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	<title>食べもの アーカイブ - 新あさくさ商店街</title>
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	<description>世界の栄養学と東洋医学の論文を、日本語で読む</description>
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	<title>食べもの アーカイブ - 新あさくさ商店街</title>
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	<item>
		<title>大根と大根おろし</title>
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		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 06:25:20 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[アブラナ科]]></category>
		<category><![CDATA[イソチオシアネート]]></category>
		<category><![CDATA[大根]]></category>
		<category><![CDATA[大根おろし]]></category>
		<category><![CDATA[野菜]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>大根おろしのピリッとした辛さは、大根の中にはもともとありません。おろして細胞が壊れた瞬間に生まれ、いちばん辛い下のほうでは30分で半分に減っていきます。この辛味成分を含むアブラナ科の野菜をよく食べていた日本人8万8千人で [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
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<div class="eiyo">

<p class="lead">大根おろしのピリッとした辛さは、大根の中にはもともとありません。おろして細胞が壊れた瞬間に生まれ、いちばん辛い下のほうでは30分で半分に減っていきます。この辛味成分を含むアブラナ科の野菜をよく食べていた日本人8万8千人では、死亡が1割ほど少なくなっていました。女性では、大根をよく食べる人でも死亡が少なくなっています。はじめに、大根に何が入っているのかを並べます。そのあと、おろしたときに何が起きるのかを3本、体の中での行方を1本、人で調べた試験と調査を3本読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>酵素を止めておろすと、辛味成分は出てきませんでした。ふつうにおろすと生まれ、いちばん辛い下の部分では30分で半分になりました。</li>
    <li>市販の大根の多くは、しぼり汁100mLあたり200〜300µmolの辛味成分。「辛味」という品種は1,735で、およそ6〜9倍ありました。</li>
    <li>同じ1本のなかでも、上のほうにビタミンCが多く、下のほうに硝酸が多くありました。</li>
    <li>生のキャベツを食べた12人では辛味成分が早く尿に出てきましたが、加熱したものでは少なく、遅れて出てきました。</li>
    <li>生の桜島大根を1日170g、10日食べた健康な14人では、血管の広がりやすさが6.7%から9.4%に上がりました。</li>
    <li>メタボリックシンドロームの21人が桜島大根の粉を2週間とった試験では、血管の広がりやすさに差は出ず、上の血圧が9.67mmHg高くなりました。</li>
    <li>日本人8万8,184人を追った調査では、アブラナ科の野菜をいちばん多く食べる人たちで、死亡が男性14%、女性11%少ない値でした。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそも大根とは</h2>

  <p>まず、根です。生の根は94.6%が水で、100gあたり15kcal。ビタミンCは12mgで、キャベツ38mg、かぶ19mg、はくさい19mgとくらべると控えめです。カリウムは230mgあります。</p>

  <p>ところが、<strong>葉になると別の野菜のような数字になります。</strong>生の葉100gあたり、カルシウムは260mg。牛乳の110mg、こまつなの170mg、ほうれんそうの49mgより多くなっています。</p>

  <p>ほかの数字も並べます。βカロテンは3,900µgで、ほうれんそうの4,200µgとほぼ同じ。ビタミンKは270µgで、ほうれんそうと同じです。ビタミンCは53mgで、ほうれんそうの35mg、こまつなの39mgを上回ります。<strong>大根の栄養の数字は、葉のほうに集まっていました。</strong></p>

  <p>干すと、また変わります。切干し大根は乾いたもの100gで、食物繊維21.3g、カリウム3,500mg、カルシウム500mg。水が抜けたぶん、中身が詰まった形です。</p>

  <p>では、おろすとどうなるか。成分表には、大根おろしを「おろした実」と「おろし汁」に分けて載せてあります。皮をむいた生の根のビタミンCは11mg。おろしたあとは、<strong>実にも汁にも、100gあたり7mgずつ</strong>入っていました。おろしを水で洗うと6mgです。汁を捨てれば、そこに出ていたぶんは食卓に残りません。</p>

  <p>そして、大根おろしのいちばんの特徴が辛さです。ここに、よく思われていることとちがう事実があります。</p>

  <p><strong>大根の中には、辛味成分そのものは入っていません。</strong>入っているのは、辛味のもとになる成分と、それを切る酵素です。ふだんは細胞のなかで出会わずにいます。おろして細胞が壊れると、この2つが出会い、その場で辛味成分ができます。イソチオシアネートと呼ばれる仲間で、わさびやからしの辛さも同じ仲間です。</p>

  <p>だから大根おろしは、おろし方と、おろしてからの時間で中身が変わります。本文の前半3本はそこを測ったものです。</p>

  <p>体にとって何がいいのかを、数字つきで並べます。</p>

  <p><strong>ひとつめは、葉のカルシウムとビタミンK。</strong>どちらも骨に使われる栄養で、大根の葉100gには、カルシウムが牛乳の2倍以上、ビタミンKがほうれんそうと同じだけ入っています。</p>

  <p><strong>ふたつめは、カリウム。</strong>塩分を体の外に出すのを助ける栄養です。生の根で100gあたり230mg、切干し大根では乾いたもの100gで3,500mgあります。</p>

  <p><strong>みっつめは、辛味成分をふくむアブラナ科の野菜と、長い目で見た体の記録です。</strong>日本人8万8,184人を追った調査では、いちばん多く食べる人たちで、死亡が男性14%、女性11%少ない値でした。100人亡くなるところが、86人と89人ということです。女性では、大根をいちばん多く食べる人たちでも死亡が少なくなっていました。これは本文の最後に置いています。</p>

  <p class="fine">出典：文部科学省『日本食品標準成分表（八訂）増補2023年』（だいこん根皮つき生・根皮なし生・根皮なし生おろし・おろし汁・おろし水洗い・葉生、切干しだいこん乾、普通牛乳、こまつな葉生、ほうれんそう葉通年平均生、キャベツ結球葉生、かぶ根皮つき生、はくさい結球葉生）　／　辛味成分が細胞の壊れたときにできることは、本文1本目（江崎・小野崎 1982）で、酵素のはたらきを止めておろした大根おろしから辛味成分が検出されなかったことにもとづきます。</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>辛味はおろした瞬間に生まれ、いちばん辛い下の部分では30分で半分になった</h2>
  <p class="hitokoto">箱で書いた「大根の中に辛味成分はない」を確かめた、日本の研究です。おろしてからの時間で、何が起きているかも追っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>大根おろし</li>
    <li>上・中・下の部位別</li>
    <li>おろしてからの時間を追った</li>
    <li>1982年・日本</li>
  </ul>

  <p>大根をおろす前に、辛味のもとを切る酵素のはたらきを止めておきました。そうしておろしたものからは、辛味成分が見つかりませんでした。辛味は、酵素がはたらいて初めて生まれることになります。</p>
  <p>さらに、この酵素がはたらくには、大根に入っているビタミンCが必要でした。</p>
  <p>おろしたあとの辛味成分は、時間とともに大きく減りました。減り方がいちばん速いのは、おろした直後です。</p>
  <p>大根を上・中・下に分けて比べると、辛味成分がいちばん多いのは下の部分でした。その下の部分は減るのも速く、おろして30分で半分になっています。減ったものは、食べてみると「気の抜けた」味になりました。</p>
  <p>三杯酢を加えると、減り方がやや抑えられました。はたらいていたのは、酢の酸でした。</p>
  <p>置いておくと、辛味成分が減るのと入れかわりに、においの成分が増えていきました。これも下の部分でいちばん目立っていました。</p>

  <p class="fine">元の数字：大根おろしを調製し、遊離イソチオシアネート、メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィドを経時的に測定。ミロシナーゼの作用を阻止して調製した大根おろしでは遊離のイソチオシアネートは検出されず。大根のミロシナーゼの作用にはアスコルビン酸が必要。調製後のイソチオシアネートは時間とともに著しく減少し、減少速度は調製直後が最大。上部・中部・下部では下部が最多で減少速度も最大、調製後30分で半減。三杯酢の添加で減少がやや抑制され、その原因は酢酸。放置によりイソチオシアネートが減り、メチルメルカプタン、ついでジメチルジスルフィドが生成し、下部で最も著しい。辛味の主成分はトランス-4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート。著者の所属は椙山女学園大学。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは大根おろしの中の成分で、食べた人の体は調べていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：江崎秀男, 小野崎博通. 大根おろし辛味成分の消長について. 家政学雑誌. 1982;33(10):513–520.<br>
  <a href="https://doi.org/10.11428/jhej1951.33.513" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.11428/jhej1951.33.513</a>（日本語・全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>品種で辛味成分の量が大きくちがい、いちばん多い品種は市販品のおよそ6〜9倍だった</h2>
  <p class="hitokoto">では、どの大根でも同じだけ辛味が生まれるのか。国の野菜の研究所が、たくさんの品種を並べて測っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>多数の品種・系統</li>
    <li>しぼり汁の辛味成分を測定</li>
    <li>大根おろしの食べ比べも</li>
    <li>1990年・日本</li>
  </ul>

  <p>たくさんの品種と系統を育てたり集めたりして、しぼり汁に含まれる辛味成分の量を測りました。</p>
  <p>市販の品種の半分以上は、しぼり汁100mLあたり200〜300µmolでした。</p>
  <p>いちばん多かったのは、その名のとおり「辛味」という品種で、1,735µmol。市販品のおよそ6〜9倍です。長野の「信州地大根」の仲間も400〜700µmolと高くなっていました。</p>
  <p>水分の少ない品種ほど、辛味成分が多い傾向がありました。</p>
  <p>大根おろしにして食べ比べると、辛味成分の多い品種ほど、辛く感じられていました。</p>
  <p>同じ品種のなかのばらつきは、古くからの品種で大きく、最近の一代交配の品種では小さくなっていました。</p>

  <p class="fine">元の数字：多数のダイコン品種・系統を栽培または収集し、ガスクロマトグラフィーで4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート（MTB-ITC）を定量。市販品種の半数以上は200〜300µmol/100mL。‘辛味’が1,735µmol/100mLと突出し、‘信州地大根’グループは400〜700µmol/100mL。MTB-ITC含量の個体変異の変動係数は、古い固定種で32〜43%、最近のF1品種で12〜14%。組織の水分含有率とMTB-ITC含量には負の相関。大根おろしの官能検査で、MTB-ITC含量の高い品種ほど辛味を強く感じる傾向。著者の所属は農林水産省野菜茶業試験場。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは大根の中の成分と辛さの感じ方で、体への影響は調べていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：岡野邦夫, 浅野次郎, 石井現相. ダイコン品種の辛味成分含量. 園芸学会雑誌. 1990;59(3):551–558.<br>
  <a href="https://doi.org/10.2503/jjshs.59.551" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.2503/jjshs.59.551</a>（日本語・全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>同じ1本のなかで、上のほうにビタミンCが多く、下のほうに硝酸が多かった</h2>
  <p class="hitokoto">1本目では、下のほうほど辛いことが分かりました。では、ほかの成分はどうか。上と下で、入っているものがちがっていました。</p>
  <ul class="facts">
    <li>大根の部位ごと</li>
    <li>肥料のやり方も比べた</li>
    <li>ビタミンCと硝酸を測定</li>
    <li>2013年・日本</li>
  </ul>

  <p>大根を部位ごとに分けて、ビタミンCと硝酸の量を測りました。硝酸は、野菜が肥料の窒素を取りこんでためる成分です。</p>
  <p>硝酸は、上にくらべて下のほうに大きくかたよっていました。ビタミンCは反対に、硝酸の少ない上のほうに多く入っていました。</p>
  <p>肥料の窒素を多く与えた大根ほど、硝酸が多くなっていました。</p>
  <p>窒素の総量が同じでも、はじめにまく肥料を控えめにして、あとから足す育て方にすると、硝酸が少なく、ビタミンCが多い傾向がありました。</p>

  <p class="fine">元の数字：ダイコンの部位別に硝酸イオンとビタミンC（VC）を測定し、施肥方法の影響を比較。硝酸イオンは上部に比べ顕著に下部に局在し、VCは硝酸イオン含量の少ない上部に多い。全施肥窒素量の多いダイコンほど硝酸イオン含量が多い。施肥窒素量が同量でも基肥を控えた追肥主体の栽培で、硝酸イオンが少なくVCが多い傾向。著者の所属は中部大学応用生物学部と愛知県農業総合試験場。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは大根の中の成分で、食べた人の体は調べていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：渡邉章子, 中根一恵, 今井克彦, 大羽和子. ダイコンに含有される硝酸イオンおよびビタミンCの部位局在性と施肥方法がこれら含量に及ぼす影響. 日本食品科学工学会誌. 2013;60(4):179–183.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3136/nskkk.60.179" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3136/nskkk.60.179</a>（日本語・全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>生で食べると辛味成分は早く多く体に入り、加熱すると少なく、遅れてきた</h2>
  <p class="hitokoto">ここまでは、大根の中の話でした。食べたあと、体のなかではどうなるのか。大根と同じアブラナ科のキャベツで、人に食べてもらって調べています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>健康な12人</li>
    <li>生のキャベツ・加熱したキャベツ・からし</li>
    <li>同じ人が3回、48時間あけて</li>
    <li>2004年・イギリス</li>
  </ul>

  <p>健康な12人が、48時間ずつあけて3回の食事をとりました。生のキャベツ、電子レンジで加熱したキャベツ、そしてからしです。からしには、辛味成分がはじめからできた形で入っています。食べたあと24時間、尿を集めて、辛味成分が体に入って出てきた量を測りました。</p>
  <p>からしを食べたときは、辛味成分が早く、たくさん尿に出てきました。</p>
  <p>生のキャベツでも、辛味成分は早く出てきました。量はからしより少なめです。</p>
  <p>加熱したキャベツでは、出てきた量がかなり少なく、しかも遅れていました。熱で酵素がはたらかなくなり、そのぶんを大腸の細菌があとから少しずつ肩代わりしたのだろう、と著者は見ています。</p>
  <p>生の大根おろしと煮た大根のちがいを考えるときにも、手がかりになりそうです。</p>

  <p class="fine">元の数字：健康なボランティア12人のクロスオーバー。生キャベツ、加熱（電子レンジ）キャベツ、からし（あらかじめできたアリルイソチオシアネートの供給源）を含む食事を48時間間隔で摂取。各食事でクレソン汁も摂り、個人差と時間差の補正に用いた。24時間の尿を排尿ごとに採取し、イソチオシアネートのN-アセチルシステイン抱合体を測定。からしで排泄が速く多い。生キャベツでも速やかに排泄されたが、からしより少ない。加熱キャベツでは生より大幅に少なく遅れた。加熱時は大腸の細菌がグルコシノレートの分解を担うと推察。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>使ったのはキャベツで、大根そのものではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Rouzaud G, Young SA, Duncan AJ. <span class="en">Hydrolysis of glucosinolates to isothiocyanates after ingestion of raw or microwaved cabbage by human volunteers.</span> Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2004;13(1):125–131.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1158/1055-9965.EPI-085-3" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1158/1055-9965.EPI-085-3</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">1グループを追った研究</span>
  <h2>生の桜島大根を1日170g、10日。健康な14人で血管の広がりやすさが上がった</h2>
  <p class="hitokoto">ここから、大根を人に食べてもらった試験です。鹿児島の桜島大根には、ふつうの大根の約60倍のトリゴネリンという成分が入っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>健康な14人（平均34歳）</li>
    <li>桜島大根を1日170g</li>
    <li>10日</li>
    <li>2020年・日本</li>
  </ul>

  <p>トリゴネリンは、コーヒー豆にも入っている成分です。細胞の実験では、血管の内側の細胞に、血管をゆるめる物質を出させることが分かっていました。</p>
  <p>健康な14人が、桜島大根を1日170g、10日間食べました。1回で食べても、何回かに分けてもよく、料理の仕方も自由です。</p>
  <p>食べる前の血からは、トリゴネリンは見つかりませんでした。10日後には見つかっています。</p>
  <p>血管の広がりやすさ（FMD）は、6.7%から9.4%に上がりました。この数字は、6%以上がふつうとされています。腕の血流をいったん止めて、はなしたときに血管がどれだけ広がるかを測ったものです。</p>
  <p>血圧と体重は、変わっていませんでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：健康なボランティア15人のうち1人が脱落し14人（33.9±6.7歳）。桜島大根170g/日（トリゴネリン61.2mg）を10日間、分割・調理法は自由。摂取前の血中にトリゴネリンは検出されず、10日後に検出。%FMD 6.7±1.6% → 9.4±1.9%（P=0.0016。論文では6.0以上を正常としている）。上腕動脈径と上腕-足首間脈波伝播速度は変化なし。収縮期血圧120±13.6 → 115.8±10.8mmHg（P=0.72）、体重も変化なし。桜島大根のトリゴネリンはほかのダイコンやカボチャの約60倍で、品種による差はなく、多くの調理法で比較的安定。研究費は日本学術振興会科研費（20H02936）、日本農芸化学会、ロート製薬、米盛誠心育成会から。資金提供者は研究に関与せず、利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。トリゴネリンの細胞での作用は Kuroda R ほか J Agric Food Chem. 2018;66(33):8714–8721（<a href="https://doi.org/10.1021/acs.jafc.8b01750" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>比べる相手を置かず、同じ人たちの前後を比べたものです。</p>
    <p>使ったのは桜島大根で、ふつうの大根ではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Sasaki M, Nonoshita Y, Kajiya T, Atsuchi N, Kido M, Chu DC, Juneja LR, Minami Y, Kajiya K. <span class="en">Characteristic Analysis of Trigonelline Contained in Raphanus sativus Cv. Sakurajima Daikon and Results from the First Trial Examining Its Vasodilator Properties in Humans.</span> Nutrients. 2020;12(6):1872.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/nu12061872" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/nu12061872</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>メタボリックシンドロームの21人が桜島大根の粉を2週間。血管の広がりやすさに差は出ず、上の血圧が高くなった</h2>
  <p class="hitokoto">前の1本の続きとして、比べる相手を置いて確かめた試験です。相手は健康な人ではなく、おなかまわりや血圧などに引っかかっている人たちでした。結果は、同じ向きになりませんでした。</p>
  <ul class="facts">
    <li>21人（メタボリックシンドローム）</li>
    <li>桜島大根の粉を1日10g</li>
    <li>2週間ずつ3通りを入れかえて</li>
    <li>2026年・日本</li>
  </ul>

