砂糖を足さないブルーベリースムージーを、続けて飲んだ人たちがいます。その試験では、血管の広がりやすさ、血圧、インスリンのはたらきに差が出ていました。65〜80歳の人たちが12週間飲んだ試験では、腕の血管の広がりやすさが0.86%上がりました。24時間の上の血圧も3.59mmHg下がっています。はじめに、ブルーベリーに何が入っていて、体に何がいいとされているのかを並べます。そのあと、飲んだものが体の中でどうなるかを1本、続けて飲んだ試験を5本読みます。

ざっと言うと

  • ブルーベリーの粉を水にとかして1日2回、30日飲んだ18人では、血の中の43種類の成分が増えました。増え方は、人によって4〜5割ちがっていました。
  • 65〜80歳の人たちが12週間飲むと、腕の血管の広がりやすさが0.86%上がりました。24時間の上の血圧は3.59mmHg下がり、病院で測った血圧には差が出ていません。
  • ブルーベリーのスムージーを1日2回、6週間飲んだ44人では、指先で測る血管の働きが上がりました。血圧には差が出ていません。
  • 生の実で350gぶんを毎日8週間飲んだ48人では、上の血圧が6%、下の血圧が4%下がりました。
  • 運動の前後にブルーベリーのスムージーを飲んだ10人では、落ちた力の戻りが早くなりました。筋肉痛の感じ方は変わっていません。
  • スムージーを1日2回、6週間飲んだ32人では、インスリンのはたらきが始める前より22%上がりました。偽物の側は5%です。

そもそもブルーベリーとは

まず、何が入っているかです。生の実100gあたりで、ほかの果物と並べてみます。

食物繊維は3.3g。キウイ2.6g、りんご(皮つき)1.9g、いちご1.4g、バナナ1.1g、みかん1.0gです。ふだんの果物のなかでは、多いほうに入ります。

ビタミンEは1.7mg。キウイ1.3mg、バナナ0.5mg、いちご・りんご・みかんは0.4mgです。

ビタミンKは15μg。キウイ6μg、いちご2μg、りんご2μg、みかんは0です。骨や、血が固まるしくみに使われるビタミンです。

そのかわり、ビタミンCは9mgしかありません。キウイ71mg、いちご62mg、みかん32mgにくらべると、ずっと少ない。ブルーベリーは、ビタミンCをとるための果物ではなさそうです。

糖も見ておきます。体に使われる糖は8.6gです。バナナは19.4g、りんごは12.9g。砂糖を足さずにスムージーにするなら、ブルーベリーそのものの糖は、バナナの半分以下です。

そして、いちばんの特徴が色です。青紫の色のもとは、アントシアニンという色素です。植物がつくるポリフェノールの仲間で、赤や紫や青の実の色は、たいていこれによるものです。

生の実100gあたりのアントシアニンは、大粒の栽培種で387mg、小粒の野生種で487mg。いちごは21mg、赤いりんごの皮つきで12mg。バナナ、みかん、キウイは0mgです。

ここで、よく聞く話をひとつ。ブルーベリーは目にいい、と言われます。夜の見え方について、試験を集めた解析があります。対象は、ビルベリーという別の種類から取り出した成分でした。偽物と比べた12の試験のうち、くじ引きで作られた新しい4つは、どれも差が出ていません。差が出ていたのは、それより前の試験や、くじ引きでない試験でした。

ただし、差が出なかった試験ほど、量が少なかったり、産地のちがう成分を使っていたりした、とも書かれています。調べられたのは、ほとんどが目の健康な人でした。目の病気で夜が見えにくい人を対象にした、きちんとした試験はありません。

では、人の試験で差がはっきり出ているのは、どこなのか。次の4つが挙がります。

ひとつめは血管です。血管の内側は、内皮という薄い膜でおおわれています。ここが元気だと、血が要るときに血管がふわりと広がります。腕の血流をいったん止めて、はなしたときにどれだけ広がるか。これを測ったのが、血管の広がりやすさ(FMD)です。健康な人の14試験・632人を集めると、ブルーベリーの側で1.11%大きくなっていました。同じ解析で、血圧と頭のはたらきには差が出ていません。

