大豆のイソフラボンは、女性ホルモンと似たかたちをしています。そして腸の菌によって、もっと強くはたらくエクオールという物質に変わります。このエクオールをつくれる人では、骨の減りが遅く、心臓の血管の石灰化が少なく、メタボリックシンドロームも少ない、という研究が並んでいます。ところが、つくれる人とつくれない人がいます。同じ豆乳を飲んでも、体の中でできあがるものが違うのです。誰がつくれるのか。つくれると何が違うのか。そこから、牛乳を豆乳に置きかえた試験、FDAが集め直した46試験、そして日本で何万人も追いかけた調査へ。8本を順に読みます。
ざっと言うと
- 日本人が1日にとっている大豆イソフラボンは30mgほど。その9割は、豆腐・味噌・納豆・油揚げの4つから来ています。
- 日本人女性58人を調べた研究では、イソフラボンからエクオールをつくれていた人は22%でした。つくる菌は97%の人にいます。
- 日本人男性272人の調査では、つくれる人で、心臓の血管の石灰化が少なくなっていました。食べたイソフラボンの量では差が出ていません。
- 日本人女性1,345人の調査では、つくれる人で、メタボリックシンドロームが少なくなっていました。
- 牛乳を豆乳に置きかえた17試験では、悪玉コレステロールと血圧と炎症の目印が低い値でした。
- FDAが挙げた46試験を計算し直すと、大豆たんぱくで悪玉コレステロールが3〜4%低くなっていました。
- 閉経期の女性の10試験を集めた解析では、背骨の骨密度が高い値でした。
- 日本の21,852人の女性の調査では、イソフラボンをよくとる人で、乳がんになった人が少なくなっていました。
- 日本の40,462人の調査では、女性で、脳梗塞と心筋梗塞になった人が少なくなっていました。男性では差が出ていません。
そもそもイソフラボンとエクオールとは
豆乳は、水につけた大豆をすりつぶし、煮て搾ったものです。搾りかすがおからになります。
大豆に入っている成分のうち、いちばん長く調べられてきたのがイソフラボンです。植物がつくる成分で、女性ホルモン(エストロゲン)と似たかたちをしており、体の中で同じ受け皿(受容体)にはまります。植物性エストロゲンと呼ばれるのは、そのためです。
女性ホルモンは、閉経の前後で減っていきます。骨や血管など、いろいろなところが、その影響を受けます。もし食べものからとった成分が、その受け皿に弱くでもはまるなら、何か違いが出るのだろうか。大豆をよく食べてきた日本で研究が積み重ねられてきたのは、この問いがあったからです。
ところが、話には続きがあります。イソフラボンのうちダイゼインという種類は、腸の菌によって、エクオールという別の物質に変わります。このエクオールのほうが、もとのダイゼインよりも強く、女性ホルモンの受け皿にはまります。同じ量の大豆を食べても、エクオールまで変えられた人のほうが、強い信号が体に届く、ということになります。
では、エクオールがあると、体にとって何がいいのか。いまのところ、4つのことが分かっています。
ひとつめは骨です。閉経したばかりの日本人女性54人に、イソフラボンか偽物を1年間とってもらった二重盲検の試験があります。骨が減る速さは、エクオールをつくれる人で1年に0.46%、つくれない人で2.28%でした。同じイソフラボンをとっても、骨の減り方が5倍ちがう。偽物をとったグループでは、つくれる人とつくれない人のあいだに差はありませんでした。
ふたつめは心臓の血管です。日本人男性272人を調べた研究では、つくれる人で、心臓の血管の石灰化がある割合が10分の1でした。食べたイソフラボンの量では、差が出ていません。これは2本目で読みます。
みっつめは体全体の代謝です。日本人女性1,345人の健診では、つくれる人でメタボリックシンドロームがある割合が6.6%、つくれない人で10.9%でした。3本目で読みます。
よっつめは更年期のほてりです。つくれない人にエクオールそのものを飲んでもらった試験を5本集めた解析で、ほてりの点数が下がっています。自分でつくれなくても、外から入れれば届く、ということのようです。
そして、エクオールは口から入るものではありません。自分の腸でつくるものです。だから同じ豆乳を飲んでも、エクオールができる人と、できない人がいます。この記事の1本目から3本目は、その話です。誰がつくれるのか。つくれると、何が違うのか。