  <p>21人が、3通りの2週間を、あいだを2週間ずつあけて順に過ごしました。桜島大根の粉を1日10gとる2週間、ふつうの青首大根の粉を1日10gとる2週間、何も足さないふだんの食事の2週間です。順番はくじ引きで決めています。粉の量は、前の1本の生170gと同じくらいのトリゴネリンになるように決めてありました。</p>
  <p>いちばん見たかった血管の広がりやすさには、差が出ていません。ふだんの食事とくらべても、青首大根とくらべても同じでした。</p>
  <p>血管をゆるめる物質が体でつくられた目印は、尿のなかで増えていました。ところが同時に、体が酸化による傷を受けた目印も増えていました。</p>
  <p>そして上の血圧は、ふだんの食事の期間より9.67mmHg、青首大根の期間より8.86mmHg高くなっていました。</p>
  <p>著者は、青首大根の期間のあとに影響が持ち越されていて、血管の広がりやすさの結果は読み取りにくい、とも書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：多施設・非盲検・無作為化・3期クロスオーバーの第IIb相試験。メタボリックシンドローム21人。桜島大根粉、青首大根粉（いずれも凍結乾燥・10g/日）、通常食の各14日を、14日の休止をはさんで実施。主要評価項目のFMDは、桜島大根と通常食で差なし（P=0.58）、青首大根とも差なし（P=0.59）。青首大根期のあとに有意な負の持ち越しの影響があり、推定をゆがめた可能性。尿中NOx上昇（P=0.03）、8-OHdG/クレアチニン上昇（P=0.02）。収縮期血圧は通常食より+9.67mmHg（P=0.03）、青首大根より+8.86mmHg（P=0.04）。粉10gはトリゴネリン約61.2mgと推定。研究費はJufuku Sangyo社とTake Yakuhin社から。資金提供者は設計・収集・解析・執筆に関与せず、利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>使ったのは乾燥させた粉で、生や料理した大根ではありません。</p>
    <p>どれをとっているかは、本人に分かる形でした。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Tokushige A, Akasaki Y, Shibata K, Sakoda T, Tajima A, Kajiya T, Shirasawa N, Hamada N, Yoshikawa A, Kubota K, Yamashita T, Higo K, Kubozono T, Funakoshi K, Kawai R, Yoshida H, Shintani A, Kajiya K, Ohishi M. <span class="en">Efficacy and Safety of Sakurajima Radish in Patients with Metabolic Syndrome: A Phase IIb Randomized, Three-Period Crossover Trial.</span> Nutrients. 2026;18(11):1801.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/nu18111801" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/nu18111801</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>日本人8万8,184人を追うと、アブラナ科の野菜をよく食べる人で死亡が少なかった。女性では大根でも</h2>
  <p class="hitokoto">最後は、ふだんの食卓の長い記録です。大根おろしも煮物も、たくあんも、そのまま食べてきた人たちの話になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>8万8,184人（男性4万622人・女性4万7,562人）</li>
    <li>45〜74歳</li>
    <li>約17年追った</li>
    <li>2019年・日本</li>
  </ul>

  <p>岩手から沖縄まで11の保健所の地域に住む45〜74歳の人たちに、食べたものを138項目の質問票で聞き、その後を追いました。アブラナ科の野菜は、11項目から計算しています。キャベツ、大根、こまつな、ブロッコリー、はくさい、チンゲンサイ、からしな、ふだんそう、たくあん、野沢菜漬け、はくさい漬けです。</p>
  <p>追っているあいだに、1万5,349人が亡くなりました。</p>
  <p>アブラナ科の野菜をいちばん多く食べる人たちでは、いちばん少ない人たちとくらべて、死亡が男性で14%、女性で11%少ない値でした。</p>
  <p>男性ではがんによる死亡が、女性では心臓の病気と、けがなど外からの原因による死亡が少なくなっていました。</p>
  <p>野菜ごとに見ると、男性ではブロッコリーとたくあん、<strong>女性では大根とブロッコリー</strong>を、いちばん多く食べる人たちで死亡が少なくなっていました。</p>

  <p class="fine">元の数字：多目的コホート研究（JPHC研究）。がん・心筋梗塞・脳卒中の既往のない45〜74歳の88,184人（男性40,622人・女性47,562人）。138項目の食物摂取頻度質問票。追跡期間の中央値16.9年で15,349人が死亡。最多の5分の1と最少の5分の1で比べた全死亡のハザード比は、男性0.86（95%信頼区間 0.80〜0.93、傾向P=0.0002）、女性0.89（0.81〜0.98、傾向P=0.03）。男性でがん死亡、女性で心疾患・外因死が低い。女性の脳血管疾患死亡も同様の傾向だが有意ではない。個別の野菜では、男性でブロッコリーとたくあん、女性で大根とブロッコリーの最多群で全死亡が低い。男性のがん死亡の低下は過去・現在喫煙者で見られ、非喫煙者では見られなかった。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>食べたものを聞き取って、その後を追った観察の記録です。</p>
    <p>生で食べたか、煮て食べたかまでは分けていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Mori N, Shimazu T, Charvat H, Mutoh M, Sawada N, Iwasaki M, Yamaji T, Inoue M, Goto A, Takachi R, Ishihara J, Noda M, Iso H, Tsugane S, JPHC Study Group. <span class="en">Cruciferous vegetable intake and mortality in middle-aged adults: A prospective cohort study.</span> Clin Nutr. 2019;38(2):631–643.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.clnu.2018.04.012" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.clnu.2018.04.012</a></p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかったものも、ここに置いておきます。</p>
<p>同じ日本人の調査で、アブラナ科の野菜と肺がんを調べたもの。男性全体でははっきりした差がなく、たばこを吸わない男性で、いちばん多く食べる人たちの肺がんが半分ほどでした。女性では関連が見られず、大根ひとつで見た場合も関連は出ていません（J Nutr 2017;147(5):841–849、<a href="https://doi.org/10.3945/jn.117.247494" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>同じ日本人の調査で、アブラナ科の野菜と大腸がんを調べたもの。男女とも、食べる量と大腸がんのあいだに関連は見られませんでした（Eur J Cancer Prev 2019;28(5):420–427、<a href="https://doi.org/10.1097/CEJ.0000000000000491" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1827/">大根と大根おろし</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>ブルーベリースムージーと体</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1825/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 23 Sep 2026 06:10:42 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[インスリン]]></category>
		<category><![CDATA[スムージー]]></category>
		<category><![CDATA[ブルーベリー]]></category>
		<category><![CDATA[血圧]]></category>
		<category><![CDATA[血管]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>砂糖を足さないブルーベリースムージーを、続けて飲んだ人たちがいます。その試験では、血管の広がりやすさ、血圧、インスリンのはたらきに差が出ていました。65〜80歳の人たちが12週間飲んだ試験では、腕の血管の広がりやすさが0 [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1825/">ブルーベリースムージーと体</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
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<div class="eiyo">

<p class="lead">砂糖を足さないブルーベリースムージーを、続けて飲んだ人たちがいます。その試験では、血管の広がりやすさ、血圧、インスリンのはたらきに差が出ていました。65〜80歳の人たちが12週間飲んだ試験では、腕の血管の広がりやすさが0.86%上がりました。24時間の上の血圧も3.59mmHg下がっています。はじめに、ブルーベリーに何が入っていて、体に何がいいとされているのかを並べます。そのあと、飲んだものが体の中でどうなるかを1本、続けて飲んだ試験を5本読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>ブルーベリーの粉を水にとかして1日2回、30日飲んだ18人では、血の中の43種類の成分が増えました。増え方は、人によって4〜5割ちがっていました。</li>
    <li>65〜80歳の人たちが12週間飲むと、腕の血管の広がりやすさが0.86%上がりました。24時間の上の血圧は3.59mmHg下がり、病院で測った血圧には差が出ていません。</li>
    <li>ブルーベリーのスムージーを1日2回、6週間飲んだ44人では、指先で測る血管の働きが上がりました。血圧には差が出ていません。</li>
    <li>生の実で350gぶんを毎日8週間飲んだ48人では、上の血圧が6%、下の血圧が4%下がりました。</li>
    <li>運動の前後にブルーベリーのスムージーを飲んだ10人では、落ちた力の戻りが早くなりました。筋肉痛の感じ方は変わっていません。</li>
    <li>スムージーを1日2回、6週間飲んだ32人では、インスリンのはたらきが始める前より22%上がりました。偽物の側は5%です。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそもブルーベリーとは</h2>

  <p>まず、何が入っているかです。生の実100gあたりで、ほかの果物と並べてみます。</p>

  <p><strong>食物繊維は3.3g。</strong>キウイ2.6g、りんご（皮つき）1.9g、いちご1.4g、バナナ1.1g、みかん1.0gです。ふだんの果物のなかでは、多いほうに入ります。</p>

  <p><strong>ビタミンEは1.7mg。</strong>キウイ1.3mg、バナナ0.5mg、いちご・りんご・みかんは0.4mgです。</p>

  <p><strong>ビタミンKは15μg。</strong>キウイ6μg、いちご2μg、りんご2μg、みかんは0です。骨や、血が固まるしくみに使われるビタミンです。</p>

  <p>そのかわり、<strong>ビタミンCは9mgしかありません。</strong>キウイ71mg、いちご62mg、みかん32mgにくらべると、ずっと少ない。ブルーベリーは、ビタミンCをとるための果物ではなさそうです。</p>

  <p>糖も見ておきます。体に使われる糖は8.6gです。バナナは19.4g、りんごは12.9g。<strong>砂糖を足さずにスムージーにするなら、ブルーベリーそのものの糖は、バナナの半分以下です。</strong></p>

  <p>そして、いちばんの特徴が色です。青紫の色のもとは、アントシアニンという色素です。植物がつくるポリフェノールの仲間で、赤や紫や青の実の色は、たいていこれによるものです。</p>

  <p>生の実100gあたりのアントシアニンは、大粒の栽培種で387mg、小粒の野生種で487mg。いちごは21mg、赤いりんごの皮つきで12mg。バナナ、みかん、キウイは0mgです。</p>

  <p>ここで、よく聞く話をひとつ。<strong>ブルーベリーは目にいい、と言われます。</strong>夜の見え方について、試験を集めた解析があります。対象は、ビルベリーという別の種類から取り出した成分でした。偽物と比べた12の試験のうち、くじ引きで作られた新しい4つは、どれも差が出ていません。差が出ていたのは、それより前の試験や、くじ引きでない試験でした。</p>

  <p>ただし、差が出なかった試験ほど、量が少なかったり、産地のちがう成分を使っていたりした、とも書かれています。調べられたのは、ほとんどが目の健康な人でした。目の病気で夜が見えにくい人を対象にした、きちんとした試験はありません。</p>

  <p>では、人の試験で差がはっきり出ているのは、どこなのか。次の4つが挙がります。</p>

  <p><strong>ひとつめは血管です。</strong>血管の内側は、内皮という薄い膜でおおわれています。ここが元気だと、血が要るときに血管がふわりと広がります。腕の血流をいったん止めて、はなしたときにどれだけ広がるか。これを測ったのが、血管の広がりやすさ（FMD）です。健康な人の14試験・632人を集めると、ブルーベリーの側で1.11%大きくなっていました。同じ解析で、血圧と頭のはたらきには差が出ていません。</p>

  <p><strong>ふたつめは糖尿病です。</strong>アメリカの18万7,382人を追った調査があります。ブルーベリーを週に3皿ぶん多く食べるごとに、2型糖尿病になった人が26%少ない値でした。</p>

  <p><strong>みっつめは心臓です。</strong>9万3,600人の女性を18年追った調査があります。アントシアニンをいちばん多くとる人たちで、心筋梗塞が32%少ない値でした。主な供給源は、ブルーベリーといちごでした。</p>

  <p><strong>よっつめは記憶です。</strong>記憶が下がりはじめた人の試験を集めた513人の解析では、出来事を思い出す力に差が出ていました。</p>

  <p>この記事には、小さく見える数字が出てきます。読むときの物差しを、2つ置いておきます。</p>

  <p><strong>血管の広がりやすさの物差し。</strong>35の研究・17,280人を集めた解析があります。広がりやすさが1%大きい人ほど、心臓や血管の出来事が12%少なくなっていました。指先で測るやり方でも、同じような結びつきが出ています。この記事に出てくる数字は0.86%です。</p>

  <p><strong>血圧の物差し。</strong>薬で血圧を下げた48の試験・34万4,716人を集めた解析があります。上の血圧が5mmHg下がるごとに、心臓や血管の大きな出来事が約1割少なくなっていました。脳卒中、心筋梗塞、心不全による入院などのことです。もとの血圧の高さによって、この関係に目立ったちがいは見られていません。この記事に出てくる数字は3.59mmHgです。</p>

  <p>ここから読む試験は、どれも砂糖を足して調べたものではありません。多くは、凍らせて乾かした実をまるごと粉にしたものを使っています。皮も種も入ったままで、水や牛乳にとかすと、とろりとした飲みものになります。飲まれた量の多くは、生の実にして1日およそ180gから350gでした。</p>

  <p class="fine">出典：文部科学省『日本食品標準成分表（八訂）増補2023年』（ブルーベリー生、キウイフルーツ緑肉種生、りんご皮つき生、いちご生、バナナ生、うんしゅうみかんじょうのう普通生。体に使われる糖は利用可能炭水化物の単糖当量。ブルーベリーの糖とビタミンK、いちご・みかんのビタミンKは成分表の推計値）　／　Kalt W ほか <span class="en">Recent Research on the Health Benefits of Blueberries and Their Anthocyanins.</span> Adv Nutr. 2020;11(2):224–236. <a href="https://doi.org/10.1093/advances/nmz065" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/advances/nmz065</a>（アントシアニンの量。アメリカのハイブッシュブルーベリー協会が著者それぞれに謝金を出し、著者の多くが同協会から研究費を受けています。同協会は総説の設計と実施には関わっていないと書かれています。全文が無料で読めます）　／　Canter PH, Ernst E. <span class="en">Anthocyanosides of Vaccinium myrtillus (bilberry) for night vision—a systematic review of placebo-controlled trials.</span> Surv Ophthalmol. 2004;49(1):38–50. <a href="https://doi.org/10.1016/j.survophthal.2003.10.006" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.survophthal.2003.10.006</a>（暗いところでの見え方を扱った30の試験のうち、偽物と比べたもの12。新しい無作為化試験4つはすべて差なし、差が出たのは無作為化試験1つと非無作為化試験7つ。差が出なかったことは、方法の厳密さのほか、少ない量や産地のちがう抽出物とも結びついていた。12のうち11は目が正常以上の健康な人が対象）　／　<span class="en">Blueberry consumption enhances vascular function but not cognitive abilities in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis.</span> Nutr Res. 2026;149:162–177. <a href="https://doi.org/10.1016/j.nutres.2026.03.007" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.nutres.2026.03.007</a>（FMD 1.11%［95%信頼区間 0.50〜1.72］。上の血圧−0.11mmHg［−2.82〜2.60］、下の血圧−0.46mmHg［−2.80〜1.87］、頭のはたらきにも差なし）　／　Muraki I ほか <span class="en">Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies.</span> BMJ. 2013;347:f5001. <a href="https://doi.org/10.1136/bmj.f5001" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1136/bmj.f5001</a>（週3サービングあたりのハザード比0.74。研究費はアメリカ国立衛生研究所、利益相反なし。全文が無料で読めます）　／　Cassidy A ほか <span class="en">High anthocyanin intake is associated with a reduced risk of myocardial infarction in young and middle-aged women.</span> Circulation. 2013;127(2):188–196. <a href="https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.112.122408" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.112.122408</a>（最多の5分の1と最少の5分の1でハザード比0.68［0.49〜0.96］。研究費はアメリカ国立衛生研究所とイギリスの生物工学・生物科学研究会議、利益相反なし）　／　<span class="en">Blueberries for brainpower: a systematic review and meta-analysis with Bayesian post hoc analysis of RCTs exploring cognitive function in the elderly with prior cognitive decline.</span> Biogerontology. 2025;26(5):171. <a href="https://doi.org/10.1007/s10522-025-10308-w" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1007/s10522-025-10308-w</a>（エピソード記憶の差の大きさ［標準化平均差］0.34［0.11〜0.57］）　／　Matsuzawa Y ほか <span class="en">Prognostic Value of Flow-Mediated Vasodilation in Brachial Artery and Fingertip Artery for Cardiovascular Events: A Systematic Review and Meta-Analysis.</span> J Am Heart Assoc. 2015;4(11):e002270. <a href="https://doi.org/10.1161/JAHA.115.002270" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1161/JAHA.115.002270</a>（FMDが1%大きいと相対危険0.88［0.84〜0.91］。指先の指標でも0.1増えると0.79［0.71〜0.87］。研究費はアメリカ国立衛生研究所。全文が無料で読めます）　／　Blood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration. <span class="en">Pharmacological blood pressure lowering for primary and secondary prevention of cardiovascular disease across different levels of blood pressure: an individual participant-level data meta-analysis.</span> Lancet. 2021;397(10285):1625–1636. <a href="https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00590-0" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00590-0</a>（48試験・344,716人の個人データ。上の血圧5mmHg低下あたりの主要な心血管イベントのハザード比は、心血管病の既往なしで0.91［0.89〜0.94］、既往ありで0.89［0.86〜0.92］。もとの収縮期血圧の区分［120未満〜170以上］によって関係がちがうという確かな証拠はなし。研究費はイギリス心臓財団、イギリス国立健康研究所オックスフォード生物医学研究センター、オックスフォード・マーティン・スクール。著者の一部に製薬企業からの個人的な報酬の申告あり。全文が無料で読めます）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">1グループを追った研究</span>
  <h2>粉を水にとかして1日2回、30日。血の中で43種類の成分が増えていた</h2>
  <p class="hitokoto">飲んだブルーベリーは、体の中でどうなるのか。続けて飲んだ試験を読む前に、その行方を追った1本です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>健康な男性18人</li>
    <li>生の実で100gぶんを1日2回</li>
    <li>30日</li>
    <li>2016年・ドイツ</li>
  </ul>

