ブルーベリーの青紫は、アントシアニンという色素の色です。人を対象にした試験でいちばんはっきりしているのは、この色素をとると、血管がよく広がるようになる、という変化でした。血管のひろがりは、この先に心臓や血管の出来事が起こるかどうかと結びついている数字です。はじめに、そもそも何がどれだけ入っているのか。つづいて、それが体の中でどうなるのか。そこから、カップ半分から1杯ぶんを毎日食べてもらい、見た目も味も同じにそろえた偽物と比べる試験へ。集まった結果を並べると、はっきり差が出るところと、まったく出ないところが、きれいに分かれます。その分かれ方が見えるところまで、8本を順に読みます。

ざっと言うと

  • 生の実100gあたりのアントシアニンは、栽培種で387mg、野生種で487mg。いちごは21mg、りんごは12mg、バナナやみかんは0mgです。
  • 6つの品種と野生種を測った研究では、入っている成分の量が品種によって違いました。有機栽培のものは、アントシアニンが少なく、クロロゲン酸が多くなっています。
  • 印をつけたアントシアニンを追いかけた研究では、思われていたよりも多くが体をめぐり、48時間たっても残っていました。
  • 健康な人の14試験・632人を集めると、血管のひろがりに差が出ました。血圧と頭のはたらきには出ていません。
  • 血管にしぼって集め直した解析では、血管のひろがりに加えて、下の血圧にも差が出ました。
  • 1日1カップを6か月続けた115人でも、血管のひろがりと動脈のしなやかさに差が出ました。半カップでは出ていません。
  • 脂っこい食事にブルーベリーを足した45人では、3時間後のインスリンが半分以下でした。
  • スムージーを1日2回、6週間飲んだ32人では、インスリンの効きに差が出ました。
  • 記憶が下がりはじめた513人を集めた解析では、出来事を思い出す力に差が出ました。健康な人では出なかったところです。

そもそもアントシアニンとは

ブルーベリーの青紫は、アントシアニンという色素の色です。植物がつくるポリフェノールの一種で、赤や紫や青の実の色は、たいていこの仲間によるものです。

よく食べる果物と並べて量を測ると、この色素の多さがはっきりします。生の実100gあたりのアントシアニンは、大粒の栽培種(ハイブッシュ)が387mg、小粒の野生種(ローブッシュ)が487mg。ブラックベリーが245mg、さくらんぼが122mg、ラズベリーが92mg、いちごが21mg、りんごが赤い皮つきで12mg。バナナ、みかん、キウイ、メロン、すいかは0mgです。

同じブルーベリーのなかでも幅があります。栽培種80系統と野生種135系統を調べたところ、その9割が1.6倍の幅のなかに収まっていました。

では、体にとって何がいいのか。人を対象にした試験でいちばんはっきりしているのは、血管です。

血管の内側は、内皮という薄い膜でおおわれています。ここが元気だと、血が必要なときに、血管がふわりと広がります。衰えると、広がりにくくなる。腕の血流をいったん止めて、はなしたときにどれだけ広がるかを測れば、その元気さが分かります。血流依存性血管拡張反応、短くFMDと呼ばれる測り方です。

この数字が大事なのは、先のことと結びついているからです。35の研究、17,280人を集めた解析では、FMDが1%大きい人ほど、心臓や血管の出来事が起こる割合が12%少なくなっていました。指先で測るやり方でも、同じような関係が出ています。

この記事に出てくるブルーベリーの数字は、1.11%、1.45%、1.50%です。

血管のほかにも、食べたあとの血糖とインスリン、そして記憶について調べた試験があります。ブルーベリーにはアントシアニンのほかにも多くのファイトケミカルが含まれます。そのなかで健康への働きにいちばん大きく関わっているのは、おそらくアントシアニンだろう、と総説は述べています。

観察研究では、ふだんからほどほどに食べている人で、心臓と血管の病気、死亡、2型糖尿病が少ないことが示されています。体重が保たれやすいこと、神経が守られやすいことも、同じように結びついています。人での試験による裏づけも出てきていますが、まだ足りない、というのが著者たちの立場です。