ふたつめは糖尿病です。アメリカの18万7,382人を追った調査があります。ブルーベリーを週に3皿ぶん多く食べるごとに、2型糖尿病になった人が26%少ない値でした。

みっつめは心臓です。9万3,600人の女性を18年追った調査があります。アントシアニンをいちばん多くとる人たちで、心筋梗塞が32%少ない値でした。主な供給源は、ブルーベリーといちごでした。

よっつめは記憶です。記憶が下がりはじめた人の試験を集めた513人の解析では、出来事を思い出す力に差が出ていました。

この記事には、小さく見える数字が出てきます。読むときの物差しを、2つ置いておきます。

血管の広がりやすさの物差し。35の研究・17,280人を集めた解析があります。広がりやすさが1%大きい人ほど、心臓や血管の出来事が12%少なくなっていました。指先で測るやり方でも、同じような結びつきが出ています。この記事に出てくる数字は0.86%です。

血圧の物差し。薬で血圧を下げた48の試験・34万4,716人を集めた解析があります。上の血圧が5mmHg下がるごとに、心臓や血管の大きな出来事が約1割少なくなっていました。脳卒中、心筋梗塞、心不全による入院などのことです。もとの血圧の高さによって、この関係に目立ったちがいは見られていません。この記事に出てくる数字は3.59mmHgです。

ここから読む試験は、どれも砂糖を足して調べたものではありません。多くは、凍らせて乾かした実をまるごと粉にしたものを使っています。皮も種も入ったままで、水や牛乳にとかすと、とろりとした飲みものになります。飲まれた量の多くは、生の実にして1日およそ180gから350gでした。

出典:文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』(ブルーベリー生、キウイフルーツ緑肉種生、りんご皮つき生、いちご生、バナナ生、うんしゅうみかんじょうのう普通生。体に使われる糖は利用可能炭水化物の単糖当量。ブルーベリーの糖とビタミンK、いちご・みかんのビタミンKは成分表の推計値) / Kalt W ほか Recent Research on the Health Benefits of Blueberries and Their Anthocyanins. Adv Nutr. 2020;11(2):224–236. doi.org/10.1093/advances/nmz065(アントシアニンの量。アメリカのハイブッシュブルーベリー協会が著者それぞれに謝金を出し、著者の多くが同協会から研究費を受けています。同協会は総説の設計と実施には関わっていないと書かれています。全文が無料で読めます) / Canter PH, Ernst E. Anthocyanosides of Vaccinium myrtillus (bilberry) for night vision—a systematic review of placebo-controlled trials. Surv Ophthalmol. 2004;49(1):38–50. doi.org/10.1016/j.survophthal.2003.10.006(暗いところでの見え方を扱った30の試験のうち、偽物と比べたもの12。新しい無作為化試験4つはすべて差なし、差が出たのは無作為化試験1つと非無作為化試験7つ。差が出なかったことは、方法の厳密さのほか、少ない量や産地のちがう抽出物とも結びついていた。12のうち11は目が正常以上の健康な人が対象) / Blueberry consumption enhances vascular function but not cognitive abilities in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis. Nutr Res. 2026;149:162–177. doi.org/10.1016/j.nutres.2026.03.007(FMD 1.11%[95%信頼区間 0.50〜1.72]。上の血圧−0.11mmHg[−2.82〜2.60]、下の血圧−0.46mmHg[−2.80〜1.87]、頭のはたらきにも差なし) / Muraki I ほか Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies. BMJ. 2013;347:f5001. doi.org/10.1136/bmj.f5001(週3サービングあたりのハザード比0.74。研究費はアメリカ国立衛生研究所、利益相反なし。全文が無料で読めます) / Cassidy A ほか High anthocyanin intake is associated with a reduced risk of myocardial infarction in young and middle-aged women. Circulation. 2013;127(2):188–196. doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.112.122408(最多の5分の1と最少の5分の1でハザード比0.68[0.49〜0.96]。研究費はアメリカ国立衛生研究所とイギリスの生物工学・生物科学研究会議、利益相反なし) / Blueberries for brainpower: a systematic review and meta-analysis with Bayesian post hoc analysis of RCTs exploring cognitive function in the elderly with prior cognitive decline. Biogerontology. 2025;26(5):171. doi.org/10.1007/s10522-025-10308-w(エピソード記憶の差の大きさ[標準化平均差]0.34[0.11〜0.57]) / Matsuzawa Y ほか Prognostic Value of Flow-Mediated Vasodilation in Brachial Artery and Fingertip Artery for Cardiovascular Events: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Am Heart Assoc. 2015;4(11):e002270. doi.org/10.1161/JAHA.115.002270(FMDが1%大きいと相対危険0.88[0.84〜0.91]。指先の指標でも0.1増えると0.79[0.71〜0.87]。研究費はアメリカ国立衛生研究所。全文が無料で読めます) / Blood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration. Pharmacological blood pressure lowering for primary and secondary prevention of cardiovascular disease across different levels of blood pressure: an individual participant-level data meta-analysis. Lancet. 2021;397(10285):1625–1636. doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00590-0(48試験・344,716人の個人データ。上の血圧5mmHg低下あたりの主要な心血管イベントのハザード比は、心血管病の既往なしで0.91[0.89〜0.94]、既往ありで0.89[0.86〜0.92]。もとの収縮期血圧の区分[120未満〜170以上]によって関係がちがうという確かな証拠はなし。研究費はイギリス心臓財団、イギリス国立健康研究所オックスフォード生物医学研究センター、オックスフォード・マーティン・スクール。著者の一部に製薬企業からの個人的な報酬の申告あり。全文が無料で読めます)