  <p>健康な男性18人が、凍らせて乾かしたブルーベリーの粉11gを水にとかし、1日2回、30日飲みました。粉11gは、生の実で100gにあたります。1杯あたりのアントシアニンは150mgでした。</p>
  <p>初日と30日目に、飲む前と飲んで2時間後の血を調べています。</p>
  <p>血の中で測れた成分は61種類。そのうち43種類が、飲んだあとに増えていました。</p>
  <p>増えていたものの多くは、アントシアニンそのものではありません。体の中や腸の細菌によって、細かく形を変えられたあとの成分でした。初日に増えたものと、30日目に増えたものも、顔ぶれが入れ替わっていました。</p>
  <p>そして、増え方には人によって4〜5割の開きがありました。同じものを飲んでも、体の中で起きることは人ごとに違う、ということになります。</p>

  <p class="fine">元の数字：健康な男性18人。凍結乾燥ブルーベリー粉11g（生100g相当）を水にとかし1日2回、30日。1杯あたりポリフェノール302±6mg（アントシアニン150±3mg、クロロゲン酸64±1mg、フラバノールのオリゴマー49±2mgほか）。初日と30日目に、摂取前と2時間後に採血、24時間尿も採取。血漿で61種のフェノール代謝物を定量し、43種が急性または30日の摂取で増加。初日2時間後の変化の8割超は安息香酸類とカテコール類、30日目は馬尿酸類（摂取前）と安息香酸類（2時間後）が主。30日で尿中の総排泄量は変わらず。個人差は血漿40〜48%、尿47〜54%。研究費は北米ワイルドブルーベリー協会の制約なし・査読つき助成と、デュッセルドルフ大学医学研究委員会（9772574）から。利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>比べる相手を置かず、同じ人たちの前後を比べたものです。</p>
    <p>体の調子がどうなったかは測っていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Feliciano RP, Istas G, Heiss C, Rodriguez-Mateos A. <span class="en">Plasma and Urinary Phenolic Profiles after Acute and Repetitive Intake of Wild Blueberry.</span> Molecules. 2016;21(9):1120.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/molecules21091120" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/molecules21091120</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>65〜80歳が12週間。血管の広がりやすさが上がり、24時間の上の血圧が下がった</h2>
  <p class="hitokoto">前の1本と同じ研究者が加わった、いちばん新しい試験です。形を変えた成分が増えたあと、体に何が起きていたかを見ています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>61人（12週後に測れたのは54人）</li>
    <li>65〜80歳の健康な人</li>
    <li>生の実で178gぶんを毎日</li>
    <li>2023年・イギリス</li>
  </ul>

  <p>65歳から80歳の健康な61人が、くじ引きで2つに分かれました。片方は、野生種のブルーベリーを凍らせて乾かした粉26gを、毎日1回、水にとかして飲みます。生の実で178gにあたります。もう片方は、見た目も味も栄養もそろえた偽物です。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。</p>
  <p>12週間後、ブルーベリーの側では、腕の血管の広がりやすさが0.86%上がっていました。24時間はかり続けた上の血圧も、3.59mmHg低くなっています。</p>
  <p>一方、病院で測った血圧、下の血圧、動脈のかたさ、血の中の脂質には、差が出ていません。脳への血の流れと、腸の細菌の顔ぶれも同じでした。</p>
  <p>記憶の検査は、結果が分かれました。15のことばを聞いてすぐに思い出す課題では、ブルーベリーの側が5.92語、偽物の側が5.28語。ところが、時間をおいて思い出す課題では、偽物の側が9.43語、ブルーベリーの側が7.48語でした。ルールが切り替わる課題での正確さは、ブルーベリーの側で8.5%上がっています。</p>
  <p>尿に出てくるポリフェノールの量は、ブルーベリーの側で増えていました。1本目で見た、形を変えられたあとの成分です。副作用の報告は、どちらの側にもありませんでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：65〜80歳の健康な61人が完了、うち大学閉鎖の影響で12週の測定ができなかった7人を除き、各群27人を解析。二重盲検・並行群間の無作為化比較試験。凍結乾燥ワイルドブルーベリー粉26g（アントシアニン302mg、生178g相当）または見た目・味・栄養素・食物繊維・ビタミンCをそろえた偽物（アントシアニン0mg）を、水にとかして1日1回、12週間。FMDは偽物にくらべ0.86%（95%信頼区間 0.56〜1.17、P&lt;0.001）、24時間自由行動下の収縮期血圧は−3.59mmHg（−6.95〜−0.23、P=0.037）。24時間の拡張期血圧、診察室血圧、動脈スティフネス、血中脂質、脳血流には群間差なし。聴覚言語学習検査の即時再生は5.92対5.28語（P=0.043）、遅延再生は偽物のほうが良好で9.43対7.48語（P=0.029）。課題切り替えの総合正確さは8.5%向上（P=0.026）。24時間尿中のポリフェノール排泄が有意に増加。腸内細菌叢の組成に変化なし。副作用の報告なし。NCT04084457。研究費は北米ワイルドブルーベリー協会の制約なしの助成で、試験の粉も同協会から提供。資金提供者は設計・実施・解析・解釈に関わっていないと明記。そのほかの利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>参加したのは健康な高齢の人で、期間は12週間です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Wood E, Hein S, Mesnage R, Fernandes F, Abhayaratne N, Xu Y, Zhang Z, Bell L, Williams C, Rodriguez-Mateos A. <span class="en">Wild blueberry (poly)phenols can improve vascular function and cognitive performance in healthy older individuals: a double-blind randomized controlled trial.</span> Am J Clin Nutr. 2023;117(6):1306–1319.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.ajcnut.2023.03.017" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.ajcnut.2023.03.017</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>スムージーを1日2回、6週間。指先で測る血管の働きが上がり、血圧は動かなかった</h2>
  <p class="hitokoto">今度は、ヨーグルトと牛乳でつくったスムージーです。相手は、健康な人ではなく、おなかまわりや血圧などに引っかかっている人たちでした。</p>
  <ul class="facts">
    <li>44人（ブルーベリー23人・偽物21人）</li>
    <li>1日2杯（粉を合わせて45g）</li>
    <li>6週間・二重盲検</li>
    <li>2015年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>1杯は約350mL。バニラ味のヨーグルトと脱脂乳に、ブルーベリーの粉22.5gを入れたスムージーです。<strong>砂糖は入れず、甘味料が1gだけ入っています。</strong></p>
  <p>偽物のほうは、色と味と栄養をそろえてありました。<strong>ブルーベリー自身の糖に合わせて、偽物にだけ砂糖14gが入っています。</strong>だから、差が出たとすれば、糖のちがいによるものではないことになります。</p>
  <p>6週間後、指先の血流をいったん止めて、はなしたときの戻りやすさが、ブルーベリーの側で上がっていました。偽物の側では下がっています。指先で測るこの指標も、将来の心臓や血管の出来事と結びついていることが、箱の物差しの解析で示されています。</p>
  <p>一方、24時間はかり続けた血圧と、インスリンのはたらきには、差が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：メタボリックシンドロームのある44人（ブルーベリー23・偽物21）。二重盲検・偽物対照の無作為化試験。12オンスのスムージー（バニラ味ヨーグルト125g、脱脂乳105g、凍結乾燥ブルーベリー粉22.5g、バニラ香料、スクラロース系甘味料1g）を1日2回6週間。偽物はヨーグルト130g、脱脂乳115g、砂糖14g、食物繊維5.2g、人工香料と着色料で、見た目・味・主要栄養素・食物繊維をそろえた。反応性充血指数（RHI）の変化は0.32±0.13対−0.33±0.14（体脂肪率と性別で調整、P=0.0023。調整前 P=0.024）。24時間自由行動下血圧とインスリン感受性には群間差なし。研究費の一部は米国ハイブッシュブルーベリー協議会、ほかにアメリカ国立衛生研究所（K01AT006975、P50AT002776-01、U54 GM104940）。利益相反はないと申告しています。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>血圧とインスリンのはたらきには、差が出ていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Stull AJ, Cash KC, Champagne CM, Gupta AK, Boston R, Beyl RA, Johnson WD, Cefalu WT. <span class="en">Blueberries improve endothelial function, but not blood pressure, in adults with metabolic syndrome: a randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial.</span> Nutrients. 2015;7(6):4107–4123.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/nu7064107" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/nu7064107</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>生の実で350gぶんを毎日8週間。上の血圧が6%下がった</h2>
  <p class="hitokoto">前の1本では、血圧は動きませんでした。同じような人たちが、似た量を8週間飲んだ別の試験では、どうだったのか。</p>
  <ul class="facts">
    <li>48人（男性4人・女性44人）</li>
    <li>生の実で約350gぶんを毎日</li>
    <li>8週間</li>
    <li>2010年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、おなかまわりや血圧などにいくつも引っかかっている48人です。平均50歳でした。</p>
  <p>くじ引きで2つに分かれ、片方は凍らせて乾かしたブルーベリー50gを、水480mLにとかして飲みました。生の実で約350gにあたります。<strong>砂糖は入れず、好みでバニラの香りか甘味料を足す形です。</strong>とろりと重たい飲みものだったため、朝と夜に1杯ずつ飲み、コップをもう1杯の水ですすいで飲んでいます。もう片方は、同じ量の水を飲みました。</p>
  <p>8週間後、上の血圧は6%、下の血圧は4%下がっていました。水の側は1.5%と1.2%です。</p>
  <p>血の中で酸化されたLDLも、ブルーベリーの側で28%減っていました。水の側は9%です。</p>
  <p>一方、血糖と、血の中の脂質には変化が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：メタボリックシンドロームのある48人（男性4・女性44、BMI 37.8±2.3、年齢50.0±3.0、平均±標準誤差）。無作為化対照試験。添加物なしの凍結乾燥ブルーベリー50g（生で約350g相当、アントシアニン742mg、食物繊維9.3g）を水480mLにとかし、好みでバニラエキスかスクラロース系甘味料を加え、朝夕に1杯ずつ。コップを水1杯ずつですすいで飲むため、合計の水分は960mL。対照は水960mL。8週間。収縮期血圧−6%・拡張期血圧−4%に対し、対照は−1.5%・−1.2%（P&lt;0.05）。血清グルコースと脂質には影響なし。酸化LDLは−28%、血清マロンジアルデヒドとヒドロキシノネナールは−17%に対し、対照はいずれも−9%（P&lt;0.01）。研究費は米国ハイブッシュブルーベリー協議会と、オクラホマ大学健康科学センターの臨床研究センター助成（NIH／NCRR M01-RR14467）から。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>比べた相手は水で、どちらを飲んでいるかは本人に分かる形でした。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Basu A, Du M, Leyva MJ, Sanchez K, Betts NM, Wu M, Aston CE, Lyons TJ. <span class="en">Blueberries decrease cardiovascular risk factors in obese men and women with metabolic syndrome.</span> J Nutr. 2010;140(9):1582–1587.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3945/jn.110.124701" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/jn.110.124701</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>運動の前後にスムージー。落ちた力の戻りが早かった</h2>
  <p class="hitokoto">ここまでは粉を使った試験でした。この1本は、冷凍ブルーベリーとバナナとりんごジュースをミキサーにかけたもの。家で作るものと、ほとんど同じ中身です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>女性10人</li>
    <li>太ももを300回</li>
    <li>60時間追いかけた</li>
    <li>2012年・ニュージーランド</li>
  </ul>

  <p>10人の女性が、太ももの前の筋肉を強く引き伸ばす動きを300回おこないました。次の日に筋肉痛が来る、あの負荷です。</p>
  <p>同じ運動を、日をあけて2回おこなっています。くじ引きで順番を決め、ある回は、冷凍ブルーベリー200gとバナナ約50gとりんごジュース200mLのスムージー。<strong>砂糖は加えていません。</strong>別の回は、見た目と味を似せた偽物です。運動の10時間前と5時間前、終わった直後、12時間後、36時間後に1杯ずつです。</p>
  <p>この試験には、ひとつ工夫があります。<strong>偽物のほうも、抗酸化力が同じになるように作ってありました。</strong>もし差が出たとすれば、飲みものの抗酸化力そのもののためではない、ということになります。</p>
  <p>12時間後には、どちらの回も力が落ちていました。そこから戻っていく速さに、差が出ています。ふんばるときの最大の力の戻りが、ブルーベリーの回のほうが早くなっていました。</p>
  <p>一方、本人が感じる筋肉痛の強さには、差が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：女性10人。無作為化クロスオーバー。冷凍ニュージーランド産ブルーベリー200g（品種Maru）、バナナ約50g、市販りんごジュース200mLのスムージー、または抗酸化能をそろえたプラセボを、大腿四頭筋の強いエキセントリック収縮300回の10時間前・5時間前・直後・12時間後・36時間後に摂取。12時間後に等尺性・短縮性・伸張性のトルクがいずれも有意に低下（P&lt;0.001）。60時間の回復期間中、等尺性ピークトルクに有意な交互作用（P=0.047）。主観的な筋肉痛は群間差なし（処置 P=0.861、交互作用 P=0.903）。研究費はニュージーランド科学技術革新省の契約C06X0807（Plant and Food Research Ltd）と大学院研究奨励から。著者6人のうち2人が同研究所の所属。金銭的な利害関係はないと申告しています。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>10人の試験で、痛みの感じ方には差が出ていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：McLeay Y, Barnes MJ, Mundel T, Hurst SM, Hurst RD, Stannard SR. <span class="en">Effect of New Zealand blueberry consumption on recovery from eccentric exercise-induced muscle damage.</span> J Int Soc Sports Nutr. 2012;9(1):19.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1186/1550-2783-9-19" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1186/1550-2783-9-19</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>スムージーを1日2回、6週間。インスリンのはたらきが、始める前より2割ほど上がった</h2>
  <p class="hitokoto">箱で見たとおり、ブルーベリーそのものの糖は多くありません。その飲みものを続けたとき、体の糖の扱いはどう変わったのか。3本目と同じ研究者の、同じ量の粉と牛乳を使ったスムージーです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>32人（ブルーベリー15人・偽物17人）</li>
    <li>1日2杯（生の実でおよそ2カップぶん）</li>
    <li>6週間・二重盲検</li>
    <li>2010年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、太っていて、インスリンのはたらきが弱くなっているけれど、糖尿病ではない32人です。インスリンは、血の中の糖を細胞に取りこませるホルモンです。これがうまくはたらかないと、同じ量の糖を片づけるのに、多くのインスリンが要るようになります。</p>
  <p>くじ引きで2つに分かれ、朝と夕に1杯ずつ、6週間飲みました。片方は、ブルーベリーの粉22.5gを入れた、牛乳を使ったスムージー。もう片方は、栄養をそろえた偽物のスムージーです。体重が増えないよう、スムージーの分だけ、ほかの食事を減らしてもらっています。</p>
  <p>インスリンのはたらきは、血糖を一定に保ちながらインスリンを流し、どれだけの糖が体に取りこまれるかで測りました。いちばん手のこんだ、正確な測り方です。</p>
  <p>6週間で、ブルーベリーの側は始める前より22%上がっていました。偽物の側は5%です。1割以上上がった人は、ブルーベリーの側で15人のうち10人、偽物の側で17人のうち7人でした。</p>
  <p>体重、体の脂肪、食べた量、炎症の目印、血の中の脂質、血圧は、どちらの側でも変わっていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：肥満でインスリン抵抗性があり糖尿病ではない32人（ブルーベリー15・偽物17）。二重盲検・偽物対照の無作為化試験。凍結乾燥ブルーベリー粉22.5g（生の実で約2カップ分に相当する有効成分）入りスムージー、または栄養価の等しい偽物のスムージーを1日2回6週間。スムージーのエネルギー分だけ自由摂取を減らすよう指示。高用量の高インスリン正常血糖クランプ法によるインスリン感受性の変化は1.7±0.5対0.4±0.4（除脂肪体重1kgあたり1分あたりのmg、P=0.04）、変化率は22.2±5.8%対4.9±4.5%（P=0.02）。10%以上改善した人は15人中10人（67%）対17人中7人（41%）。両群で、エネルギー摂取量・体重・体脂肪・炎症マーカー・脂質・血圧に群間差なく、群内の変化もなし。ブルーベリー粉は米国ハイブッシュブルーベリー協議会が用意（2品種を半量ずつ、凍結乾燥・粉砕）。研究費の一部は同協議会、ほかにアメリカ国立衛生研究所（T32 AT004094、P50AT002776-01）から。全文が無料で読めます。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>15人と17人の、6週間の試験です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Stull AJ, Cash KC, Johnson WD, Champagne CM, Cefalu WT. <span class="en">Bioactives in blueberries improve insulin sensitivity in obese, insulin-resistant men and women.</span> J Nutr. 2010;140(10):1764–1768.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3945/jn.110.125336" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/jn.110.125336</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかったものも、ここに置いておきます。</p>
<p>運動で傷めた筋肉の回復について、30の試験・595人を集めた解析。48時間後の筋力には、どの種類にもはっきりした差が出ていません。筋肉痛が減っていたのは、ザクロとタルトチェリーだけでした。集められていたのは主にサプリや濃縮した飲みもので、スムージーの試験ではないため外しました（Front Nutr 2026;13:1857527、<a href="https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1857527" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>閉経後で血圧が高めの女性48人に、凍結乾燥したブルーベリーの粉を1日22g、8週間配った試験。上の血圧は138から131に、下の血圧は80から75に下がっています。粉として配られたもので、スムージーの試験ではないため、本文には入れていません（J Acad Nutr Diet 2015;115(3):369–377、<a href="https://doi.org/10.1016/j.jand.2014.11.001" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>40〜65歳の35人が、朝食と一緒にワイルドブルーベリーの飲みもの1杯を飲んだ試験。記憶の検査の一部と、食後2時間の血糖とインスリンに差が出ています。飲みものはレモネードの濃縮液で味をつけてあり、糖が28g入っていたため外しました（Eur J Nutr 2021;60(3):1521–1536、<a href="https://doi.org/10.1007/s00394-020-02336-8" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>ベリーをつぶしたものに砂糖35gを加えて飲んだ試験。血糖の山は低くなり遅れて来ましたが、3時間の合計は同じでした。砂糖を加えて調べた形で、ブルーベリーだけでもないため外しました（Br J Nutr 2010;103(8):1094–1097、<a href="https://doi.org/10.1017/S0007114509992868" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1825/">ブルーベリースムージーと体</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>噛むことと唾液</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1823/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 18 Sep 2026 19:02:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[咀嚼]]></category>
		<category><![CDATA[唾液]]></category>
		<category><![CDATA[早食い]]></category>
		<category><![CDATA[認知症]]></category>
		<category><![CDATA[超加工食品]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://new-asakusa.com/?p=1823</guid>