そのうえで、熟しておいしいブルーベリーをふだんから食べることは無条件に勧められる、という点では広く意見が一致している、と締めくくっています。

出典:Kalt W ほか Recent Research on the Health Benefits of Blueberries and Their Anthocyanins. Adv Nutr. 2020;11(2):224–236. doi.org/10.1093/advances/nmz065(成分の量と、観察研究の並び。全文が無料で読めます) アメリカのハイブッシュブルーベリー協会が、著者それぞれに謝金を出しています。同協会は、この総説の設計と実施には関わっていないと書かれています。著者のうち3名は利益相反なし、1名は同協会の助成委員会の顧問で研究費も受けており、4名が同協会から研究費を受けています。同協会は、アメリカ農務省が設けた農業の研究・広報の団体で、ブルーベリーの生産者・加工業者・輸入業者が資金を出し、農務省の独立した監督のもとで運営され、製品そのものは売っていない、と説明されています。 / Matsuzawa Y ほか Prognostic Value of Flow-Mediated Vasodilation in Brachial Artery and Fingertip Artery for Cardiovascular Events: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Am Heart Assoc. 2015;4(11):e002270. doi.org/10.1161/JAHA.115.002270(FMDと将来の出来事の関係。35試験17,280人でFMDが1%大きいと相対危険0.88[0.84〜0.91]、指先の指標でも0.1増えると0.79[0.71〜0.87]。研究ごとのばらつきは大きいと書かれています。研究費はアメリカ国立衛生研究所から。全文が無料で読めます)

成分を測った研究

6つの品種と野生種を測って。入っているものが、品種によって違った

「ブルーベリー」とひとくくりにはできない、ということが分かる研究です。

  • 栽培種6品種と野生種1つ
  • アントシアニン・フラバノール・クロロゲン酸
  • イギリス
  • 2012年

大粒の栽培種(ハイブッシュ)6品種と、小粒の野生種(ローブッシュ)1つについて、3つの成分の量を測っています。青紫の色をつくるアントシアニン、渋みのもとになるフラバノール、そしてクロロゲン酸です。

アントシアニンから糖を外した形(アントシアニジン)で測ると、中心はデルフィニジンとマルビジンの2つでした。生の実100gあたり、デルフィニジンが45.0〜74.9mg、マルビジンが37.1〜62.2mg。品種のあいだで、1.5倍ほどの幅があります。

クロロゲン酸がいちばん多かったのは、小粒の野生種でした。フラバノールは、二量体という形のものがいちばん多く、全体の24%ほどを占めています。

有機栽培で育てたものは、フラバノールとクロロゲン酸がいちばん多い値でした。一方でアントシアニンは、同じ品種を慣行栽培で育てたものより少なくなっています。

元の数字:生の実100gあたり、デルフィニジンが45.0〜74.9mg、マルビジンが37.1〜62.2mg。フラバノールは二量体が全体の24±1.5%、単量体が11±0.7%。アントシアニンが多かったのはBluecrop、O'Neal、Bluejay、Brigittaの4品種。フラバノールが多かったのはBluejayと、有機栽培のBrigitta。クロロゲン酸がいちばん多かったのは野生種(ローブッシュ)。研究費は英国の生物工学・生物科学研究会議から出ています。

この研究が調べていないこと

測ったのは実に入っている量で、人が食べたあとに何が起きるかは、この研究の外になります。

原文:Procyanidin, anthocyanin, and chlorogenic acid contents of highbush and lowbush blueberries. J Agric Food Chem. 2012;60(23):5772–5778.
doi.org/10.1021/jf203812w

1グループを追った研究

印をつけたアントシアニンを飲んで48時間。思われていたよりも多くが、体をめぐっていた

つぎに、その色の成分が、体の中でどうなるのかです。ここが分かると、あとの6本の読み方が変わります。

  • 男性8人
  • 48時間
  • 炭素13で印をつけた
  • 2013年

アントシアニンは、ブルーベリーの青紫の色をつくっている成分です。食べてもほとんど吸収されない、と長いあいだ思われてきました。血のなかを探しても、ごくわずかしか見つからなかったからです。

この研究では、アントシアニンの1種類(シアニジン3-グルコシド)に、重い炭素(炭素13)で印をつけました。男性8人が500mgを飲み、48時間にわたって、尿と便、そして吐く息まで集めています。印がついているので、飲んだものが体のどこへ行ったかを追いかけられます。

印のついた炭素の12%ほどが、体をめぐっていました。ほとんど吸収されないという、それまでの見方よりも、ずっと多い値です。

血のなかでいちばん濃くなったのは、飲んでからおよそ10時間後でした。しかもその中身は、飲んだアントシアニンそのものではなく、そこから作られた別の物質(フェノール酸など)です。半分に減るまでの時間は12〜52時間と幅があり、48時間たっても残っていました。