1グループを追った研究

粉を水にとかして1日2回、30日。血の中で43種類の成分が増えていた

飲んだブルーベリーは、体の中でどうなるのか。続けて飲んだ試験を読む前に、その行方を追った1本です。

  • 健康な男性18人
  • 生の実で100gぶんを1日2回
  • 30日
  • 2016年・ドイツ

健康な男性18人が、凍らせて乾かしたブルーベリーの粉11gを水にとかし、1日2回、30日飲みました。粉11gは、生の実で100gにあたります。1杯あたりのアントシアニンは150mgでした。

初日と30日目に、飲む前と飲んで2時間後の血を調べています。

血の中で測れた成分は61種類。そのうち43種類が、飲んだあとに増えていました。

増えていたものの多くは、アントシアニンそのものではありません。体の中や腸の細菌によって、細かく形を変えられたあとの成分でした。初日に増えたものと、30日目に増えたものも、顔ぶれが入れ替わっていました。

そして、増え方には人によって4〜5割の開きがありました。同じものを飲んでも、体の中で起きることは人ごとに違う、ということになります。

元の数字:健康な男性18人。凍結乾燥ブルーベリー粉11g(生100g相当)を水にとかし1日2回、30日。1杯あたりポリフェノール302±6mg(アントシアニン150±3mg、クロロゲン酸64±1mg、フラバノールのオリゴマー49±2mgほか)。初日と30日目に、摂取前と2時間後に採血、24時間尿も採取。血漿で61種のフェノール代謝物を定量し、43種が急性または30日の摂取で増加。初日2時間後の変化の8割超は安息香酸類とカテコール類、30日目は馬尿酸類(摂取前)と安息香酸類(2時間後)が主。30日で尿中の総排泄量は変わらず。個人差は血漿40〜48%、尿47〜54%。研究費は北米ワイルドブルーベリー協会の制約なし・査読つき助成と、デュッセルドルフ大学医学研究委員会(9772574)から。利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。

この研究が調べていないこと

比べる相手を置かず、同じ人たちの前後を比べたものです。

体の調子がどうなったかは測っていません。

原文:Feliciano RP, Istas G, Heiss C, Rodriguez-Mateos A. Plasma and Urinary Phenolic Profiles after Acute and Repetitive Intake of Wild Blueberry. Molecules. 2016;21(9):1120.
doi.org/10.3390/molecules21091120(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