					<description><![CDATA[<p>よく噛んで食べなさい、と言われます。ただ、噛むと体の中で何が起きるのかは、あまり説明されません。口の中で起きているのは、砕くことだけではないようです。噛むと唾液が出て、食べものは飲みこめる塊にまとめられます。そして、その [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1823/">噛むことと唾液</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
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<div class="eiyo">

<p class="lead">よく噛んで食べなさい、と言われます。ただ、噛むと体の中で何が起きるのかは、あまり説明されません。口の中で起きているのは、砕くことだけではないようです。噛むと唾液が出て、食べものは飲みこめる塊にまとめられます。そして、そのあいだに腸からホルモンが出て、脳に「もういい」と伝わります。ひと口を15回噛んだときと、40回噛んだとき。同じ食事なのに、食べた量が11.9%違っていました。はじめに、口の中と、そこから体に届くところを3本。つづいて、噛む回数と食べる速さを4本。最後に、噛む力が落ちたその先を2本。あわせて9本を読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>パンやセロリを噛んだときのほうが、味のないフィルムを噛んだときより、唾液が多く出ていました。噛む速さを変えても、出る量は変わりません。</li>
    <li>殺菌のうがい薬を3日使った15人では、上の血圧が2.3mmHg高くなりました。唾液のなかで起きていた変化が止まったためです。</li>
    <li>お腹の手術のあとにガムを噛んだ人では、腸が動きだすのが10時間ほど早くなっていました。飲みこんでいないので、栄養は入っていません。</li>
    <li>ひと口を40回噛んだ日は、15回の日にくらべて、食べた量が11.9%少なくなりました。空腹を伝えるホルモンも下がっています。</li>
    <li>工場で何段階も加工した食事を1週間続けた9人では、体重が1.1kg多く増え、1日に813kcal多く食べていました。カロリーあたりの噛む回数が少なくなっています。</li>
    <li>23の研究を集めると、早く食べる人とゆっくり食べる人で、体格の目安に1.78の差がありました。</li>
    <li>日本の3,287人では、早食いで、しかも満腹まで食べる人が太っている割合は、どちらもしない人の3倍ほどでした。</li>
    <li>75歳以上の269人では、噛む力の弱い人ほど、食べているものの種類が少なくなっていました。豆、野菜、海藻、ナッツです。</li>
    <li>歯を失った本数が多い人ほど、頭のはたらきが落ちる割合が高い値でした。ただし入れ歯を使っている人では、その結びつきが見えなくなっています。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそも噛むこととは</h2>

  <p>噛むことは、食べものを小さく砕くことだと思われがちです。実際には、それだけではありません。</p>

  <p>ひと口ぶんを口に入れると、歯、舌、頬、あご、そして唾液が、いっせいに動きます。歯がすりつぶし、舌と頬がそれを歯の上に戻し、唾液が混ざって、ばらばらだったものがひとつの塊にまとまる。飲みこめる形になって、はじめて喉のほうへ送られます。</p>

  <p>この「唾液が混ざる」というところが、思っているより多くの仕事をしています。</p>

  <p>唾液にはぬめりのもと（ムチン）が入っていて、口の中のあらゆる面に薄い膜をつくります。噛むとき、飲みこむとき、しゃべるときの、すべりをよくする役です。味も、唾液がなければ分かりません。味のもとになる物質は、唾液にとけてはじめて、舌の上の味を感じる器官まで届きます。</p>

  <p>消化も、口の中で始まっています。唾液にはでんぷんを分解する酵素（アミラーゼ）が入っていて、ごはんやパンのでんぷんを、噛んでいるあいだから切りはじめます。ごはんを長く噛んでいると甘くなるのは、このためです。</p>

  <p>守る仕事もあります。唾液は酸を中和します。食べもののなかの酸も、胃から上がってきた酸も、薄めて流します。さらに、唾液のなかには歯をつくっているミネラルがぎりぎりまでとけていて、歯の表面から少し溶け出したぶんを、戻すことができます。細菌やウイルスやカビの働きを抑える成分も入っています。</p>

  <p>口の中の傷が、皮膚の傷よりずっと早くふさがることにも、唾液が関わっていると考えられています。ここには、思っていたのと違う話がありました。ネズミの唾液には、傷の修復に関わる成長因子がたくさん入っています。犬や猫が傷をなめるのは、それで説明がつきます。ところが人の唾液では、同じ成分の濃さがネズミの10万分の1ほどしかありません。では人では何が働いているのか。細胞を使った実験で見つかったのは、ヒスタチンという成分でした。もともとは、口の中のカビを抑える成分として知られていたものです。</p>

  <p>その唾液は、じっとしていても少しずつ出ていますが、噛むとぐっと増えます。しかも、増え方は噛むものによって違いました。この記事の1本目が、そこを測っています。</p>

  <p>そして、噛むという動作そのものが、口から遠いところまで届きます。手術のあと、腸はしばらく動かなくなります。そこでガムを噛んでもらう。飲みこむわけではないので、栄養は一切入りません。それでも、腸が動きだすのが早くなっていました。3本目に置いてあります。</p>

  <p>もうひとつ、噛むことには「量を決める」という役目があります。満腹かどうかは、胃がふくらんだかどうかだけで決まるのではありません。食べものが口と胃腸を通っていくあいだに、腸からホルモンが出て、血に乗って脳に届き、そこで「もういい」という感じが生まれます。この伝達には時間がかかります。噛む回数を増やすとその時間が稼げるのか、それとも別のことが起きているのか。4本目からの試験が、そこを見ています。</p>

  <p>数字の目安を、先に2つ置いておきます。<strong>ひと口を15回から40回に増やすと、その食事で食べる量が11.9%少なくなりました。歯を1本失うごとに、頭のはたらきが落ちるリスクが0.014ずつ上がっていました。</strong>どちらも、この記事に出てくる数字です。</p>

  <p>そして、いまの暮らしでは、噛む回数は自分で決めているようでいて、食べものの側で決まってしまうところがあります。やわらかく作られたものは、噛む回数が少なくて済みます。5本目が、その話です。</p>

  <p>最後に、いちばん意外なところを。</p>

  <p><strong>唾液が運んでいるのは、食べものの成分だけではありません。</strong>野菜、とくに葉ものや根菜には、硝酸塩という成分が入っています。これを食べると、いったん体に吸収されたあと、その一部がわざわざ唾液のなかに集められます。舌のおくにいる細菌が、それを亜硝酸という形に変え、飲みこんで胃に入ると、一酸化窒素という気体になります。この気体には、血管をゆるめる働きがあります。殺菌のうがい薬でその細菌を減らすと、上の血圧が上がりました。2本目に置いてあります。</p>

  <p class="fine">出典：Dawes C ほか <span class="en">The functions of human saliva: A review sponsored by the World Workshop on Oral Medicine VI.</span> Arch Oral Biol. 2015;60(6):863–874. <a href="https://doi.org/10.1016/j.archoralbio.2015.03.004" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.archoralbio.2015.03.004</a>（唾液の働きをまとめた総説。粘膜をうるおす、微生物や食べかすを流す、ムチンが食塊形成と嚥下と発話のすべりをよくする、味物質をとかして味蕾に運ぶ、アミラーゼででんぷんを分解する、酸を緩衝する、歯のミネラルで過飽和になっていてエナメル質を守る、抗菌・抗ウイルス・抗真菌の成分を含む、口の傷がふさがるのを助ける。題名にあるとおり、World Workshop on Oral Medicine VI の主催によるものです）　／　Oudhoff MJ ほか <span class="en">Histatins are the major wound-closure stimulating factors in human saliva as identified in a cell culture assay.</span> FASEB J. 2008;22(11):3805–3812. <a href="https://doi.org/10.1096/fj.08-112003" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1096/fj.08-112003</a>（人の唾液ではEGFとNGFの濃度がげっ歯類の約10万分の1。高速液体クロマトグラフィーで分けた画分を細胞の実験にかけ、ヒスタチン1と2を主な因子として特定したもの。細胞を使った実験で、人に試したものではありません）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>パンを噛んだときと、味のないフィルムを噛んだとき。出てくる唾液の量が違った</h2>
  <p class="hitokoto">まず、口の中で何が起きているのかを測った1本です。唾液は、噛めば同じだけ出る、というものではないようです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>10人</li>
    <li>耳の下の唾液腺から集めた唾液</li>
    <li>水・フィルム・セロリ・パン</li>
    <li>1990年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>10人に、いろいろなものを口に入れてもらい、そのあいだに出てくる唾液を集めました。集めたのは、耳の下にある唾液腺（耳下腺）から出てくるぶんです。試したのは、水で口をうるおす、味のないフィルムを噛む、セロリを噛む、パンを噛む、パンを噛まずに口に入れておく、の5とおりでした。</p>
  <p>パンやセロリを噛んだときのほうが、味のないフィルムを噛んだときより、出てくる唾液が多くなりました。食べものかどうかで、差がついています。</p>
  <p>噛む速さのほうは、出る量に関係していませんでした。速く噛んでも、ゆっくり噛んでも、同じです。</p>
  <p>でんぷんを分解する酵素（アミラーゼ）も、同じ形で動いていました。濃さは変わらず、出てくる量が増えます。食べものを噛んだときのほうが多く、セロリよりパンで多く、小さいパンより大きいパンで多くなりました。</p>
  <p>著者は、この違いは食べものの成分というより、噛む力や乾き具合、表面積といった、物理的な違いによるのかもしれない、と書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：10人、片側の耳下腺から出る唾液を採取。刺激は水、パラフィルム、セロリ、パン（2つの重さ）、パンを噛まずに保持するの5条件。唾液の分泌は咀嚼の速さとは無関係。パンとセロリの咀嚼は、パラフィルムより高い分泌速度。たんぱく質とアミラーゼは、濃度ではなく分泌の速度が上がっていました。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>10人の小さな試験で、集めたのは片側の耳下腺から出る唾液だけです。</p>
    <p>唾液が増えることと、体に何かが起きることは、別の話になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Mackie DA, Pangborn RM. <span class="en">Mastication and its influence on human salivary flow and alpha-amylase secretion.</span> Physiol Behav. 1990;47(3):593–595.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/0031-9384(90)90131-M" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/0031-9384(90)90131-M</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>殺菌のうがい薬を3日。上の血圧が2.3mmHg高くなった</h2>
  <p class="hitokoto">唾液が運んでいるのは、食べものの成分だけではないようです。噛むことから少し離れますが、唾液そのものの働きが見える1本です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>15人</li>
    <li>高血圧の薬を飲んでいる人</li>
    <li>3日間・入れかえて</li>
    <li>2015年・オーストラリア</li>
  </ul>

  <p>野菜に含まれる硝酸塩は、体に吸収されたあと、一部が唾液のなかに集められます。それを口の中の細菌が亜硝酸に変え、飲みこむと胃で一酸化窒素という気体になる。この気体が血管をゆるめる、という道すじが知られています。この試験は、その途中を止めたら何が起きるかを見たものです。</p>
  <p>参加したのは、高血圧の薬を飲んでいる15人。平均年齢は65歳でした。3日間、殺菌成分の入ったうがい薬を使う期間と、水を使う期間の両方を、順番をくじ引きで決めて体験しています。</p>
  <p>うがい薬の期間には、口の中で硝酸塩が亜硝酸に変わる働きが下がりました。唾液のなかの亜硝酸が減り、変わりきれなかった硝酸塩のほうが増えています。</p>
  <p>そして、上の血圧が2.3mmHg高くなりました。下の血圧には差が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：15人、平均65歳、無作為化クロスオーバー試験。3日間の抗菌うがい薬の使用で、口腔内の硝酸から亜硝酸への還元が低下（p=0.02）、唾液中の亜硝酸が低下（p=0.01）、唾液中の硝酸が上昇（p&lt;0.001）、血中の亜硝酸は低下の傾向（p=0.09）。収縮期血圧は水の期間より2.3mmHg高い値（95%信頼区間 0.5〜4.0、p=0.01）。拡張期血圧（p=0.4）と、血中のcGMP（p=0.7）には差なし。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>15人の小さな試験で、期間は3日です。</p>
    <p>対象は、高血圧の薬を飲んでいる人たちでした。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Bondonno CP ほか <span class="en">Antibacterial mouthwash blunts oral nitrate reduction and increases blood pressure in treated hypertensive men and women.</span> Am J Hypertens. 2015;28(5):572–575.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/ajh/hpu192" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/ajh/hpu192</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>手術のあとにガムを噛む。腸が動きだすのが10時間ほど早かった</h2>
  <p class="hitokoto">噛むという動作が、口から遠いところまで届いている1本です。飲みこまないので、栄養は一切入りません。それでも体が動きました。</p>
  <ul class="facts">
    <li>81の試験・9,072人</li>
    <li>手術のあとにガムを噛む</li>
    <li>2014年6月までの文献</li>
    <li>2015年</li>
  </ul>

  <p>お腹の手術のあと、腸がしばらく動かなくなることがあります。イレウスと呼ばれる状態で、お腹が張り、痛みや吐き気が出て、退院も遅れます。</p>
  <p>この総説が集めたのは、手術のあとにガムを噛んでもらうくじ引き試験です。81の試験、9,072人ぶんが集まりました。</p>
  <p>噛んだ人では、最初にガスが出るまでが10.4時間早く、便が出るまでが12.7時間早くなっていました。お腹の音が戻るまでも5.0時間早く、入院の長さは0.7日短い値です。</p>
  <p>手術の種類で分けると、大腸の手術でいちばん差が大きく、ガスまで12.5時間、便まで18.1時間でした。帝王切開では7.9時間と9.1時間です。</p>
  <p>ガムは飲みこみません。栄養はひとつも入っていません。それでも腸が動きだした、ということになります。噛むという動作が、脳と、脳から内臓へ伸びる神経を通じて、消化管に「始まるぞ」と伝えている。そういう説明が立てられています。</p>