ブルーベリーを食べたあと、体の中をめぐっているのは、色の成分そのものではありません。そこから生まれた物質のほうです。しかもそれが、2日近く残っています。

元の数字:男性8人が、炭素13で印をつけたシアニジン3-グルコシド500mgを摂取。尿・息・便で回収できたのは43.9±25.9%(範囲15.1〜99.3%)。相対的な生物学的利用能は12.38±1.38%(尿5.37±0.67%、息6.91±1.59%)。印のついた代謝物が血中で最も濃くなったのは10.25±4.14時間後で、最高5.97±2.14マイクロモル/L。半減期は12.44±4.22〜51.62±22.55時間。代謝物はフェノール酸、馬尿酸、フェニル酢酸、フェニルプロペン酸など。臨床試験登録はNCT01106729。研究費は英国の生物工学・生物科学研究会議から出ています。

この研究が調べていないこと

調べたのはアントシアニンのうち1種類で、ブルーベリーにいちばん多い種類ではありません。

原文:Human metabolism and elimination of the anthocyanin, cyanidin-3-glucoside: a 13C-tracer study. Am J Clin Nutr. 2013;97(5):995–1003.
doi.org/10.3945/ajcn.112.049247

くじ引き試験を集めたもの

健康な人の14試験を集めて。血管のひろがりに差が出て、血圧と頭のはたらきには出なかった

ここからは、実際に食べてもらった試験です。まず、いま分かっていることの地図から。健康な人だけにしぼって集めています。

  • 14試験・632人
  • 健康な人
  • くじ引き試験のみ
  • 2026年

集めたのは、ブルーベリーをとるグループととらないグループを、くじ引きで分けた試験です。14本、632人ぶん。ばらばらに行われた試験の結果を、ひとつの数字にまとめ直しています。

差が出たのは、血管のひろがり(FMD)でした。その数字が1.11ほど大きい値になっています。研究どうしのばらつきも小さめです。

一方で、上の血圧も下の血圧も動いていません。頭の切りかえの速さを見る指標(実行機能)も、気分も、差は出ませんでした。

健康な人では、血管に差が出て、頭のはたらきには届かない。この解析はそういう並びになっています。

元の数字:血流依存性血管拡張反応が1.11%(95%信頼区間 0.50〜1.72、ばらつきを表すI二乗値23%)。上の血圧は−0.11mmHg(−2.82〜2.60)、下の血圧は−0.46mmHg(−2.80〜1.87)、実行機能は効果の大きさ0.21(−0.05〜0.46)、気分は1.67(−1.35〜4.69)。

この研究が調べていないこと

集めた試験は、ブルーベリーの量も種類も期間も参加者の年齢もばらばらだ、と論文自身が限界に挙げています。

原文:Blueberry consumption enhances vascular function but not cognitive abilities in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis. Nutr Res. 2026;149:162–177.
doi.org/10.1016/j.nutres.2026.03.007

集めたもの

血管にしぼって集め直して。血管のひろがりと、下の血圧に差が出た

別のグループが、血管の話だけを取り出して集め直しています。ひとつ前は健康な人だけ、こちらは大人全般です。

  • 16の研究(うち11で計算)
  • 大人
  • 喫煙者だけの解析あり
  • 2024年

調べているのは、血管の内側をおおう膜(内皮)のはたらきです。ブルーベリーをとる研究を16本集め、数字のそろった11本で計算しています。何をどう集めるかを、始める前に登録したうえでの解析です。

血管のひろがりは1.50ほど大きく、指先の血流の戻りやすさを表す数字も高い値でした。下の血圧は2.20mmHgほど低くなっています。

たばこを吸う人だけを取り出すと、上の血圧も3.92mmHgほど低い値でした。全体では、上の血圧に差は出ていません。コレステロールも、善玉・悪玉ともに変わっていません。

ひとつ前では血管のひろがりだけでしたが、こちらでは下の血圧まで動いています。同じ血管の話でも、集めた相手が違う解析です。

元の数字:血流依存性血管拡張反応が1.50%(95%信頼区間 0.81〜2.20、I二乗値87%)、反応性充血指数が0.26(0.09〜0.42、I二乗値72%)、下の血圧が−2.20mmHg(−4.13〜−0.27、I二乗値11%)。喫煙者では上の血圧−3.92mmHg(−6.88〜−0.97)。上の血圧は全体で−1.43mmHg(−3.11〜0.26)、HDLは0.06(−0.04〜0.16)、LDLは0.05(−0.14〜0.24)。