65〜80歳が12週間。血管の広がりやすさが上がり、24時間の上の血圧が下がった

前の1本と同じ研究者が加わった、いちばん新しい試験です。形を変えた成分が増えたあと、体に何が起きていたかを見ています。

  • 61人(12週後に測れたのは54人)
  • 65〜80歳の健康な人
  • 生の実で178gぶんを毎日
  • 2023年・イギリス

65歳から80歳の健康な61人が、くじ引きで2つに分かれました。片方は、野生種のブルーベリーを凍らせて乾かした粉26gを、毎日1回、水にとかして飲みます。生の実で178gにあたります。もう片方は、見た目も味も栄養もそろえた偽物です。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。

12週間後、ブルーベリーの側では、腕の血管の広がりやすさが0.86%上がっていました。24時間はかり続けた上の血圧も、3.59mmHg低くなっています。

一方、病院で測った血圧、下の血圧、動脈のかたさ、血の中の脂質には、差が出ていません。脳への血の流れと、腸の細菌の顔ぶれも同じでした。

記憶の検査は、結果が分かれました。15のことばを聞いてすぐに思い出す課題では、ブルーベリーの側が5.92語、偽物の側が5.28語。ところが、時間をおいて思い出す課題では、偽物の側が9.43語、ブルーベリーの側が7.48語でした。ルールが切り替わる課題での正確さは、ブルーベリーの側で8.5%上がっています。

尿に出てくるポリフェノールの量は、ブルーベリーの側で増えていました。1本目で見た、形を変えられたあとの成分です。副作用の報告は、どちらの側にもありませんでした。

元の数字:65〜80歳の健康な61人が完了、うち大学閉鎖の影響で12週の測定ができなかった7人を除き、各群27人を解析。二重盲検・並行群間の無作為化比較試験。凍結乾燥ワイルドブルーベリー粉26g(アントシアニン302mg、生178g相当)または見た目・味・栄養素・食物繊維・ビタミンCをそろえた偽物(アントシアニン0mg)を、水にとかして1日1回、12週間。FMDは偽物にくらべ0.86%(95%信頼区間 0.56〜1.17、P<0.001)、24時間自由行動下の収縮期血圧は−3.59mmHg(−6.95〜−0.23、P=0.037)。24時間の拡張期血圧、診察室血圧、動脈スティフネス、血中脂質、脳血流には群間差なし。聴覚言語学習検査の即時再生は5.92対5.28語(P=0.043)、遅延再生は偽物のほうが良好で9.43対7.48語(P=0.029)。課題切り替えの総合正確さは8.5%向上(P=0.026)。24時間尿中のポリフェノール排泄が有意に増加。腸内細菌叢の組成に変化なし。副作用の報告なし。NCT04084457。研究費は北米ワイルドブルーベリー協会の制約なしの助成で、試験の粉も同協会から提供。資金提供者は設計・実施・解析・解釈に関わっていないと明記。そのほかの利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。

この研究が調べていないこと

参加したのは健康な高齢の人で、期間は12週間です。

原文:Wood E, Hein S, Mesnage R, Fernandes F, Abhayaratne N, Xu Y, Zhang Z, Bell L, Williams C, Rodriguez-Mateos A. Wild blueberry (poly)phenols can improve vascular function and cognitive performance in healthy older individuals: a double-blind randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2023;117(6):1306–1319.
doi.org/10.1016/j.ajcnut.2023.03.017(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

スムージーを1日2回、6週間。指先で測る血管の働きが上がり、血圧は動かなかった

今度は、ヨーグルトと牛乳でつくったスムージーです。相手は、健康な人ではなく、おなかまわりや血圧などに引っかかっている人たちでした。

  • 44人(ブルーベリー23人・偽物21人)
  • 1日2杯(粉を合わせて45g)
  • 6週間・二重盲検
  • 2015年・アメリカ

1杯は約350mL。バニラ味のヨーグルトと脱脂乳に、ブルーベリーの粉22.5gを入れたスムージーです。砂糖は入れず、甘味料が1gだけ入っています。

偽物のほうは、色と味と栄養をそろえてありました。ブルーベリー自身の糖に合わせて、偽物にだけ砂糖14gが入っています。だから、差が出たとすれば、糖のちがいによるものではないことになります。