  <p class="fine">元の数字：2014年6月までの文献から81試験9,072人。最初の排ガスまでの時間は全体で10.4時間短い値（95%信頼区間 −11.9〜−8.9）、大腸手術12.5時間（−17.2〜−7.8）、帝王切開7.9時間（−10.0〜−5.8）、その他の手術10.6時間（−12.7〜−8.5）。排便までの時間は全体で12.7時間（−14.5〜−10.9）、大腸手術18.1時間、帝王切開9.1時間。入院期間は全体で0.7日（−0.8〜−0.5）。腸の音が戻るまでは5.0時間（−6.4〜−3.7）。多くの試験がバイアスのリスク高、または不明と判定されています。研究費はイギリス国立健康研究所（NIHR）のブリストル栄養バイオメディカル研究ユニットと、ブリストル大学の博士課程奨学金から。著者のうち数名は、この総説に含まれる試験のひとつに関わっていたと申告しています。</p>

  <blockquote class="say"><p>手術後にガムを噛むことが消化管の働きの回復を助けるという根拠が、いくらか見つかった。ただしこれまでの研究は帝王切開と大腸の手術に偏っており、その多くは小規模で質の低い試験である。</p><cite>——結論より（要約して訳したもの）</cite></blockquote>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>集まった試験の多くは小さく、質も高くないと論文自身が書いています。</p>
    <p>回復を早めるための一連のプログラムを行っている施設では、ガムを足すぶんの差が小さくなっていました。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Short V ほか <span class="en">Chewing gum for postoperative recovery of gastrointestinal function.</span> Cochrane Database Syst Rev. 2015;(2):CD006506.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1002/14651858.CD006506.pub3" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1002/14651858.CD006506.pub3</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>ひと口を15回噛んだときと、40回噛んだとき。食べた量が11.9%違った</h2>
  <p class="hitokoto">ここからが、噛む回数そのものの話です。同じ食事を、噛む回数だけ変えて出しています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>30人（やせた16人・太った14人）</li>
    <li>ひと口10gを15回または40回</li>
    <li>同じ献立を2回</li>
    <li>2011年・中国</li>
  </ul>

  <p>参加したのは若い男性30人です。はじめに、太った人とやせた人で噛み方が違うのかを調べました。太った人のほうが食べる速さが速く、食べもの1gあたりの噛む回数が少なくなっています。ひと口の大きさのほうは、同じでした。</p>
  <p>つぎに、同じ献立を2回食べてもらいます。1回目はひと口（10g）を15回噛み、2回目は40回噛む。順番はくじ引きです。</p>
  <p>40回噛んだときのほうが、食べた量が11.9%少なくなりました。やせた人でも、太った人でも同じです。</p>
  <p>血のホルモンも動いていました。食後のグレリン（胃から出て、空腹を伝えるホルモン）が低く、GLP-1とCCK（どちらも腸から出て、満腹を伝えるホルモン）が高い値になっています。噛む回数が、量を決めるしくみそのものに届いていた、ということになります。</p>

  <p class="fine">元の数字：やせた男性16人と肥満の男性14人。試験食は2200kJ（エネルギーの68%が炭水化物、21%が脂質、11%がたんぱく質）。10gのひと口あたり15回噛む条件と40回噛む条件を、別の日に実施。40回のほうが摂取エネルギーが11.9%少ない値。食後の血中グレリンが低く、GLP-1とCCKが高い値。中国の臨床試験登録 ChiCTR-OCC-10001181。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>1回の食事を見たもので、続けたときにどうなるかは調べていません。</p>
    <p>参加したのは若い男性30人です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Li J ほか <span class="en">Improvement in chewing activity reduces energy intake in one meal and modulates plasma gut hormone concentrations in obese and lean young Chinese men.</span> Am J Clin Nutr. 2011;94(3):709–716.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3945/ajcn.111.015164" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/ajcn.111.015164</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>工場で加工した食事の1週間。体重が1.1kg多く増え、1日に813kcal多く食べていた</h2>
  <p class="hitokoto">では、その噛む回数は自分で決められるのか。食べものの側が決めてしまう、という話になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>9人（太りぎみの日本人男性）</li>
    <li>1週間ずつ入れかえて</li>
    <li>エネルギーと栄養素をそろえた献立</li>
    <li>2024年・日本</li>
  </ul>

  <p>超加工食品という言葉があります。工場で何段階も手を加え、家庭の台所には置いていない材料（乳化剤や香料など）が入っている食品のことです。菓子パン、スナック、加工肉、清涼飲料などが当てはまります。</p>
  <p>この試験では、太りぎみの日本人男性9人に、超加工食品でつくった献立と、そうでない献立を、1週間ずつ食べてもらいました。あいだに2週間あけて、順番を入れかえています。<strong>2つの献立は、総エネルギーと栄養素の割合をそろえてあります。</strong>そのうえで、量は好きなだけ食べてよい形でした。</p>
  <p>超加工食品の週のほうが、体重が1.1kg多く増えました。食べた量は、1日あたり813.5kcal多い値です。</p>
  <p>噛む回数も測られています。1kcalあたりの噛む回数は、超加工食品の週のほうが少なくなっていました。同じカロリーを、より少ない回数で口から通していた、ということになります。</p>

  <p class="fine">元の数字：東京大学医学部附属病院で行われた無作為化・非盲検のクロスオーバー試験。9人全員が完了。超加工食品の期間は体重の増加が1.1kg大きく（95%信頼区間 0.2〜2.0、p=0.021）、1日あたりの摂取エネルギーが813.5kcal多い値（342.4〜1284.7、p=0.0041）。1kcalあたりの咀嚼回数は超加工食品の期間で有意に少ない値（p=0.016）。主要評価項目は体重変化の差、咀嚼回数はあらかじめ決められた副次評価項目のひとつです。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>9人の小さな試験で、参加したのは太りぎみの男性です。</p>
    <p>噛む回数が少ないから食べすぎたのか、別の理由なのかは、この試験では分けられません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Hamano S ほか <span class="en">Ultra-processed foods cause weight gain and increased energy intake associated with reduced chewing frequency: A randomized, open-label, crossover study.</span> Diabetes Obes Metab. 2024;26(11):5431–5443.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1111/dom.15922" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1111/dom.15922</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">集めたもの</span>
  <h2>早く食べる人と、ゆっくり食べる人。23の研究を集めると、体格の目安に1.78の差があった</h2>
  <p class="hitokoto">1回の食事ではなく、ふだんの食べ方で見るとどうなるのか。これまでの研究を集めたものです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>23の研究</li>
    <li>大人が対象（子どもは除外）</li>
    <li>観察研究を集めたもの</li>
    <li>2015年・日本</li>
  </ul>

  <p>体重と身長から出す体格の目安を、BMIといいます。早く食べると答えた人と、ゆっくり食べると答えた人で、このBMIの平均に1.78の差がありました。太っている人の割合でみると、早く食べる人は2.15倍です。</p>
  <p>集められたのは、ある時点で調べた研究が中心で、噛む回数そのものではなく、食べる速さを本人に聞いたものになります。</p>
  <p>研究ごとのばらつきは大きく、糖尿病のある人たちを対象にした研究では、関係が弱くなっていました。</p>

  <p class="fine">元の数字：MEDLINE・EMBASE・CINAHLから23研究。早食い群と遅食い群のBMIの平均差は1.78 kg/m²（95%信頼区間 1.53〜2.04）。肥満のオッズ比は2.15（1.84〜2.51）。研究間のばらつきは大きい値でした（BMIでI²=78.4%、肥満でI²=71.9%、いずれも異質性のp&lt;0.001）。介入研究と、子どもを対象にした研究は除かれています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>集められたのは観察研究で、速く食べるから太るのかどうかは、この形では分かりません。</p>
    <p>速さを遅くする取り組みで体重が変わるかどうかは、今後の課題だと著者が書いています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Ohkuma T ほか <span class="en">Association between eating rate and obesity: a systematic review and meta-analysis.</span> Int J Obes (Lond). 2015;39(11):1589–1596.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1038/ijo.2015.96" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1038/ijo.2015.96</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>早食いで、しかも満腹まで食べる人。太っている割合が3倍ほどだった</h2>
  <p class="hitokoto">日本の2つの地域で行われた調査です。2つの習慣が重なったところで、数字が大きくなります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>3,287人（男性1,122人・女性2,165人）</li>
    <li>30〜69歳</li>
    <li>2003〜2006年</li>
    <li>日本の2つの地域</li>
  </ul>

  <p>心臓や血管の病気についての健診にあわせて、食べ方を聞いています。満腹まで食べると答えたのは男性の50.9%、女性の58.4%。早く食べると答えたのは男性の45.6%、女性の36.3%でした。</p>
  <p>満腹まで食べる人が太っている割合は、そうでない人の2.00倍（男性）、1.92倍（女性）。早く食べる人では1.84倍（男性）、2.09倍（女性）でした。</p>
  <p>両方が重なると、数字が大きくなります。どちらもしない人とくらべて、男性で3.13倍、女性で3.21倍でした。</p>

  <p class="fine">元の数字：3,287人。多変量調整オッズ比は、満腹まで食べることについて男性2.00（95%信頼区間 1.53〜2.62）・女性1.92（1.53〜2.40）、早食いについて男性1.84（1.42〜2.38）・女性2.09（1.69〜2.59）、両方については男性3.13（2.20〜4.45）・女性3.21（2.41〜4.29）。太っているの定義はBMI 25以上。研究費は文部科学省の科学研究費（挑戦的萌芽研究 19659168）から。利益相反の申告はないと書かれています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>ある時点で一度に調べたもので、どちらが先かは分かりません。</p>
    <p>食べ方は、本人の申告によるものです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Maruyama K ほか <span class="en">The joint impact on being overweight of self reported behaviours of eating quickly and eating until full: cross sectional survey.</span> BMJ. 2008;337:a2002.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1136/bmj.a2002" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1136/bmj.a2002</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>噛む力が弱い人では、食べているものの種類が少なかった。豆、野菜、海藻、ナッツ</h2>
  <p class="hitokoto">ここからは、年を重ねたあとの話です。噛む力を、色の変わるガムで測っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>269人</li>
    <li>75歳以上</li>
    <li>高知県・土佐町</li>
    <li>2013年・日本</li>
  </ul>

  <p>噛む力は、色の変わるガムで測られました。よく噛めているほど色が変わる、という仕組みのガムです。歯科医師が判定しています。</p>
  <p>残っている歯の数が多いほど、噛む力は高い値でした。</p>
  <p>噛む力が弱い人では、身のまわりのことをする力と、知的な活動の点数が低くなっていました。気分が落ちこんでいる人の割合も高く、頭のはたらきを見る3つの検査（MMSE、改訂長谷川式、前頭葉機能検査）でも、いずれも点数が低い値です。</p>
  <p>食べているものも違いました。噛む力が弱い人ほど、食べている食品の種類が少なく、とくに豆、野菜、海藻、ナッツを食べる回数が少なくなっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：高知県土佐町の75歳以上269人。噛む力は色が変わるチューインガムで歯科医師が評価。残存歯数と噛む力の関係はp&lt;0.001。噛む力の低い群では、日常生活動作のうち身辺自立がp=0.029、知的能動性がp=0.021で低い値。うつとの関係はp&lt;0.001。MMSEがp=0.022、改訂長谷川式簡易知能評価スケールがp=0.017、前頭葉機能検査がp=0.002。食品摂取の多様性（FDSK-11）はp&lt;0.001で低い値でした。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>ある時点で一度に調べたもので、どちらが先かは分かりません。</p>
    <p>ひとつの町に住む269人を見たものです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Kimura Y ほか <span class="en">Evaluation of chewing ability and its relationship with activities of daily living, depression, cognitive status and food intake in the community-dwelling elderly.</span> Geriatr Gerontol Int. 2013;13(3):718–725.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1111/ggi.12006" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1111/ggi.12006</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">集めたもの</span>
  <h2>歯を1本失うごとに。ただし入れ歯を使っている人では、その結びつきが見えなくなっていた</h2>
  <p class="hitokoto">最後は、噛む力が落ちたその先を追いかけた研究を集めたものです。そして、戻せるかもしれない、というところで終わります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>14の研究・34,074人</li>
    <li>頭のはたらきが落ちた人は4,689人</li>
    <li>時間を追って調べた研究のみ</li>
    <li>2021年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>集められたのは、同じ人を時間を追って調べた研究です。失った歯の本数が多い人では、頭のはたらきが落ちた割合が1.48倍、認知症と診断された割合が1.28倍でした。歯が1本も残っていない人では、1.54倍と1.40倍です。</p>
  <p>本数との関係は、まっすぐな線で表せる形でした。<strong>歯を1本失うごとに、頭のはたらきが落ちるリスクが0.014ずつ、認知症と診断されるリスクが0.011ずつ上がります。</strong></p>
  <p>ここに、もうひとつの数字があります。入れ歯を使っている人にしぼって計算すると、この結びつきは1.10まで下がり、はっきりした差とはいえない範囲に入りました。</p>
  <p>著者は、失った歯を早めに補うことが、歯を失ったことに関わる頭のはたらきの低下を抑えるかもしれない、と書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：6つのデータベースを2020年3月1日まで検索。メタ分析に入ったのは14研究、34,074人、頭のはたらきが落ちた人4,689人。相対危険度は認知機能の低下で1.48（95%信頼区間 1.18〜1.87）、認知症で1.28（1.09〜1.49）。入れ歯を使っている人では1.10で、統計的に有意ではありません。無歯顎の人では1.54と1.40。用量反応の解析は8研究で、直線モデルが支持されました。根拠の質は中程度と評価されています。研究費はアメリカ国立衛生研究所（1R56AG067619、U01DE027512）から。著者は利益相反はないと申告しています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>集められたのは観察研究で、歯を失ったことが先かどうかは分かりません。</p>
    <p>入れ歯を入れたら下がるかどうかを、実際に確かめた試験ではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Qi X, Zhu Z, Plassman BL, Wu B. <span class="en">Dose-Response Meta-Analysis on Tooth Loss With the Risk of Cognitive Impairment and Dementia.</span> J Am Med Dir Assoc. 2021;22(10):2039–2045.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.jamda.2021.05.009" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.jamda.2021.05.009</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>噛むことと食欲、食べる量、腸のホルモンを調べた研究を集めたもの。空腹感が下がるという結果は出ていますが、出版バイアス（良い結果のほうが論文になりやすい偏り）があり、研究ごとのばらつきも大きいため、外しました（Physiol Behav 2015;151:88–96、<a href="https://doi.org/10.1016/j.physbeh.2015.07.017" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>食べる速さを実験で変えた22の研究を集めたもの。ゆっくり食べたほうが、その場で食べる量が少ないという結果です。本文の4本目と重なるため、外しました（Am J Clin Nutr 2014;100(1):123–151、<a href="https://doi.org/10.3945/ajcn.113.081745" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>埼玉県草加市の8,941人を、2008年から2011年まで追いかけた研究。食べる速さとメタボリックシンドロームの関係を見ています。本文の7本目と重なるため、外しました（J Epidemiol 2015;25(4):332–336、<a href="https://doi.org/10.2188/jea.JE20140131" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>シュガーレスガムと虫歯の関係を調べた12の試験を集めたもの。虫歯の増え方が28%少ないという結果ですが、研究ごとのばらつきが大きく、質も中程度と評価されているため、外しました（JDR Clin Trans Res 2020;5(3):214–223、<a href="https://doi.org/10.1177/2380084419887178" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>福岡県久山町の60歳以上1,566人を5年追いかけた研究。残っている歯の数で4つに分け、認知症になる割合を見ています。本文の9本目と同じ方向の結果で、重なるため外しました（J Am Geriatr Soc 2017;65(5):e95–e100、<a href="https://doi.org/10.1111/jgs.14791" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1823/">噛むことと唾液</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>ブロッコリースプラウトとスルフォラファン</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1819/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 16 Sep 2026 20:19:53 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[スルフォラファン]]></category>
		<category><![CDATA[ピロリ菌]]></category>
		<category><![CDATA[ブロッコリースプラウト]]></category>
		<category><![CDATA[糖尿病]]></category>
		<category><![CDATA[記憶]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://new-asakusa.com/?p=1819</guid>

					<description><![CDATA[<p>ブロッコリースプラウトには、スルフォラファンという成分が入っている。そう言われます。ところが、芽の中を探しても、スルフォラファンそのものは見つかりません。入っているのは、その前の形と、それを切るための酵素。この2つが別々 [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1819/">ブロッコリースプラウトとスルフォラファン</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<!-- 新規投稿の「カスタムHTML」ブロックに、この下を全部貼ります -->
<div class="eiyo">