この研究が調べていないこと

血管のひろがりについては、研究ごとのばらつきが大きい解析です(I二乗値87%)。

原文:Effect of blueberry intervention on endothelial function: a systematic review and meta-analysis. Front Physiol. 2024;15:1368892.
doi.org/10.3389/fphys.2024.1368892(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

1日1カップを6か月。115人で、血管のひろがりと動脈のしなやかさに差が出た

ここまでは集めた解析でした。ここからは1本の試験です。ブルーベリーの試験としては、いちばん長く続けたものになります。

  • 115人・6か月
  • 1カップと半カップ
  • 平均63歳・メタボリックシンドローム
  • 二重盲検

115人を、1日1カップ(生で150g)ぶん、半カップ(75g)ぶん、偽物の3つに分けています。ブルーベリーは凍結乾燥した粉にして小袋に詰め、見た目も味も同じ偽物と並べました。配る側も受け取る側も、どれが本物かは知りません。

1カップのグループでは、血管のひろがりを表す数字が1.45ほど大きく、動脈の硬さを表す数字も低い値になりました。コレステロールを下げる薬を使っていない71人では、善玉コレステロールも高い値です。

半カップのグループでは、どの指標にも差が出ていません。同じものを、量を半分にしたときの結果です。

インスリン抵抗性、脈の波の速さ、血圧は、1カップのグループでも変わっていません。袋を回収して数えた、続けられた割合は94.1%でした。

元の数字:血流依存性血管拡張反応が+1.45%(95%信頼区間 0.83〜2.1、p=0.003)、動脈の硬さの指標が−2.24%(−3.97〜−0.61、p=0.04)。スタチンを使っていない71人で、善玉コレステロール+0.08mmol/L(p=0.03)など。1カップぶんには364mg、半カップぶんには182mgのアントシアニンが入っています。研究費はアメリカのハイブッシュブルーベリー協会から、アメリカ農務省の監督と英国の生物工学・生物科学研究会議とともに出ています。著者2名は同協会の助成委員会の顧問を務めていると申告しています。資金提供者は、研究の設計、データの収集と解析、解釈、執筆に関わっていないと書かれています。

この研究が調べていないこと

参加者は白人が多く、男性も多い集団のため、ほかの人に当てはまるかは分からない、と論文自身が書いています。

原文:Blueberries improve biomarkers of cardiometabolic function in participants with metabolic syndrome—results from a 6-month, double-blind, randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2019;109(6):1535–1545.
doi.org/10.1093/ajcn/nqy380(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

脂っこい食事といっしょに。3時間後のインスリンが、半分以下だった

ここで話が変わります。毎日続けるのではなく、重い食事に一度だけ足すとどうなるか、を見た試験です。

  • 45人・24時間
  • 969キロカロリーの食事に足す
  • 平均63歳・メタボリックシンドローム
  • 二重盲検

飲んでもらったのは、969キロカロリー、脂質64.5g、糖質84.5gという重い飲みものです。そこに凍結乾燥のブルーベリー26g(生で150g、1カップぶん)を足すか、同じカロリーの偽物を足すかで、45人を分けました。そのあと24時間、血液を追いかけています。

3時間後のインスリンは、ブルーベリーのほうが23.4、偽物のほうが52.9でした。半分以下です。血糖も、3時間後には低い値になっています。

ただし1時間後は逆で、ブルーベリーのほうが血糖は高くなっていました。上がってから、早く下りてくる形です。

善玉コレステロールとその大きい粒も、90分後と3時間後に高い値でした。悪玉コレステロールと中性脂肪は変わっていません。

元の数字:3時間後のインスリンは23.4pmol/L(95%信頼区間 15.4〜31.3)対52.9pmol/L(41.0〜64.8)、p=0.0001。3時間後の血糖は4.3mmol/L(3.8〜4.8)対5.1mmol/L(4.6〜5.6)、p=0.03。1時間後の血糖は8.2mmol/L(7.7〜8.8)対6.9mmol/L(6.4〜7.4)、p=0.001。研究費はアメリカ農務省、アメリカのハイブッシュブルーベリー協会、英国の生物工学・生物科学研究会議から出ています。

この研究が調べていないこと

1回の食事のあと24時間を見たものです。毎日続けたときにどうなるかは、この試験の外になります。

原文:Blueberry anthocyanin intake attenuates the postprandial cardiometabolic effect of an energy-dense food challenge: results from a double blind, randomized controlled trial in metabolic syndrome participants. Clin Nutr. 2022;41(1):165–176.
doi.org/10.1016/j.clnu.2021.11.030(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