量の話もしておきます。日本人が1日にとっているイソフラボンを食事記録から調べた研究では、ダイゼインが12.1mg、ゲニステインが19.6mg。合わせて30mgほどでした。そしてその9割が、たった4つの食品から来ています。豆腐、味噌、納豆、油揚げです。日によって食べるものが変わるため、同じ人のなかでも日ごとのばらつきは9割近くありました。
形も食品によって違います。市販の大豆食品29種類を測った研究では、発酵させた食品に、糖の外れた形(アグリコン)が多く見つかりました。発酵させていない食品では逆に、糖のついた形(配糖体)が多くなっています。加工の進んだ大豆食品になると、丸大豆の6〜20%しかイソフラボンが残っていません。
出典:Ishimi Y. Dietary equol and bone metabolism in postmenopausal Japanese women and osteoporotic mice. J Nutr. 2010;140(7):1373S–1376S. doi.org/10.3945/jn.110.124842(受容体への結合と、骨の話。閉経early期の日本人女性54人の1年間の二重盲検試験で、イソフラボン群の全股関節の骨密度の年変化がエクオール産生者−0.46%、非産生者−2.28%。大転子間は−0.04%と−2.61%。プラセボ群では産生者と非産生者に差なし) / Daily JW ほか Equol Decreases Hot Flashes in Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials. J Med Food. 2019;22(2):127–139. doi.org/10.1089/jmf.2018.4265(ほてりの話。6研究779人から5研究728人で解析。うち2研究では有意な差が出ていません) /Wakai K ほか Dietary intake and sources of isoflavones among Japanese. Nutr Cancer. 1999;33(2):139–145. doi.org/10.1207/S15327914NC330204(日本人の摂取量) / Wang H, Murphy PA. Isoflavone content in commercial soybean foods. J Agric Food Chem. 1994;42(8):1666–1673. doi.org/10.1021/jf00044a016(食品ごとの形の違い)
イソフラボンからエクオールをつくれていた人は、5人に1人だった
まず、豆乳に入っているものが、体の中でどうなるかの話です。
- 閉経後の日本人女性58人
- 48〜69歳
- 便の菌と尿を測定
- 2019年
仙台の医療センターに通う48〜69歳の日本人女性58人が参加しました。ふだん何を食べているかを、いまと昔の両方について書いてもらっています。そのうえで便の菌を調べ、尿のエクオールを測り、一定量を超えた人を「つくれる人」としました。
エクオールをつくる菌は、58人のうち56人(97%)から見つかりました。ところが、実際につくれていたのは13人(22%)だけです。
大豆のイソフラボンのうちダイゼインは、腸の菌によってエクオールという物質に変わります。論文では、はたらきのある代謝物と説明されています。菌がいるだけでは足りず、その菌がどれだけ働いているかで決まる、という形です。
つくれる人は、腸の菌の種類が多く、ふだん食べているものも違っていました。肉、魚、大豆、野菜、和菓子をよく食べる人で、菌の種類の多さとエクオールづくりに、よい向きの関係が見られています。ラーメンをよく食べる人と、たばこを吸う人では、逆の向きでした。
元の数字:58人のうち、エクオールをつくる菌が見つかったのは56人(97%)、尿のエクオールが1.0マイクロモルを超えていたのは13人(22%)。つくれる人は腸内細菌の多様性が高い(p=0.002)。
この研究が調べていないこと
58人を一度だけ調べたもので、食べ方を変えたらどうなるかは調べていません。
原文:Inter-relationship between diet, lifestyle habits, gut microflora, and the equol-producer phenotype: baseline findings from a placebo-controlled intervention trial. Menopause. 2019;26(3):273–285.