<p class="lead">ブロッコリースプラウトには、スルフォラファンという成分が入っている。そう言われます。ところが、芽の中を探しても、スルフォラファンそのものは見つかりません。入っているのは、その前の形と、それを切るための酵素。この2つが別々にしまってあって、噛んだときに初めて混ざり、スルフォラファンができます。だから、量の多い食材を選ぶより、酵素を働かせる食べ方をするほうが、結果が大きく変わります。加熱したものでは、中身の量は同じなのに、体に入る量が10分の1でした。はじめに、芽に何がどれだけ入っているのか。つづいて、それが体の中でどうなるのか。そこから、人に食べてもらった試験へ。あわせて8本を読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>発芽3日目の芽は、育ったブロッコリーの10〜100倍のグルコラファニンを含んでいます。スルフォラファンの、ひとつ前の形です。</li>
    <li>ブロッコリー200gを食べた8人では、体に入ったスルフォラファンが、生で37%、加熱で3.4%でした。</li>
    <li>ミロシナーゼという酵素をマスタードの種で足した16人では、体に入る量が2倍になりました。</li>
    <li>ピロリ菌に感染した48人が8週間食べた試験では、菌の量と胃の炎症の目印が下がりました。やめて2か月後には、元に戻っています。</li>
    <li>中国・啓東の291人では、ベンゼンの排泄が61%、アクロレインが23%増えました。</li>
    <li>健康な高齢者144人の試験では、処理の速さと作業記憶の成績が上がっています。</li>
    <li>2型糖尿病では、血糖が下がったという報告と、差が出なかったという報告の両方があります。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそもスルフォラファンとは</h2>

  <p>ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの種を発芽させた、数日の芽です。かいわれ大根に似た形で売られています。</p>

  <p>この芽に、スルフォラファンが入っている。よくそう言われます。ただ、正確にはそうではありません。</p>

  <p>芽の中に入っているのは、グルコラファニンという、ひとつ前の形です。そして別の場所に、ミロシナーゼという酵素が入っています。材料と包丁が、別々の引き出しにしまってある状態です。噛んだり刻んだりして細胞が壊れると、はじめて2つが混ざり、酵素が材料を切って、スルフォラファンができます。</p>

  <p>では、その材料はどれだけ入っているのか。発芽して3日目の芽は、育ったブロッコリーの10〜100倍のグルコラファニンを含んでいました。しかも育った株に多いインドール系の成分が、芽にはほとんど含まれていません。少しの量で、大きな株と同じだけのものが摂れる、という形です。</p>

  <p>つぎに、それが体にとって何なのか。ここが、この成分の変わっているところです。</p>

  <p>スルフォラファンは、体の中を回って自分で何かを片づけるのではありません。体の側のスイッチを入れます。細胞の中にNrf2というたんぱく質があって、ふだんは押さえ込まれています。スルフォラファンが来ると、このNrf2が核へ移り、解毒と抗酸化に関わる遺伝子をまとめて立ち上げる。だから実際に働くのは、スルフォラファンそのものではなく、それによって作られた体の側の酵素です。</p>

  <p>この見方を裏づける実験があります。ピロリ菌に感染させたマウスにブロッコリースプラウトを食べさせると、胃の炎症と萎縮が抑えられました。ところが、nrf2という遺伝子を消したマウスでは、その守りが見られませんでした。スイッチを外すと、働きも消えたことになります。</p>

  <p>人ではどうか。この記事に並ぶ数字を、先に置いておきます。ピロリ菌に感染した48人が8週間食べると、菌の量と胃の炎症の目印が下がりました。大気汚染のある地域の291人では、ベンゼンの排泄が61%、アクロレインが23%増えています。健康な高齢者144人では、処理の速さと作業記憶の成績が上がりました。血糖については、下がったという報告と、差が出なかったという報告の両方があります。</p>

  <p>最後に、いちばん意外なところを。</p>

  <p><strong>加熱すると、中に入っている材料の量は変わらないのに、体に入るスルフォラファンは大きく減ります。</strong>酵素のほうが熱で壊れるからです。ブロッコリー200gを食べた試験では、生で37%、加熱で3.4%。10分の1ほどになっていました。逆に、酵素を外から足してやると、体に入る量は2倍になります。</p>

  <p>つまりこの成分は、「どれだけ入っているか」より「どう食べるか」で、体に届く量が変わります。この記事の前半は、そこの話です。</p>

  <p class="fine">出典：Fahey JW, Zhang Y, Talalay P. <span class="en">Broccoli sprouts: an exceptionally rich source of inducers of enzymes that protect against chemical carcinogens.</span> Proc Natl Acad Sci U S A. 1997;94(19):10367–10372. <a href="https://doi.org/10.1073/pnas.94.19.10367" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1073/pnas.94.19.10367</a>（芽と育った株の比較。研究費はアメリカ国立がん研究所 P01 CA44530 から。全文が無料で読めます）　／　Yanaka A ほか <span class="en">Dietary sulforaphane-rich broccoli sprouts reduce colonization and attenuate gastritis in Helicobacter pylori-infected mice and humans.</span> Cancer Prev Res (Phila). 2009;2(4):353–360. <a href="https://doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-08-0192" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-08-0192</a>（nrf2を欠いたマウスでは守りが見られなかった、という実験）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>発芽3日目の芽は、育った株の10〜100倍のグルコラファニンを含んでいた</h2>
  <p class="hitokoto">まず、芽の中に何がどれだけ入っているのかです。ブロッコリースプラウトが注目されるようになった、出発点の1本になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>1997年・アメリカ</li>
    <li>ブロッコリーとカリフラワーの芽</li>
    <li>発芽3日目</li>
    <li>成分の測定とラットの実験</li>
  </ul>

  <p>アブラナ科の植物には、イソチオシアネートという成分の仲間が、その前の形（グルコシノレート）として蓄えられています。そのうちのひとつが、スルフォラファンです。この研究は、育った株と芽で、どれだけ量が違うのかを測りました。</p>
  <p>発芽3日目の芽には、育った株の10〜100倍のグルコラファニンが入っていました。著者は「予想外に」と書いています。</p>
  <p>もうひとつ、量以外の違いもありました。育った株には、インドール系のグルコシノレートが多く含まれます。この仲間は、分解された先の物質が、かえって腫瘍のできかたを後押ししうる、とされているものです。芽のほうには、それがほとんど含まれていませんでした。</p>
  <p>同じ論文では、ラットの実験も行われています。発がん物質を投与したラットに芽の抽出物を与えると、乳腺の腫瘍ができた割合、できた数、進むはやさが、いずれも小さくなりました。</p>

  <p class="fine">元の数字：発芽3日目の芽のグルコラファニン量は、対応する育った株の10〜100倍。測定は、グルコシノレートがミロシナーゼで分解されないよう、ジメチルスルホキシド・ジメチルホルムアミド・アセトニトリルを等量混ぜた溶媒で、マイナス50度で摩砕する方法。第2相解毒酵素とは、グルタチオントランスフェラーゼ、エポキシドヒドロラーゼ、NAD(P)H:キノン還元酵素、グルクロン酸転移酵素などを指します。研究費はアメリカ国立がん研究所（P01 CA44530）から。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは芽に入っている量で、人が食べたあとに何が起きるかは、この研究の外になります。</p>
    <p>腫瘍の実験はラットで、人での試験ではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Fahey JW, Zhang Y, Talalay P. <span class="en">Broccoli sprouts: an exceptionally rich source of inducers of enzymes that protect against chemical carcinogens.</span> Proc Natl Acad Sci U S A. 1997;94(19):10367–10372.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1073/pnas.94.19.10367" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1073/pnas.94.19.10367</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>ブロッコリー200gを生と加熱で。体に入った量は、37%と3.4%だった</h2>
  <p class="hitokoto">つぎに、それが体の中でどうなるのかです。同じ量を食べても、届く量がこれだけ違う、という試験になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>男性8人</li>
    <li>ブロッコリー200g</li>
    <li>生と加熱を入れかえて</li>
    <li>2008年・オランダ</li>
  </ul>

  <p>男性8人が、砕いたブロッコリー200gを、温かい食事といっしょに食べます。生のときと、加熱したときの両方を、順番をくじ引きで決めて体験しました。ふだんの暮らしのなかで行われています。</p>
  <p>そのあと、血と尿に出てくるスルフォラファンを測りました。体に入った割合は、生で37%、加熱で3.4%です。</p>
  <p>入ってくる速さも違いました。血のなかでいちばん濃くなるまでの時間が、生では1.6時間、加熱では6時間。加熱したほうは、遅れて、少しずつ出てきます。</p>
  <p>出ていく速さのほうは、同じでした。半分に減るまでの時間は、生で2.6時間、加熱で2.4時間です。</p>

  <p class="fine">元の数字：生体利用率は生37%、加熱3.4%（p=0.002）。血中濃度が最高になるまでの時間は生1.6時間、加熱6時間（p=0.001）。排泄半減期は2.6時間と2.4時間（p=0.5）。無作為化した、盲検化なしのクロスオーバー試験です。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>男性8人の試験で、調べたのは育ったブロッコリーであって、芽ではありません。</p>
    <p>体に入る量が多いことと、体に何かが起きることは、別の話になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Vermeulen M ほか <span class="en">Bioavailability and kinetics of sulforaphane in humans after consumption of cooked versus raw broccoli.</span> J Agric Food Chem. 2008;56(22):10505–10509.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1021/jf801989e" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1021/jf801989e</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>酵素をマスタードの種で足した16人。体に入る量が2倍になった</h2>
  <p class="hitokoto">では、壊れてしまった酵素を、外から足したらどうなるのか。ひとつ前の試験の裏返しにあたります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>16人（女性9人・男性7人）</li>
    <li>1回だけ飲んで</li>
    <li>二重盲検・入れかえて</li>
    <li>2026年</li>
  </ul>

  <p>参加した16人が、2つのものを順番に飲みます。ひとつは、ブロッコリーの種から取った抽出物（グルコラファニン入り）だけ。もうひとつは、そこにミロシナーゼを含むマスタードの種の粉を足したもの。どちらにもビタミンCが加えられています。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。</p>
  <p>尿に出てくる代謝物から計算すると、体に入った割合は、酵素を足したほうで39.8%、足さないほうで18.6%でした。2倍です。</p>
  <p>最初の8時間だけで見ると、差はもっと開きます。25.4%と8.0%でした。</p>
  <p>もうひとつ、腸内細菌の話も出てきます。ミロシナーゼと同じような働きをする菌が、腸にいます。1回飲んだだけでは便の菌の顔ぶれは変わりませんでしたが、グルコラファニンを変える働きを持つ4つの菌の遺伝子が、変換の進み方と結びついていました。</p>

  <p class="fine">元の数字：生体利用率は、酵素を足した群39.8±3.1%、足さない群18.6±3.1%。最初の8時間の変換率は25.4±2.7%と8.0±2.7%。グルコラファニンを変換する4つの細菌遺伝子が、変換率と有意に相関（p&lt;0.0155）。研究費は、アメリカ国立科学財団と食品農業研究所のほか、ブロッコリー由来のサプリメントを作っているBrassica Protection Products社からも出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>1回飲んだだけの試験で、続けたときにどうなるかは調べていません。</p>
    <p>使ったのは種の抽出物で、芽をそのまま食べた場合とは別のものです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Mastaloudis A ほか <span class="en">Exogenous myrosinase from mustard seed increases bioavailability of sulforaphane from a glucoraphanin-rich broccoli seed extract in a randomized clinical study.</span> Sci Rep. 2026;16(1):9162.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1038/s41598-026-39389-4" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1038/s41598-026-39389-4</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>ピロリ菌に感染した48人が8週間。菌の量と胃の炎症の目印が下がった</h2>
  <p class="hitokoto">ここから、体に何が起きるかの試験です。日本の研究で、比べる相手にアルファルファもやしを使っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>48人</li>
    <li>1日70g・8週間</li>
    <li>比べた相手はアルファルファもやし</li>
    <li>2009年・日本</li>
  </ul>

  <p>ピロリ菌に感染している48人を、くじ引きで2つに分けました。片方はブロッコリースプラウトを1日70g（スルフォラファンの前の形で420マイクロモル）。もう片方は、同じ重さのアルファルファもやしです。こちらにはスルフォラファンが含まれません。見た目の似た、別のもやしを比べる相手に使っています。</p>
  <p>8週間のあと、尿素呼気試験の値と、便のなかのピロリ菌の抗原が下がりました。どちらも菌がどれだけいるかを表す指標です。血のペプシノゲンIとIIも下がりました。こちらは胃の炎症の目印になります。</p>
  <p>ただし、続きがあります。食べるのをやめて2か月たつと、どの値も元の高さに戻っていました。</p>
  <p>同じ論文には、マウスの実験も入っています。高い塩分の食事をさせてピロリ菌に感染させたマウスで、胃の菌の量が減り、炎症を起こす物質の発現が弱まり、塩分による胃の萎縮が起きませんでした。nrf2という遺伝子を消したマウスでは、この守りが見られていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：ブロッコリースプラウト70g/日（スルフォラファン前駆体420マイクロモル）を8週間。尿素呼気試験、便中ピロリ菌抗原、血清ペプシノゲンIとIIが低下。中止から2か月後に元の水準へ復帰。マウスはC57BL/6の雌、ピロリ菌シドニー株1、7.5%食塩の飼料。nrf2欠損マウスでは、この守りが見られませんでした。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは菌の量と炎症の目印で、除菌できたかどうかや、胃がんが減るかどうかは調べていません。</p>
    <p>48人の試験で、やめれば元に戻ることも示されています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Yanaka A ほか <span class="en">Dietary sulforaphane-rich broccoli sprouts reduce colonization and attenuate gastritis in Helicobacter pylori-infected mice and humans.</span> Cancer Prev Res (Phila). 2009;2(4):353–360.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-08-0192" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-08-0192</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>大気汚染のある地域の291人。ベンゼンの排泄が61%、アクロレインが23%増えた</h2>
  <p class="hitokoto">箱で書いた「体の側のスイッチが入る」という話が、数字として見えている試験です。人数も、この分野ではいちばん多い部類になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>291人</li>
    <li>12週間</li>
    <li>中国・啓東</li>
    <li>2014年</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、長江の河口に近い中国・啓東の何河鎮で暮らす291人です。大気汚染物質にさらされる量が多い地域だ、と論文に書かれています。</p>
  <p>くじ引きで2つに分かれ、片方はブロッコリースプラウトから作った飲みものを毎日飲みます。グルコラファニンが600マイクロモル、スルフォラファンが40マイクロモル。もう片方は偽の飲みものです。</p>
  <p>調べたのは、汚染物質そのものではなく、それが体の中で処理されて尿に出てくる形（メルカプツール酸）の量でした。処理が進めば、出てくる量が増えます。</p>
  <p>飲んだグループでは、ベンゼンから来たものが61%、アクロレインから来たものが23%多く出ていました。クロトンアルデヒドでは差が出ていません。</p>
  <p>もうひとつ。ベンゼンの排泄量は、GSTT1という遺伝子を持っている人のほうが多くなっていました。どちらのグループに割り当てられたかとは関係なく、です。12週間飲み続けても、体に入る量は落ちませんでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：ベンゼンのグルタチオン抱合体の尿中排泄が61%増、アクロレインが23%増（いずれもp≤0.01）。クロトンアルデヒドでは差なし。飲みものはグルコラファニン600マイクロモル、スルフォラファン40マイクロモルを1日ぶんとして12週間。研究費はアメリカ国立環境衛生科学研究所（P01 ES006052、P30 ES003819）から。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは処理されて出てきた量で、病気が減るかどうかは調べていません。</p>
    <p>対象は、大気汚染にさらされる量が多い地域の人たちです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Egner PA ほか <span class="en">Rapid and sustainable detoxication of airborne pollutants by broccoli sprout beverage: results of a randomized clinical trial in China.</span> Cancer Prev Res (Phila). 2014;7(8):813–823.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-14-0103" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1158/1940-6207.CAPR-14-0103</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>健康な高齢者144人。処理の速さと作業記憶の成績が上がった</h2>
  <p class="hitokoto">日本の試験です。脳トレとの組み合わせも同時に調べていて、その分かれ方が面白いところになります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>144人</li>
    <li>12週間</li>
    <li>二重盲検・4つのグループ</li>
    <li>2021年・日本</li>
  </ul>

  <p>健康な高齢者144人を、くじ引きで4つに分けています。脳トレのゲームとスルフォラファン、脳トレと偽のサプリ、対照のゲームとスルフォラファン、対照のゲームと偽のサプリ。ゲームは1日15分、12週間続けました。脳トレには脳年齢を測るゲーム、対照にはテトリスを使っています。</p>
  <p>脳トレをしたグループでは、処理の速さが上がりました。</p>
  <p>スルフォラファンをとったグループでは、処理の速さに加えて、作業記憶の成績も上がっています。偽のサプリのグループでは、そうなっていません。</p>
  <p>一方で、両方を組み合わせたグループでは、上乗せの変化が見られませんでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：144人を2×2の4群に割り付け、12週間。脳トレ群（2群）で処理速度が対照ゲーム群より改善。スルフォラファン群（2群）で処理速度と作業記憶が偽サプリ群より改善。組み合わせによる上乗せの根拠は得られず。研究費は日本学術振興会の科学研究費（15H05366、16KT0002、17H06046）と、東北大学との産学連携によるカゴメ株式会社から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>使ったのはサプリメントで、芽をそのまま食べた場合を調べたものではありません。</p>
    <p>12週間の試験で、成績が上がったことと、暮らしのなかで何か変わることは別の話になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Nouchi R ほか <span class="en">Brain Training and Sulforaphane Intake Interventions Separately Improve Cognitive Performance in Healthy Older Adults, Whereas a Combination of These Interventions Does Not Have More Beneficial Effects.</span> Nutrients. 2021;13(2):352.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/nu13020352" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/nu13020352</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>2型糖尿病の人に濃縮した抽出物。空腹時血糖とHbA1cが下がった</h2>
  <p class="hitokoto">この成分にたどりついた道すじが、少し変わっています。食べものから探したのではなく、遺伝子の並びから逆に探し当てたものです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>肥満をともなう2型糖尿病の人</li>
    <li>濃縮したブロッコリースプラウト抽出物</li>
    <li>2017年・スウェーデン</li>
    <li>動物と細胞の実験つき</li>
  </ul>