6週間後、指先の血流をいったん止めて、はなしたときの戻りやすさが、ブルーベリーの側で上がっていました。偽物の側では下がっています。指先で測るこの指標も、将来の心臓や血管の出来事と結びついていることが、箱の物差しの解析で示されています。

一方、24時間はかり続けた血圧と、インスリンのはたらきには、差が出ていません。

元の数字:メタボリックシンドロームのある44人(ブルーベリー23・偽物21)。二重盲検・偽物対照の無作為化試験。12オンスのスムージー(バニラ味ヨーグルト125g、脱脂乳105g、凍結乾燥ブルーベリー粉22.5g、バニラ香料、スクラロース系甘味料1g)を1日2回6週間。偽物はヨーグルト130g、脱脂乳115g、砂糖14g、食物繊維5.2g、人工香料と着色料で、見た目・味・主要栄養素・食物繊維をそろえた。反応性充血指数(RHI)の変化は0.32±0.13対−0.33±0.14(体脂肪率と性別で調整、P=0.0023。調整前 P=0.024)。24時間自由行動下血圧とインスリン感受性には群間差なし。研究費の一部は米国ハイブッシュブルーベリー協議会、ほかにアメリカ国立衛生研究所(K01AT006975、P50AT002776-01、U54 GM104940)。利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。

この研究が調べていないこと

血圧とインスリンのはたらきには、差が出ていません。

原文:Stull AJ, Cash KC, Champagne CM, Gupta AK, Boston R, Beyl RA, Johnson WD, Cefalu WT. Blueberries improve endothelial function, but not blood pressure, in adults with metabolic syndrome: a randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. Nutrients. 2015;7(6):4107–4123.
doi.org/10.3390/nu7064107(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

生の実で350gぶんを毎日8週間。上の血圧が6%下がった

前の1本では、血圧は動きませんでした。同じような人たちが、似た量を8週間飲んだ別の試験では、どうだったのか。

  • 48人(男性4人・女性44人)
  • 生の実で約350gぶんを毎日
  • 8週間
  • 2010年・アメリカ

参加したのは、おなかまわりや血圧などにいくつも引っかかっている48人です。平均50歳でした。

くじ引きで2つに分かれ、片方は凍らせて乾かしたブルーベリー50gを、水480mLにとかして飲みました。生の実で約350gにあたります。砂糖は入れず、好みでバニラの香りか甘味料を足す形です。とろりと重たい飲みものだったため、朝と夜に1杯ずつ飲み、コップをもう1杯の水ですすいで飲んでいます。もう片方は、同じ量の水を飲みました。

8週間後、上の血圧は6%、下の血圧は4%下がっていました。水の側は1.5%と1.2%です。

血の中で酸化されたLDLも、ブルーベリーの側で28%減っていました。水の側は9%です。

一方、血糖と、血の中の脂質には変化が出ていません。

元の数字:メタボリックシンドロームのある48人(男性4・女性44、BMI 37.8±2.3、年齢50.0±3.0、平均±標準誤差)。無作為化対照試験。添加物なしの凍結乾燥ブルーベリー50g(生で約350g相当、アントシアニン742mg、食物繊維9.3g)を水480mLにとかし、好みでバニラエキスかスクラロース系甘味料を加え、朝夕に1杯ずつ。コップを水1杯ずつですすいで飲むため、合計の水分は960mL。対照は水960mL。8週間。収縮期血圧−6%・拡張期血圧−4%に対し、対照は−1.5%・−1.2%(P<0.05)。血清グルコースと脂質には影響なし。酸化LDLは−28%、血清マロンジアルデヒドとヒドロキシノネナールは−17%に対し、対照はいずれも−9%(P<0.01)。研究費は米国ハイブッシュブルーベリー協議会と、オクラホマ大学健康科学センターの臨床研究センター助成(NIH/NCRR M01-RR14467)から。全文が無料で読めます。