スムージーを1日2回、6週間。インスリンの効きに差が出た

ひとつ前は、食べたあとの数時間の動きでした。こちらは、インスリンの効きそのものを測っています。

  • 32人・6週間
  • 1日2回のスムージー
  • 肥満・インスリンが効きにくい状態
  • 二重盲検

32人を2つに分けています。片方はブルーベリーの成分22.5gを入れたスムージー、もう片方は同じ栄養価でブルーベリーだけ入っていないスムージー。それを1日2回、6週間飲んでもらいました。両方のグループとも、スムージーのぶんだけふだんの食事を減らして、体重が変わらないようにしています。

インスリンの効きの変化は、ブルーベリーのグループで1.7、もう片方で0.4でした。血管にインスリンとブドウ糖を流しこんで、どれだけ処理できるかを直に測るやり方(クランプ法)での数字です。

体重、食べた量、炎症の指標は、どちらのグループでも変わっていません。参加したのは、肥満があり、糖尿病ではないが、インスリンが効きにくい状態の人です。

元の数字:インスリン感受性の変化は1.7±0.5対0.4±0.4(除脂肪体重1kgあたり1分あたりのmg、p=0.04)。ブルーベリー群15人、偽物の群17人。測り方は高用量の高インスリン正常血糖クランプ法です。研究費はアメリカ国立衛生研究所(NIH)から出ています。

この研究が調べていないこと

32人の6週間の試験で、糖尿病のある人は含まれていません。

原文:Bioactives in blueberries improve insulin sensitivity in obese, insulin-resistant men and women. J Nutr. 2010;140(10):1764–1768.
doi.org/10.3945/jn.110.125336(全文が無料で読めます)

くじ引き試験を集めたもの

記憶が下がりはじめた513人を集めて。出来事を思い出す力に差が出た

最後に、3本目で差が出なかった頭のはたらきに戻ります。相手を、すでに記憶が下がりはじめている人に変えた解析です。

  • 9試験・513人
  • 軽度認知障害・自覚的な物忘れ
  • くじ引き試験のみ
  • 2025年

集めたのは、ブルーベリーを続けてとる試験9本、513人ぶんです。参加者は、軽度認知障害と診断された高齢者か、自分で物忘れを感じている高齢者にしぼられています。

差が出たのは、出来事を思い出す力(エピソード記憶)でした。効果の大きさは0.34で、小さめにあたります。軽度認知障害のある人では、言葉の記憶にも差が出ています。

一方で、処理の速さ、見たものを思い出す力、空間の学習、作業記憶には差が出ていません。記憶のなかでも、動いた場所と動かなかった場所が分かれています。

3本目の健康な人では、頭のはたらきに差は出ていませんでした。同じ果物でも、誰を相手にした試験かで、出る場所が変わっています。

元の数字:エピソード記憶の効果の大きさ0.34(95%信頼区間 0.11〜0.57)、軽度認知障害での言語記憶0.30(0.01〜0.60)。差が出なかったのは、処理速度−0.33(−0.85〜0.19)、再認記憶0.14(−0.17〜0.46)、視空間学習0.32(−0.16〜0.79)、作業記憶0.09(−0.21〜0.39)。効果の大きさ0.34は、ばらつきを1としたときの差が0.34ということです。

この研究が調べていないこと

結果を確かめるには、もっと多くの施設での試験が必要である、と論文自身が書いています。

原文:Blueberries for brainpower: a systematic review and meta-analysis with Bayesian post hoc analysis of RCTs exploring cognitive function in the elderly with prior cognitive decline. Biogerontology. 2025;26(5):171.
doi.org/10.1007/s10522-025-10308-w

この記事に入れなかったもの

読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。

血圧を調べた解析。ブルーベリーとクランベリーをまとめて扱っているため、ブルーベリーだけの話として読みにくく、外しました(Phytother Res 2024、doi)。

メタボリックシンドロームの44人が6週間とった試験。指先の血流の戻りやすさは良くなりましたが、血圧とインスリンの効きには差が出ていません(Nutrients 2015、doi)。

健康な人の頭のはたらきと気分について、11の論文(12の研究)を並べたレビュー。3本目の解析と重なるため、外しました(Brain Behav Immun 2020、doi)。

走る運動とブルーベリーを組み合わせた26人の探索的な研究。ブルーベリーをとったグループのほうが、空腹時の血糖は上がっていました。人数が少なく、探索のための研究とされています(Ups J Med Sci 2013、doi)。

試す前に

試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。