  <p>まず、2型糖尿病の人の肝臓で、どの遺伝子がどう動いているかをまとめました。次に、3,800の薬の遺伝子への影響を集めた資料と照らし合わせ、その動き方を逆向きに戻しそうなものを探しています。そこで浮かび上がったのが、スルフォラファンでした。</p>
  <p>細胞の実験では、肝臓の細胞が糖を作り出す働きが抑えられました。NRF2が核へ移り、糖を作る主要な酵素の発現が下がっています。</p>
  <p>糖尿病の動物では、肝臓の遺伝子の動きが元の向きに戻り、行きすぎた糖の産生と、糖の処理の悪さが和らぎました。その大きさは、メトホルミンという薬と同じくらいだった、と書かれています。</p>
  <p>最後に人です。血糖のコントロールがうまくいっていない、肥満をともなう2型糖尿病の人に、濃縮したブロッコリースプラウト抽出物を与えました。空腹時の血糖と、HbA1cが下がっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：肝臓の遺伝子発現から作った疾患の「署名」に対し、3,800の薬剤の署名を照合。細胞ではNRF2の核内移行と糖新生酵素の発現低下。糖尿病モデル動物では、過剰な糖産生と耐糖能異常がメトホルミンと同程度に改善。研究費はクヌート・アリス・ワレンベリ財団、ラグナル・セーデルベリ財団、ノボノルディスク財団、スコーネ地域ALF、ヒェルト財団、スウェーデン戦略研究財団、そしてスウェーデンの農業関連の企業グループ、ラントメンネンの研究財団から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>人で調べた部分は、この論文全体のなかでは最後の一区切りにあたります。</p>
    <p>使ったのは濃縮した抽出物で、芽をそのまま食べた場合とは別のものです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Axelsson AS ほか <span class="en">Sulforaphane reduces hepatic glucose production and improves glucose control in patients with type 2 diabetes.</span> Sci Transl Med. 2017;9(394):eaah4477.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1126/scitranslmed.aah4477" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1126/scitranslmed.aah4477</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>腎臓の働きが落ちた2型糖尿病の99人。血糖にもHbA1cにも差が出なかった</h2>
  <p class="hitokoto">ひとつ前と同じ血糖を、条件を変えてもう一度調べたものです。この記事のなかで、いちばん人数の多い試験になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>99人が参加・91人が完了</li>
    <li>12週間＋その後8週間</li>
    <li>二重盲検・偽薬あり</li>
    <li>2026年・スウェーデン</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、2型糖尿病があり、慢性腎臓病のステージ3bから4にあたる人です。平均年齢は74歳、69%が男性でした。複数の施設で行われています。</p>
  <p>くじ引きで2つに分かれ、片方はブロッコリースプラウトの抽出物を、量を少しずつ増やしながら12週間。もう片方は偽薬です。そのあと8週間は、どちらも何もしません。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。</p>
  <p>13週の時点でも、21週の時点でも、空腹時の血糖、インスリン、HbA1cのいずれにも、2つのグループのあいだに差はありませんでした。</p>
  <p>決められたとおりに続けられた人だけにしぼって計算し直しても、同じでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：99人が組み入れられ、91人が完了。平均年齢74±7歳、69%が男性、平均の推算糸球体濾過量は28±7 mL/分/1.73平方メートル。抽出物は1日最大150マイクロモルまで漸増し、12週間。intention-to-treat解析でもper protocol解析でも、空腹時血糖・インスリン・HbA1cに群間差なし。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>対象は腎臓の働きが落ちた高齢の人たちで、そうでない人に同じことが言えるかは分かりません。</p>
    <p>差が出なかったことと、変化が起きないと確かめられたことは、別のことになります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Avesani CM ほか <span class="en">Broccoli Sprout Extract for Glycemic Management in Patients with Chronic Kidney Disease and Type 2 Diabetes: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial.</span> J Ren Nutr. 2026（オンライン先行）.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1053/j.jrn.2026.08.009" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1053/j.jrn.2026.08.009</a></p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>ブロッコリー200gを、生と蒸したもので比べた12人の試験。尿に出てきた量が、生で32.3%、蒸したもので10.2%と、3倍ほどの差でした。本文の2本目と同じことを調べているため、外しました（Nutr Cancer 2000;38(2):168–178、<a href="https://doi.org/10.1207/S15327914NC382_5" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>同じ中国・啓東で、量を変えて行った試験。飲む量が増えるほどベンゼンの排泄が増える、という形が示されています。本文の5本目と重なるため、外しました（Am J Clin Nutr 2019;110(3):675–684、<a href="https://doi.org/10.1093/ajcn/nqz122" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>自閉スペクトラム症にスルフォラファンを使った試験を集めた解析がいくつかあります。特定の状態のある人が対象で、日々の食べものの話とは枠が違うため、別の記事の材料にします（EXCLI J 2025;24:542–557、<a href="https://doi.org/10.17179/excli2025-8239" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>2型糖尿病の人で、運動とブロッコリーの補給を組み合わせた試験。組み合わせているため、どちらの働きかは分けられません（Nutrients 2025;17(17):2735、<a href="https://doi.org/10.3390/nu17172735" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1819/">ブロッコリースプラウトとスルフォラファン</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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		<item>
		<title>豆乳とイソフラボン</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1800/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 03:46:24 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[イソフラボン]]></category>
		<category><![CDATA[エクオール]]></category>
		<category><![CDATA[コレステロール]]></category>
		<category><![CDATA[乳がん]]></category>
		<category><![CDATA[豆乳]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>大豆のイソフラボンは、女性ホルモンと似たかたちをしています。そして腸の菌によって、もっと強くはたらくエクオールという物質に変わります。このエクオールをつくれる人では、骨の減りが遅く、心臓の血管の石灰化が少なく、メタボリッ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
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<div class="eiyo">

<p class="lead">大豆のイソフラボンは、女性ホルモンと似たかたちをしています。そして腸の菌によって、もっと強くはたらくエクオールという物質に変わります。このエクオールをつくれる人では、骨の減りが遅く、心臓の血管の石灰化が少なく、メタボリックシンドロームも少ない、という研究が並んでいます。ところが、つくれる人とつくれない人がいます。同じ豆乳を飲んでも、体の中でできあがるものが違うのです。誰がつくれるのか。つくれると何が違うのか。そこから、牛乳を豆乳に置きかえた試験、FDAが集め直した46試験、そして日本で何万人も追いかけた調査へ。8本を順に読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>日本人が1日にとっている大豆イソフラボンは30mgほど。その9割は、豆腐・味噌・納豆・油揚げの4つから来ています。</li>
    <li>日本人女性58人を調べた研究では、イソフラボンからエクオールをつくれていた人は22%でした。つくる菌は97%の人にいます。</li>
    <li>日本人男性272人の調査では、つくれる人で、心臓の血管の石灰化が少なくなっていました。食べたイソフラボンの量では差が出ていません。</li>
    <li>日本人女性1,345人の調査では、つくれる人で、メタボリックシンドロームが少なくなっていました。</li>
    <li>牛乳を豆乳に置きかえた17試験では、悪玉コレステロールと血圧と炎症の目印が低い値でした。</li>
    <li>FDAが挙げた46試験を計算し直すと、大豆たんぱくで悪玉コレステロールが3〜4%低くなっていました。</li>
    <li>閉経期の女性の10試験を集めた解析では、背骨の骨密度が高い値でした。</li>
    <li>日本の21,852人の女性の調査では、イソフラボンをよくとる人で、乳がんになった人が少なくなっていました。</li>
    <li>日本の40,462人の調査では、女性で、脳梗塞と心筋梗塞になった人が少なくなっていました。男性では差が出ていません。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそもイソフラボンとエクオールとは</h2>
  <p>豆乳は、水につけた大豆をすりつぶし、煮て搾ったものです。搾りかすがおからになります。</p>
  <p>大豆に入っている成分のうち、いちばん長く調べられてきたのがイソフラボンです。植物がつくる成分で、女性ホルモン（エストロゲン）と似たかたちをしており、体の中で同じ受け皿（受容体）にはまります。植物性エストロゲンと呼ばれるのは、そのためです。</p>
  <p>女性ホルモンは、閉経の前後で減っていきます。骨や血管など、いろいろなところが、その影響を受けます。もし食べものからとった成分が、その受け皿に弱くでもはまるなら、何か違いが出るのだろうか。大豆をよく食べてきた日本で研究が積み重ねられてきたのは、この問いがあったからです。</p>
  <p>ところが、話には続きがあります。イソフラボンのうちダイゼインという種類は、腸の菌によって、エクオールという別の物質に変わります。このエクオールのほうが、もとのダイゼインよりも強く、女性ホルモンの受け皿にはまります。同じ量の大豆を食べても、エクオールまで変えられた人のほうが、強い信号が体に届く、ということになります。</p>
  <p>では、エクオールがあると、体にとって何がいいのか。いまのところ、4つのことが分かっています。</p>
  <p>ひとつめは骨です。閉経したばかりの日本人女性54人に、イソフラボンか偽物を1年間とってもらった二重盲検の試験があります。骨が減る速さは、エクオールをつくれる人で1年に0.46%、つくれない人で2.28%でした。同じイソフラボンをとっても、骨の減り方が5倍ちがう。偽物をとったグループでは、つくれる人とつくれない人のあいだに差はありませんでした。</p>
  <p>ふたつめは心臓の血管です。日本人男性272人を調べた研究では、つくれる人で、心臓の血管の石灰化がある割合が10分の1でした。食べたイソフラボンの量では、差が出ていません。これは2本目で読みます。</p>
  <p>みっつめは体全体の代謝です。日本人女性1,345人の健診では、つくれる人でメタボリックシンドロームがある割合が6.6%、つくれない人で10.9%でした。3本目で読みます。</p>
  <p>よっつめは更年期のほてりです。つくれない人にエクオールそのものを飲んでもらった試験を5本集めた解析で、ほてりの点数が下がっています。自分でつくれなくても、外から入れれば届く、ということのようです。</p>
  <p>そして、エクオールは口から入るものではありません。自分の腸でつくるものです。だから同じ豆乳を飲んでも、エクオールができる人と、できない人がいます。この記事の1本目から3本目は、その話です。誰がつくれるのか。つくれると、何が違うのか。</p>
  <p>量の話もしておきます。日本人が1日にとっているイソフラボンを食事記録から調べた研究では、ダイゼインが12.1mg、ゲニステインが19.6mg。合わせて30mgほどでした。そしてその9割が、たった4つの食品から来ています。豆腐、味噌、納豆、油揚げです。日によって食べるものが変わるため、同じ人のなかでも日ごとのばらつきは9割近くありました。</p>
  <p>形も食品によって違います。市販の大豆食品29種類を測った研究では、発酵させた食品に、糖の外れた形（アグリコン）が多く見つかりました。発酵させていない食品では逆に、糖のついた形（配糖体）が多くなっています。加工の進んだ大豆食品になると、丸大豆の6〜20%しかイソフラボンが残っていません。</p>
  <p class="fine">出典：Ishimi Y. <span class="en">Dietary equol and bone metabolism in postmenopausal Japanese women and osteoporotic mice.</span> J Nutr. 2010;140(7):1373S–1376S. <a href="https://doi.org/10.3945/jn.110.124842" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/jn.110.124842</a>（受容体への結合と、骨の話。閉経early期の日本人女性54人の1年間の二重盲検試験で、イソフラボン群の全股関節の骨密度の年変化がエクオール産生者−0.46%、非産生者−2.28%。大転子間は−0.04%と−2.61%。プラセボ群では産生者と非産生者に差なし）　／　Daily JW ほか <span class="en">Equol Decreases Hot Flashes in Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials.</span> J Med Food. 2019;22(2):127–139. <a href="https://doi.org/10.1089/jmf.2018.4265" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1089/jmf.2018.4265</a>（ほてりの話。6研究779人から5研究728人で解析。うち2研究では有意な差が出ていません）　／Wakai K ほか <span class="en">Dietary intake and sources of isoflavones among Japanese.</span> Nutr Cancer. 1999;33(2):139–145. <a href="https://doi.org/10.1207/S15327914NC330204" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1207/S15327914NC330204</a>（日本人の摂取量）　／　Wang H, Murphy PA. <span class="en">Isoflavone content in commercial soybean foods.</span> J Agric Food Chem. 1994;42(8):1666–1673. <a href="https://doi.org/10.1021/jf00044a016" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1021/jf00044a016</a>（食品ごとの形の違い）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>イソフラボンからエクオールをつくれていた人は、5人に1人だった</h2>
  <p class="hitokoto">まず、豆乳に入っているものが、体の中でどうなるかの話です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>閉経後の日本人女性58人</li>
    <li>48〜69歳</li>
    <li>便の菌と尿を測定</li>
    <li>2019年</li>
  </ul>

  <p>仙台の医療センターに通う48〜69歳の日本人女性58人が参加しました。ふだん何を食べているかを、いまと昔の両方について書いてもらっています。そのうえで便の菌を調べ、尿のエクオールを測り、一定量を超えた人を「つくれる人」としました。</p>
  <p>エクオールをつくる菌は、58人のうち56人（97%）から見つかりました。ところが、実際につくれていたのは13人（22%）だけです。</p>
  <p>大豆のイソフラボンのうちダイゼインは、腸の菌によってエクオールという物質に変わります。論文では、はたらきのある代謝物と説明されています。菌がいるだけでは足りず、その菌がどれだけ働いているかで決まる、という形です。</p>
  <p>つくれる人は、腸の菌の種類が多く、ふだん食べているものも違っていました。肉、魚、大豆、野菜、和菓子をよく食べる人で、菌の種類の多さとエクオールづくりに、よい向きの関係が見られています。ラーメンをよく食べる人と、たばこを吸う人では、逆の向きでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：58人のうち、エクオールをつくる菌が見つかったのは56人（97%）、尿のエクオールが1.0マイクロモルを超えていたのは13人（22%）。つくれる人は腸内細菌の多様性が高い（p=0.002）。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>58人を一度だけ調べたもので、食べ方を変えたらどうなるかは調べていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Inter-relationship between diet, lifestyle habits, gut microflora, and the equol-producer phenotype: baseline findings from a placebo-controlled intervention trial.</span> Menopause. 2019;26(3):273–285.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1097/GME.0000000000001202" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1097/GME.0000000000001202</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>つくれる人とつくれない人を比べて。男性で、心臓の血管の石灰化が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">では、つくれると何がいいのか。ここがいちばん知りたいところだと思います。</p>
  <ul class="facts">
    <li>日本人男性272人</li>
    <li>40〜49歳</li>
    <li>血液のエクオールとCT</li>
    <li>2004〜2007年</li>
  </ul>

  <p>40〜49歳の日本人男性272人について、血液のイソフラボンとエクオール、それにCTで測った冠動脈の石灰化を調べています。冠動脈の石灰化は、心臓の血管に動脈硬化が進んでいるかどうかの目印です。血液のエクオールが一定量を超えた人を「つくれる人」としました。</p>
  <p>つくれる人は272人のうち16.0%でした。石灰化があった人は9.6%。年齢や喫煙などの影響を差し引くと、つくれる人で石灰化がある割合は、つくれない人の0.10倍になっています。</p>
  <p>ここが肝心なところです。食べているイソフラボンの量と石灰化のあいだには、はっきりした関係が出ていません。どれだけ食べたかではなく、エクオールに変えられるかどうかのほうに、差が出ています。</p>
  <p>著者は、イソフラボンが動脈硬化を防ぐ働きの鍵は、エクオールかもしれない、と述べています。そのうえで、もっと大きな研究や試験で確かめる必要がある、とも書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：272人のうち、エクオールをつくれる人が16.0%、冠動脈の石灰化がある人が9.6%。多変量で調整したあと、つくれる人で石灰化があるオッズ比は0.10（95%信頼区間 0.01〜0.90、p&lt;0.04）。食べているイソフラボンの量と石灰化には、有意な関係なし。つくれる人の定義は、血清エクオール83ナノモル/L超。石灰化ありの定義は冠動脈カルシウムスコア10以上。研究費はアメリカ国立心肺血液研究所から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>一度だけ測った横断的な調査で、272人と多くなく、信頼区間の幅も広い結果です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Significant inverse association of equol-producer status with coronary artery calcification but not dietary isoflavones in healthy Japanese men.</span> Br J Nutr. 2017;117(2):260–266.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1017/S000711451600458X" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1017/S000711451600458X</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>1,345人の女性で。つくれる人のほうが、メタボリックシンドロームが少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">女性でも、同じように調べた研究があります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>日本人女性1,345人</li>
    <li>50〜69歳</li>
    <li>福島県の健診</li>
    <li>2018〜2021年</li>
  </ul>

