクテリアが多い4人、プロテオバクテリアが多い1人。便秘の点数が下がったのは、前の2つのグループでした。

ビフィズス菌は、全体でも、フィルミクテスの多いグループでも増える傾向がありました。アクチノバクテリアの多いグループでは、もともと多い状態です。著者は、甘酒による変化は、もともとの腸内細菌の組み合わせによって違うかもしれない、と述べています。

元の数字:10人、6週間。便秘評価尺度が有意に低下、Lactobacillalesが有意に増加、Escherichia-Shigellaが有意に減少。研究費は岡山県立大学、日本医療研究開発機構(AMED)、厚生労働省の事業から出ています。利益相反はないと書かれています。

この研究が調べていないこと

10人を3つに分けると1人だけのグループもでき、著者自身が予備的な研究と位置づけています。

原文:Effects of Malted Rice Amazake on Constipation Symptoms and Gut Microbiota in Children and Adults with Severe Motor and Intellectual Disabilities: A Pilot Study. Nutrients. 2021;13(12):4466.
doi.org/10.3390/nu13124466(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

肌の水分を8週間。差が出たのは、左の頬だけだった

乾燥が気になる健康な大人60人を、くじ引きで2つに分けた試験です。

  • 60人
  • 1日118g・8週間
  • 2022年
  • 二重盲検

30人が米麹甘酒、30人が見た目と味を似せた飲みものを飲みます。始める前と8週間後に、肌の水分量と、肌から水分が逃げていく量を測りました。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。

左の頬の水分量は、甘酒のグループのほうが保たれていました。8週間での変化は、甘酒が0.19、比べた飲みものが−3.98です。

一方、肌から水分が逃げていく量には差がありませんでした。論文には「予想に反して」と書かれています。

元の数字:左頬の角層水分量の8週間での変化が、甘酒0.19、対照−3.98。経表皮水分蒸散量には差なし。研究費は八海醸造株式会社から出ています。著者のうち1人は同社の生産と研究開発の責任者、4人は同社の社員です。

この研究が調べていないこと

差が出たのは左の頬で、ほかの場所と、肌のバリアの働きを見る指標には、差が示されていません。

原文:Koji amazake Maintains Water Content in the Left Cheek Skin of Healthy Adults: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group, Comparative Trial. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2022;15:1281–1288.
doi.org/10.2147/CCID.S366979(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

酒粕と米麹の甘酒を4週間。17人で、皮脂の量が偽の飲みものより低かった

同じ論文の中に、ハムスターの細胞を使った実験と、人に飲んでもらった試験の両方が入っています。

  • 17人
  • 4週間
  • 2020年・日本
  • 二重盲検

日本人女性17人が、酒粕と米麹から作った甘酒か、見た目を似せた飲みものを4週間飲みます。

甘酒のグループでは、皮脂の量が偽の飲みものより低い値でした。目の下の明るさを表す数値も、偽の飲みものより上がっています。

アンケートでは、顔色、目の下のくま、髪のつや、寝起きのよさについて、甘酒のグループだけで改善がありました。

同じ論文の細胞の実験では、酒粕や米麹を加えると、皮脂を作る細胞のなかに脂がたまるのが抑えられています。PPARγという遺伝子の働きが下がったことが関わっているようだ、と書かれています。

元の数字:17人、4週間。皮脂量が対照より低く、目の下のL*値が対照より高い値。細胞の実験はハムスターの皮脂腺細胞を使ったもの。研究費は森永製菓株式会社から出ています。

この研究が調べていないこと

17人、4週間の試験で、アンケートの項目は本人の感じ方によるものです。

原文:Amazake made from sake cake and rice koji suppresses sebum content in differentiated hamster sebocytes and improves skin properties in humans. Biosci Biotechnol Biochem. 2020;84(8):1689–1695.
doi.org/10.1080/09168451.2020.1756734

この記事に入れなかったもの

読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。

発芽させた米で作った甘酒の中身を測ったポルトガルの研究。γ-オリザノールとGABAが増えていますが、店で買う甘酒とは別のものになるため外しました(Foods 2023、doi)。

在宅で療養している21人に6週間飲んでもらった日本語の試験。水か白湯と比べていて、便秘の点数は下がる傾向どまりでした(日本臨床栄養学会雑誌 2023;45(2):122–139、doi)。

施設の高齢者13人が6週間飲んだ研究。栄養状態の指標とアルブミンが少し上がりましたが、比べるグループがありません(J Nutr Gerontol Geriatr 2025、doi)。

牛乳と麹から作る「ミルク甘酒」を40人が8週間飲んだ、二重盲検の試験。肌の弾力が上がっています。ただし別の飲みものなので外しました(J Oleo Sci 2023、doi)。

甘酒を飲んだあとの血糖とインスリンを調べた試験と、血糖が高めの人が3倍量を飲んだ安全性の試験。箱のなかで数字を紹介しましたが、どちらも日本醸造協会誌に載ったもので、作り手である八海醸造の研究者によるものです。論文として並べるのではなく、箱のなかの参考にとどめました。

試す前に

試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。