この研究が調べていないこと

比べた相手は水で、どちらを飲んでいるかは本人に分かる形でした。

原文:Basu A, Du M, Leyva MJ, Sanchez K, Betts NM, Wu M, Aston CE, Lyons TJ. Blueberries decrease cardiovascular risk factors in obese men and women with metabolic syndrome. J Nutr. 2010;140(9):1582–1587.
doi.org/10.3945/jn.110.124701(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

運動の前後にスムージー。落ちた力の戻りが早かった

ここまでは粉を使った試験でした。この1本は、冷凍ブルーベリーとバナナとりんごジュースをミキサーにかけたもの。家で作るものと、ほとんど同じ中身です。

  • 女性10人
  • 太ももを300回
  • 60時間追いかけた
  • 2012年・ニュージーランド

10人の女性が、太ももの前の筋肉を強く引き伸ばす動きを300回おこないました。次の日に筋肉痛が来る、あの負荷です。

同じ運動を、日をあけて2回おこなっています。くじ引きで順番を決め、ある回は、冷凍ブルーベリー200gとバナナ約50gとりんごジュース200mLのスムージー。砂糖は加えていません。別の回は、見た目と味を似せた偽物です。運動の10時間前と5時間前、終わった直後、12時間後、36時間後に1杯ずつです。

この試験には、ひとつ工夫があります。偽物のほうも、抗酸化力が同じになるように作ってありました。もし差が出たとすれば、飲みものの抗酸化力そのもののためではない、ということになります。

12時間後には、どちらの回も力が落ちていました。そこから戻っていく速さに、差が出ています。ふんばるときの最大の力の戻りが、ブルーベリーの回のほうが早くなっていました。

一方、本人が感じる筋肉痛の強さには、差が出ていません。

元の数字:女性10人。無作為化クロスオーバー。冷凍ニュージーランド産ブルーベリー200g(品種Maru)、バナナ約50g、市販りんごジュース200mLのスムージー、または抗酸化能をそろえたプラセボを、大腿四頭筋の強いエキセントリック収縮300回の10時間前・5時間前・直後・12時間後・36時間後に摂取。12時間後に等尺性・短縮性・伸張性のトルクがいずれも有意に低下(P<0.001)。60時間の回復期間中、等尺性ピークトルクに有意な交互作用(P=0.047)。主観的な筋肉痛は群間差なし(処置 P=0.861、交互作用 P=0.903)。研究費はニュージーランド科学技術革新省の契約C06X0807(Plant and Food Research Ltd)と大学院研究奨励から。著者6人のうち2人が同研究所の所属。金銭的な利害関係はないと申告しています。全文が無料で読めます。

この研究が調べていないこと

10人の試験で、痛みの感じ方には差が出ていません。

原文:McLeay Y, Barnes MJ, Mundel T, Hurst SM, Hurst RD, Stannard SR. Effect of New Zealand blueberry consumption on recovery from eccentric exercise-induced muscle damage. J Int Soc Sports Nutr. 2012;9(1):19.
doi.org/10.1186/1550-2783-9-19(全文が無料で読めます)

くじ引き試験

スムージーを1日2回、6週間。インスリンのはたらきが、始める前より2割ほど上がった

箱で見たとおり、ブルーベリーそのものの糖は多くありません。その飲みものを続けたとき、体の糖の扱いはどう変わったのか。3本目と同じ研究者の、同じ量の粉と牛乳を使ったスムージーです。

  • 32人(ブルーベリー15人・偽物17人)
  • 1日2杯(生の実でおよそ2カップぶん)
  • 6週間・二重盲検
  • 2010年・アメリカ

参加したのは、太っていて、インスリンのはたらきが弱くなっているけれど、糖尿病ではない32人です。インスリンは、血の中の糖を細胞に取りこませるホルモンです。これがうまくはたらかないと、同じ量の糖を片づけるのに、多くのインスリンが要るようになります。