doi.org/10.1097/GME.0000000000001202
つくれる人とつくれない人を比べて。男性で、心臓の血管の石灰化が少なかった
では、つくれると何がいいのか。ここがいちばん知りたいところだと思います。
- 日本人男性272人
- 40〜49歳
- 血液のエクオールとCT
- 2004〜2007年
40〜49歳の日本人男性272人について、血液のイソフラボンとエクオール、それにCTで測った冠動脈の石灰化を調べています。冠動脈の石灰化は、心臓の血管に動脈硬化が進んでいるかどうかの目印です。血液のエクオールが一定量を超えた人を「つくれる人」としました。
つくれる人は272人のうち16.0%でした。石灰化があった人は9.6%。年齢や喫煙などの影響を差し引くと、つくれる人で石灰化がある割合は、つくれない人の0.10倍になっています。
ここが肝心なところです。食べているイソフラボンの量と石灰化のあいだには、はっきりした関係が出ていません。どれだけ食べたかではなく、エクオールに変えられるかどうかのほうに、差が出ています。
著者は、イソフラボンが動脈硬化を防ぐ働きの鍵は、エクオールかもしれない、と述べています。そのうえで、もっと大きな研究や試験で確かめる必要がある、とも書いています。
元の数字:272人のうち、エクオールをつくれる人が16.0%、冠動脈の石灰化がある人が9.6%。多変量で調整したあと、つくれる人で石灰化があるオッズ比は0.10(95%信頼区間 0.01〜0.90、p<0.04)。食べているイソフラボンの量と石灰化には、有意な関係なし。つくれる人の定義は、血清エクオール83ナノモル/L超。石灰化ありの定義は冠動脈カルシウムスコア10以上。研究費はアメリカ国立心肺血液研究所から出ています。
この研究が調べていないこと
一度だけ測った横断的な調査で、272人と多くなく、信頼区間の幅も広い結果です。
原文:Significant inverse association of equol-producer status with coronary artery calcification but not dietary isoflavones in healthy Japanese men. Br J Nutr. 2017;117(2):260–266.
doi.org/10.1017/S000711451600458X(全文が無料で読めます)
1,345人の女性で。つくれる人のほうが、メタボリックシンドロームが少なかった
女性でも、同じように調べた研究があります。
- 日本人女性1,345人
- 50〜69歳
- 福島県の健診
- 2018〜2021年
福島県の4つの健診センターで、2018年2月から2021年11月に健診を受けた50〜69歳の女性1,345人を調べています。尿のエクオールが一定量以上の人を「つくれる人」としました。
つくれる人は1,345人のうち378人、28.1%でした。メタボリックシンドロームがあった人の割合は、つくれる人で6.6%、つくれない人で10.9%です。
年齢と運動量の影響を差し引くと、つくれる人のオッズ比は0.60でした。
元の数字:1,345人のうち378人(28.1%)がエクオールをつくれる人。メタボリックシンドロームの割合は6.6%対10.9%。年齢、運動、身体活動、速歩で調整したオッズ比は0.60(95%信頼区間 0.38〜0.95)。つくれる人の定義は、尿中エクオール1.0マイクロモル/L以上。メタボリックシンドロームは日本の診断基準によります。
この研究が調べていないこと
一度だけ測った横断的な調査で、どちらが先かは分かりません。
原文:Association between equol production and metabolic syndrome in Japanese women in their 50s-60s. Menopause. 2022;29(10):1196–1199.
doi.org/10.1097/GME.0000000000002052
牛乳を豆乳に置きかえて。悪玉コレステロールと血圧と炎症の目印が、低い値だった
豆乳の研究のなかで、いちばん知りたいところだと思います。牛乳をやめて豆乳にしたら、どうなるのか。
- 17試験・504人
- 1日500mL
- 牛乳500mLと入れかえ
- 3週間以上
集めたのは、大人に3週間以上、豆乳と牛乳を同じカロリーで比べてもらったくじ引き試験17本、504人ぶんです。豆乳は1日500mL(大豆たんぱく22g)で、同じ量の牛乳(乳たんぱく24g)と入れかえています。
悪玉コレステロールと、それを含む脂質の指標が低い値でした。上の血圧は8.00mmHg、下の血圧は4.74mmHgほど低く、体のなかの炎症を映すCRPも低い値です。
甘みをつけた豆乳と、つけていない豆乳で分けても、意味のある違いは出ていません。
善玉コレステロールはわずかに高い値でした。血糖の指標、体重、腎臓、尿酸、肝臓については、差が出ていません。
元の数字:牛乳と入れかえたとき、non-HDLコレステロールが−0.26mmol/L(95%信頼区間 −0.43〜−0.10)、上の血圧が−8.00mmHg(−14.89〜−1.11)、下の血圧が−4.74mmHg(−9.17〜−0.31)、LDLコレステロールが−0.19mmol/L(−0.29〜−0.09)、CRPが−0.82mg/L(−1.26〜−0.37)、HDLコレステロールが+0.05mmol/L(0.00〜0.09)。確からしさは、LDLとnon-HDLが高い、血圧とCRPとHDLが中くらいと評価されています。研究費はアメリカの大豆生産者団体(ユナイテッド・ソイビーン・ボード)とカナダ保健研究機構から出ています。著者の1人は、同団体などから資金を受ける大豆栄養の研究機関に雇用されていたと申告し、ほかにも複数の著者が食品会社や業界団体との関係を申告しています。
この研究が調べていないこと
17試験を合わせても504人で、血圧の信頼区間の幅も広い解析です。
原文:A systematic review and meta-analysis of randomized trials of substituting soymilk for cow's milk and intermediate cardiometabolic outcomes. BMC Med. 2024;22(1):336.
doi.org/10.1186/s12916-024-03524-7(全文が無料で読めます)
FDAが挙げた46試験を計算し直して。悪玉コレステロールが3〜4%低かった
アメリカのFDAが、大豆たんぱくの心臓の健康表示を取り消そうとしました。その根拠になった46試験を、別の研究者が集め直したものです。
- 46試験(43試験で計算)
- 大豆たんぱく1日25g
- 期間の中央値6週間
- 2019年
FDAが挙げた46試験のうち、数字のそろった43試験を計算し直しています。参加したのは、悪玉コレステロールが110〜201mg/dLの大人。大豆たんぱくを1日25g(中央値)、6週間(中央値)とった場合と、大豆以外のたんぱくをとった場合を比べています。
悪玉コレステロールは4.76mg/dL、総コレステロールは6.41mg/dL低い値でした。割合にすると3〜4%です。43試験のうち4分の3ほどで、下がる向きの結果が出ています。
量を増やせば増えるという関係は、見られていません。
この論文には、集めた43試験それぞれの資金源も書かれています。企業と公的機関の両方から出ていたものが16件、企業だけが12件、公的機関だけが8件、資金の記載がないものが7件でした。
元の数字:悪玉コレステロールが−4.76mg/dL(95%信頼区間 −6.71〜−2.80、p<0.0001、I二乗値55%)、総コレステロールが−6.41mg/dL(−9.30〜−3.52、p<0.0001、I二乗値74%)。個々の試験の幅は−0.77〜−58.60mg/dL。研究費はカナダ保健研究機構から出ています。著者8名は利益相反なしと申告し、ほかの著者は食品会社や業界団体(大豆食品協会をふくむ)からの研究費・講演料・物品の提供を、長い一覧で申告しています。
この研究が調べていないこと
研究ごとのばらつきが大きい解析です(I二乗値55〜74%)。
原文:A Meta-Analysis of 46 Studies Identified by the FDA Demonstrates that Soy Protein Decreases Circulating LDL and Total Cholesterol Concentrations in Adults. J Nutr. 2019;149(6):968–981.
doi.org/10.1093/jn/nxz020(全文が無料で読めます)
閉経期の女性の10試験を集めて。背骨の骨密度が高かった
ここから、女性で差がはっきり出る話が続きます。
- 10試験・608人
- 閉経期の女性
- イソフラボンをとる・とらない
- 2008年
閉経期の女性を対象に、イソフラボンをとる群ととらない群をくじ引きで分けた試験10本、608人ぶんを集めています。調べたのは背骨の骨密度です。
背骨の骨密度は、とった群のほうが1平方センチあたり20.6mg高い値でした。
1日90mgより多くとった試験にしぼると28.5mg、6か月続けた試験にしぼると27mgと、どちらも大きくなっています。一方で、骨のミネラルの量そのものは、差があるかないかの境目でした。
元の数字:背骨の骨密度が+20.6mg/cm²(95%信頼区間 4.5〜36.6)。1日90mgを超える試験では+28.5mg/cm²(8.4〜48.6)、6か月の試験では+27mg/cm²(8.3〜45.8)。骨塩量は+0.93g(−0.37〜2.24)で境目。
この研究が調べていないこと
骨密度を調べたもので、骨折が減るかどうかは調べていません。
原文:Soy isoflavone intake increases bone mineral density in the spine of menopausal women: meta-analysis of randomized controlled trials. Clin Nutr. 2008;27(1):57–64.