くじ引きで2つに分かれ、朝と夕に1杯ずつ、6週間飲みました。片方は、ブルーベリーの粉22.5gを入れた、牛乳を使ったスムージー。もう片方は、栄養をそろえた偽物のスムージーです。体重が増えないよう、スムージーの分だけ、ほかの食事を減らしてもらっています。

インスリンのはたらきは、血糖を一定に保ちながらインスリンを流し、どれだけの糖が体に取りこまれるかで測りました。いちばん手のこんだ、正確な測り方です。

6週間で、ブルーベリーの側は始める前より22%上がっていました。偽物の側は5%です。1割以上上がった人は、ブルーベリーの側で15人のうち10人、偽物の側で17人のうち7人でした。

体重、体の脂肪、食べた量、炎症の目印、血の中の脂質、血圧は、どちらの側でも変わっていません。

元の数字:肥満でインスリン抵抗性があり糖尿病ではない32人(ブルーベリー15・偽物17)。二重盲検・偽物対照の無作為化試験。凍結乾燥ブルーベリー粉22.5g(生の実で約2カップ分に相当する有効成分)入りスムージー、または栄養価の等しい偽物のスムージーを1日2回6週間。スムージーのエネルギー分だけ自由摂取を減らすよう指示。高用量の高インスリン正常血糖クランプ法によるインスリン感受性の変化は1.7±0.5対0.4±0.4(除脂肪体重1kgあたり1分あたりのmg、P=0.04)、変化率は22.2±5.8%対4.9±4.5%(P=0.02)。10%以上改善した人は15人中10人(67%)対17人中7人(41%)。両群で、エネルギー摂取量・体重・体脂肪・炎症マーカー・脂質・血圧に群間差なく、群内の変化もなし。ブルーベリー粉は米国ハイブッシュブルーベリー協議会が用意(2品種を半量ずつ、凍結乾燥・粉砕)。研究費の一部は同協議会、ほかにアメリカ国立衛生研究所(T32 AT004094、P50AT002776-01)から。全文が無料で読めます。

この研究が調べていないこと

15人と17人の、6週間の試験です。

原文:Stull AJ, Cash KC, Johnson WD, Champagne CM, Cefalu WT. Bioactives in blueberries improve insulin sensitivity in obese, insulin-resistant men and women. J Nutr. 2010;140(10):1764–1768.
doi.org/10.3945/jn.110.125336(全文が無料で読めます)

この記事に入れなかったもの

読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかったものも、ここに置いておきます。

運動で傷めた筋肉の回復について、30の試験・595人を集めた解析。48時間後の筋力には、どの種類にもはっきりした差が出ていません。筋肉痛が減っていたのは、ザクロとタルトチェリーだけでした。集められていたのは主にサプリや濃縮した飲みもので、スムージーの試験ではないため外しました(Front Nutr 2026;13:1857527、doi)。

閉経後で血圧が高めの女性48人に、凍結乾燥したブルーベリーの粉を1日22g、8週間配った試験。上の血圧は138から131に、下の血圧は80から75に下がっています。粉として配られたもので、スムージーの試験ではないため、本文には入れていません(J Acad Nutr Diet 2015;115(3):369–377、doi)。

40〜65歳の35人が、朝食と一緒にワイルドブルーベリーの飲みもの1杯を飲んだ試験。記憶の検査の一部と、食後2時間の血糖とインスリンに差が出ています。飲みものはレモネードの濃縮液で味をつけてあり、糖が28g入っていたため外しました(Eur J Nutr 2021;60(3):1521–1536、doi)。

ベリーをつぶしたものに砂糖35gを加えて飲んだ試験。血糖の山は低くなり遅れて来ましたが、3時間の合計は同じでした。砂糖を加えて調べた形で、ブルーベリーだけでもないため外しました(Br J Nutr 2010;103(8):1094–1097、doi)。

試す前に

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