doi.org/10.1016/j.clnu.2007.10.012
日本の21,852人の女性を追いかけて。イソフラボンをよくとる人で、乳がんになった人が少なかった
ここからは、日本での追跡調査が2つ続きます。
- 21,852人
- 40〜59歳
- 1990年から1999年
- 乳がん179人
1990年に、40〜59歳の日本人女性21,852人が、大豆をどれくらい食べるかを書いています。1999年12月まで、延べ209,354人年を追いかけ、そのあいだに乳がんと診断された179人を数えました。
イソフラボンの摂取量がいちばん多い4分の1のグループでは、いちばん少ないグループと比べて0.46でした。段階的に下がる形も見えています。
みそ汁を飲む頻度でも、同じ向きの関係が出ていました。閉経後の女性のほうが、はっきりしています。
一方で、大豆食品そのものの量では、はっきりした関係は出ていません。
元の数字:イソフラボン摂取量の4分位で、いちばん少ない群と比べて、2番目0.76(95%信頼区間 0.47〜1.2)、3番目0.90(0.56〜1.5)、いちばん多い群0.46(0.25〜0.84)、傾向のp=0.043。閉経後の女性では傾向のp=0.006。生活歴や家族歴、喫煙、ほかの食べものの影響を差し引いても、関係は大きく変わっていません。
この研究が調べていないこと
食べているものを本人の申告で集めた調査です。
原文:Soy, isoflavones, and breast cancer risk in Japan. J Natl Cancer Inst. 2003;95(12):906–913.
doi.org/10.1093/jnci/95.12.906
日本の40,462人を追いかけて。女性で、脳梗塞と心筋梗塞になった人が少なかった
最後は、日本のいちばん大きな追跡です。ここで、男女の差がはっきり出ます。
- 40,462人
- 40〜59歳
- 1990-92年から2002年
- 脳梗塞587人・心筋梗塞308人
心臓や血管の病気もがんもない40〜59歳の40,462人が、1990年から1992年に、食べているものを書いています。2002年まで、延べ503,998人年を追いかけました。そのあいだに脳梗塞が587人、心筋梗塞が308人です。
女性では、大豆を週5回以上食べる人が、週0〜2回の人と比べて、脳梗塞が0.64、心臓や血管の病気で亡くなる人が0.31でした。イソフラボンの量がいちばん多い5分の1のグループでは、脳梗塞が0.35、心筋梗塞が0.37です。
この関係は、閉経後の女性でとくにはっきりしていました。
男性では、大豆でも、みそ汁でも、豆でも、イソフラボンでも、はっきりした関係は出ていません。
ただし2本目では、同じ男性でも、エクオールをつくれるかどうかで分けると差が出ていました。食べた量ではなく、体の中で何ができるか。この記事は、そこに戻ってきます。
元の数字:女性で、大豆を週5回以上と週0〜2回の比較が、脳梗塞0.64(95%信頼区間 0.43〜0.95)、心筋梗塞0.55(0.26〜1.09)、心血管の病気による死亡0.31(0.13〜0.74)。イソフラボンの5分位で最高と最低の比較が、脳梗塞0.35(0.21〜0.59)、心筋梗塞0.37(0.14〜0.98)、心血管の病気による死亡0.87(0.29〜2.52)。男性では、いずれも有意な関係なし。
この研究が調べていないこと
食べているものを最初に一度書いてもらった調査で、そのあとの食べ方の変化は追っていません。
原文:Association of dietary intake of soy, beans, and isoflavones with risk of cerebral and myocardial infarctions in Japanese populations: the Japan Public Health Center-based (JPHC) study cohort I. Circulation. 2007;116(22):2553–2562.
doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.106.683755
この記事に入れなかったもの
読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。
日本の4,165人を5年追いかけた血圧の調査。納豆やみそなど発酵させた大豆をよくとる人では、血圧が高くなった人が少なくなっていました。一方、豆腐など発酵させていない大豆では、差が出ていません(J Nutr 2017、doi)。
中年期にゲニステイン(イソフラボンの一種)を多くとっていた人のほうが、あとの認知機能の低下が多かった、という日本の調査(J Epidemiol 2023、doi)。
更年期の症状をまとめた11試験の解析。ほてりには差が出ておらず、研究ごとのばらつきも非常に大きい解析でした(Nutr Res Pract 2022、doi)。
日本の男性5人で、豆乳・豆腐・煮豆・納豆からのイソフラボンの吸収を比べた研究。人数が少なく、はっきりした差にはなっていません(日本栄養・食糧学会誌 2015、J-STAGE)。
試す前に
試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。