  <p>福島県の4つの健診センターで、2018年2月から2021年11月に健診を受けた50〜69歳の女性1,345人を調べています。尿のエクオールが一定量以上の人を「つくれる人」としました。</p>
  <p>つくれる人は1,345人のうち378人、28.1%でした。メタボリックシンドロームがあった人の割合は、つくれる人で6.6%、つくれない人で10.9%です。</p>
  <p>年齢と運動量の影響を差し引くと、つくれる人のオッズ比は0.60でした。</p>

  <p class="fine">元の数字：1,345人のうち378人（28.1%）がエクオールをつくれる人。メタボリックシンドロームの割合は6.6%対10.9%。年齢、運動、身体活動、速歩で調整したオッズ比は0.60（95%信頼区間 0.38〜0.95）。つくれる人の定義は、尿中エクオール1.0マイクロモル/L以上。メタボリックシンドロームは日本の診断基準によります。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>一度だけ測った横断的な調査で、どちらが先かは分かりません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Association between equol production and metabolic syndrome in Japanese women in their 50s-60s.</span> Menopause. 2022;29(10):1196–1199.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1097/GME.0000000000002052" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1097/GME.0000000000002052</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>牛乳を豆乳に置きかえて。悪玉コレステロールと血圧と炎症の目印が、低い値だった</h2>
  <p class="hitokoto">豆乳の研究のなかで、いちばん知りたいところだと思います。牛乳をやめて豆乳にしたら、どうなるのか。</p>
  <ul class="facts">
    <li>17試験・504人</li>
    <li>1日500mL</li>
    <li>牛乳500mLと入れかえ</li>
    <li>3週間以上</li>
  </ul>

  <p>集めたのは、大人に3週間以上、豆乳と牛乳を同じカロリーで比べてもらったくじ引き試験17本、504人ぶんです。豆乳は1日500mL（大豆たんぱく22g）で、同じ量の牛乳（乳たんぱく24g）と入れかえています。</p>
  <p>悪玉コレステロールと、それを含む脂質の指標が低い値でした。上の血圧は8.00mmHg、下の血圧は4.74mmHgほど低く、体のなかの炎症を映すCRPも低い値です。</p>
  <p>甘みをつけた豆乳と、つけていない豆乳で分けても、意味のある違いは出ていません。</p>
  <p>善玉コレステロールはわずかに高い値でした。血糖の指標、体重、腎臓、尿酸、肝臓については、差が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：牛乳と入れかえたとき、non-HDLコレステロールが−0.26mmol/L（95%信頼区間 −0.43〜−0.10）、上の血圧が−8.00mmHg（−14.89〜−1.11）、下の血圧が−4.74mmHg（−9.17〜−0.31）、LDLコレステロールが−0.19mmol/L（−0.29〜−0.09）、CRPが−0.82mg/L（−1.26〜−0.37）、HDLコレステロールが+0.05mmol/L（0.00〜0.09）。確からしさは、LDLとnon-HDLが高い、血圧とCRPとHDLが中くらいと評価されています。研究費はアメリカの大豆生産者団体（ユナイテッド・ソイビーン・ボード）とカナダ保健研究機構から出ています。著者の1人は、同団体などから資金を受ける大豆栄養の研究機関に雇用されていたと申告し、ほかにも複数の著者が食品会社や業界団体との関係を申告しています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>17試験を合わせても504人で、血圧の信頼区間の幅も広い解析です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">A systematic review and meta-analysis of randomized trials of substituting soymilk for cow's milk and intermediate cardiometabolic outcomes.</span> BMC Med. 2024;22(1):336.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1186/s12916-024-03524-7" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1186/s12916-024-03524-7</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>FDAが挙げた46試験を計算し直して。悪玉コレステロールが3〜4%低かった</h2>
  <p class="hitokoto">アメリカのFDAが、大豆たんぱくの心臓の健康表示を取り消そうとしました。その根拠になった46試験を、別の研究者が集め直したものです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>46試験（43試験で計算）</li>
    <li>大豆たんぱく1日25g</li>
    <li>期間の中央値6週間</li>
    <li>2019年</li>
  </ul>

  <p>FDAが挙げた46試験のうち、数字のそろった43試験を計算し直しています。参加したのは、悪玉コレステロールが110〜201mg/dLの大人。大豆たんぱくを1日25g（中央値）、6週間（中央値）とった場合と、大豆以外のたんぱくをとった場合を比べています。</p>
  <p>悪玉コレステロールは4.76mg/dL、総コレステロールは6.41mg/dL低い値でした。割合にすると3〜4%です。43試験のうち4分の3ほどで、下がる向きの結果が出ています。</p>
  <p>量を増やせば増えるという関係は、見られていません。</p>
  <p>この論文には、集めた43試験それぞれの資金源も書かれています。企業と公的機関の両方から出ていたものが16件、企業だけが12件、公的機関だけが8件、資金の記載がないものが7件でした。</p>

  <p class="fine">元の数字：悪玉コレステロールが−4.76mg/dL（95%信頼区間 −6.71〜−2.80、p&lt;0.0001、I二乗値55%）、総コレステロールが−6.41mg/dL（−9.30〜−3.52、p&lt;0.0001、I二乗値74%）。個々の試験の幅は−0.77〜−58.60mg/dL。研究費はカナダ保健研究機構から出ています。著者8名は利益相反なしと申告し、ほかの著者は食品会社や業界団体（大豆食品協会をふくむ）からの研究費・講演料・物品の提供を、長い一覧で申告しています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>研究ごとのばらつきが大きい解析です（I二乗値55〜74%）。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">A Meta-Analysis of 46 Studies Identified by the FDA Demonstrates that Soy Protein Decreases Circulating LDL and Total Cholesterol Concentrations in Adults.</span> J Nutr. 2019;149(6):968–981.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/jn/nxz020" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/jn/nxz020</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>閉経期の女性の10試験を集めて。背骨の骨密度が高かった</h2>
  <p class="hitokoto">ここから、女性で差がはっきり出る話が続きます。</p>
  <ul class="facts">
    <li>10試験・608人</li>
    <li>閉経期の女性</li>
    <li>イソフラボンをとる・とらない</li>
    <li>2008年</li>
  </ul>

  <p>閉経期の女性を対象に、イソフラボンをとる群ととらない群をくじ引きで分けた試験10本、608人ぶんを集めています。調べたのは背骨の骨密度です。</p>
  <p>背骨の骨密度は、とった群のほうが1平方センチあたり20.6mg高い値でした。</p>
  <p>1日90mgより多くとった試験にしぼると28.5mg、6か月続けた試験にしぼると27mgと、どちらも大きくなっています。一方で、骨のミネラルの量そのものは、差があるかないかの境目でした。</p>

  <p class="fine">元の数字：背骨の骨密度が+20.6mg/cm²（95%信頼区間 4.5〜36.6）。1日90mgを超える試験では+28.5mg/cm²（8.4〜48.6）、6か月の試験では+27mg/cm²（8.3〜45.8）。骨塩量は+0.93g（−0.37〜2.24）で境目。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>骨密度を調べたもので、骨折が減るかどうかは調べていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Soy isoflavone intake increases bone mineral density in the spine of menopausal women: meta-analysis of randomized controlled trials.</span> Clin Nutr. 2008;27(1):57–64.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.clnu.2007.10.012" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.clnu.2007.10.012</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>日本の21,852人の女性を追いかけて。イソフラボンをよくとる人で、乳がんになった人が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">ここからは、日本での追跡調査が2つ続きます。</p>
  <ul class="facts">
    <li>21,852人</li>
    <li>40〜59歳</li>
    <li>1990年から1999年</li>
    <li>乳がん179人</li>
  </ul>

  <p>1990年に、40〜59歳の日本人女性21,852人が、大豆をどれくらい食べるかを書いています。1999年12月まで、延べ209,354人年を追いかけ、そのあいだに乳がんと診断された179人を数えました。</p>
  <p>イソフラボンの摂取量がいちばん多い4分の1のグループでは、いちばん少ないグループと比べて0.46でした。段階的に下がる形も見えています。</p>
  <p>みそ汁を飲む頻度でも、同じ向きの関係が出ていました。閉経後の女性のほうが、はっきりしています。</p>
  <p>一方で、大豆食品そのものの量では、はっきりした関係は出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：イソフラボン摂取量の4分位で、いちばん少ない群と比べて、2番目0.76（95%信頼区間 0.47〜1.2）、3番目0.90（0.56〜1.5）、いちばん多い群0.46（0.25〜0.84）、傾向のp=0.043。閉経後の女性では傾向のp=0.006。生活歴や家族歴、喫煙、ほかの食べものの影響を差し引いても、関係は大きく変わっていません。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>食べているものを本人の申告で集めた調査です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Soy, isoflavones, and breast cancer risk in Japan.</span> J Natl Cancer Inst. 2003;95(12):906–913.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/jnci/95.12.906" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/jnci/95.12.906</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>日本の40,462人を追いかけて。女性で、脳梗塞と心筋梗塞になった人が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">最後は、日本のいちばん大きな追跡です。ここで、男女の差がはっきり出ます。</p>
  <ul class="facts">
    <li>40,462人</li>
    <li>40〜59歳</li>
    <li>1990-92年から2002年</li>
    <li>脳梗塞587人・心筋梗塞308人</li>
  </ul>

  <p>心臓や血管の病気もがんもない40〜59歳の40,462人が、1990年から1992年に、食べているものを書いています。2002年まで、延べ503,998人年を追いかけました。そのあいだに脳梗塞が587人、心筋梗塞が308人です。</p>
  <p>女性では、大豆を週5回以上食べる人が、週0〜2回の人と比べて、脳梗塞が0.64、心臓や血管の病気で亡くなる人が0.31でした。イソフラボンの量がいちばん多い5分の1のグループでは、脳梗塞が0.35、心筋梗塞が0.37です。</p>
  <p>この関係は、閉経後の女性でとくにはっきりしていました。</p>
  <p>男性では、大豆でも、みそ汁でも、豆でも、イソフラボンでも、はっきりした関係は出ていません。</p>
  <p>ただし2本目では、同じ男性でも、エクオールをつくれるかどうかで分けると差が出ていました。食べた量ではなく、体の中で何ができるか。この記事は、そこに戻ってきます。</p>

  <p class="fine">元の数字：女性で、大豆を週5回以上と週0〜2回の比較が、脳梗塞0.64（95%信頼区間 0.43〜0.95）、心筋梗塞0.55（0.26〜1.09）、心血管の病気による死亡0.31（0.13〜0.74）。イソフラボンの5分位で最高と最低の比較が、脳梗塞0.35（0.21〜0.59）、心筋梗塞0.37（0.14〜0.98）、心血管の病気による死亡0.87（0.29〜2.52）。男性では、いずれも有意な関係なし。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>食べているものを最初に一度書いてもらった調査で、そのあとの食べ方の変化は追っていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Association of dietary intake of soy, beans, and isoflavones with risk of cerebral and myocardial infarctions in Japanese populations: the Japan Public Health Center-based (JPHC) study cohort I.</span> Circulation. 2007;116(22):2553–2562.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.106.683755" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.106.683755</a></p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>日本の4,165人を5年追いかけた血圧の調査。納豆やみそなど発酵させた大豆をよくとる人では、血圧が高くなった人が少なくなっていました。一方、豆腐など発酵させていない大豆では、差が出ていません（J Nutr 2017、<a href="https://doi.org/10.3945/jn.117.250282" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>中年期にゲニステイン（イソフラボンの一種）を多くとっていた人のほうが、あとの認知機能の低下が多かった、という日本の調査（J Epidemiol 2023、<a href="https://doi.org/10.2188/jea.JE20210199" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>更年期の症状をまとめた11試験の解析。ほてりには差が出ておらず、研究ごとのばらつきも非常に大きい解析でした（Nutr Res Pract 2022、<a href="https://doi.org/10.4162/nrp.2022.16.S1.S147" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>日本の男性5人で、豆乳・豆腐・煮豆・納豆からのイソフラボンの吸収を比べた研究。人数が少なく、はっきりした差にはなっていません（日本栄養・食糧学会誌 2015、<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/68/1/68_25/_article" rel="noopener" target="_blank">J-STAGE</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1800/">豆乳とイソフラボン</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>ヨーグルトと体</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1798/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 02:01:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[ヨーグルト]]></category>
		<category><![CDATA[糖尿病]]></category>
		<category><![CDATA[肝臓]]></category>
		<category><![CDATA[腸]]></category>
		<category><![CDATA[血圧]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ヨーグルトを食べてもおなかが平気なのは、乳糖が減っているからだと思われがちです。ところが調べてみると、乳糖はほとんど減っていません。効いているのは、生きている菌のほうでした。ヨーグルトの論文で面白いのは、そこを確かめるた [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1798/">ヨーグルトと体</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
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<div class="eiyo">

<p class="lead">ヨーグルトを食べてもおなかが平気なのは、乳糖が減っているからだと思われがちです。ところが調べてみると、乳糖はほとんど減っていません。効いているのは、生きている菌のほうでした。ヨーグルトの論文で面白いのは、そこを確かめるための「比べた相手」の作り方です。牛乳と比べる。加熱して菌を止めたヨーグルトと比べる。乳酸を足して、酸っぱさだけをそろえた乳飲料と比べる。短い試験から、何十年も追いかけた調査へ。6本を順に読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>菌を止めたヨーグルトと比べた24人の試験では、乳糖が消化されずに残る量が少なくなりました。</li>
    <li>日本の女子学生45人の試験では、便のなかのビフィズス菌が、酸っぱさをそろえた乳飲料の群より多くなりました。</li>
    <li>牛乳と比べた100人の試験では、24週間で肝臓の脂肪とインスリンの効きにくさが下がりました。</li>
    <li>194,458人を追いかけた調査では、乳製品のなかでヨーグルトだけが、糖尿病と逆を向いていました。</li>
    <li>184,178人の調査では、週5回以上食べる人で、血圧が高くなった人が16%少なくなっていました。</li>
    <li>896,871人ぶんの調査を集めた解析では、亡くなった人が全体で7%、心臓と血管の病気で11%少なくなっていました。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそもヨーグルトとは</h2>
  <p>ヨーグルトは、牛乳に菌を入れて発酵させたものです。菌が糖の一部を乳酸に変えるので、酸っぱくなり、たんぱく質が固まってとろりとします。</p>
  <p>牛乳に入っている糖は、乳糖（にゅうとう）といいます。これを分解する酵素をラクターゼといい、赤ちゃんのころは誰でもたくさん持っていますが、大人になると減る人がいます。酵素が足りないと、乳糖は分解されないまま大腸まで届きます。そこで腸の菌が分解し、ガスが出る。おなかがゴロゴロしたり、下したりするのは、これが理由です。</p>
  <p>ここで意外なことがあります。ヨーグルトになっても、乳糖はほとんど減っていません。牛乳と発酵乳の糖を測ったスウェーデンの調査では、ヨーグルトに残っている量は、牛乳の94〜95%でした。乳糖が減っているから平気、という話ではなかったのです。</p>
  <p>では、なぜ平気なのか。菌が、乳糖を分解する酵素を自分の中に抱えたまま、胃を通り抜けるからです。酵素は菌の細胞に守られ、ヨーグルト自体が胃の酸をやわらげる働きもして、胃の中を生き延びます。小腸に入ると酸が弱まり、通り抜ける速さもゆっくりなので、そこで酵素が働きはじめます。市販のヨーグルトには、1mLあたり1億個ほどの菌が入っています。</p>
  <p>つまり、ヨーグルトの正体は「菌が生きたまま入っている牛乳」です。この記事の1本目と2本目は、まさにそこを確かめた試験になっています。菌を止めたヨーグルトと比べたら、どうか。発酵していない、酸っぱいだけの乳飲料と比べたら、どうか。</p>
  <p>体にとって何がいいのか、も並べておきます。この記事で読む試験では、乳糖が消化されずに残る量が少なくなり、便のなかのビフィズス菌が増えました。牛乳と比べた24週間の試験では、肝臓の脂肪とインスリンの効きにくさが下がっています。</p>
  <p>何十年も追いかけた調査のほうでは、2型糖尿病になった人が1日1食分あたり17%少なくなっていました。血圧が高くなった人は16%少なく、亡くなった人は全体で7%、心臓や血管の病気では11%少なくなっています。</p>
  <p class="fine">出典：Ohlsson JA ほか <span class="en">Lactose, glucose and galactose content in milk, fermented milk and lactose-free milk products.</span> Int Dairy J. 2017;73:151–154. <a href="https://doi.org/10.1016/j.idairyj.2017.06.004" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.idairyj.2017.06.004</a>（ヨーグルトに残っている糖の量。ヨーグルトの総ガラクトース量は100gあたり2.3〜2.4gで牛乳の94〜95%、スウェーデンの発酵乳とケフィアは1.9〜2.0gで75〜79%。研究費はスウェーデン農業科学大学から）　／　Savaiano DA. <span class="en">Lactose digestion from yogurt: mechanism and relevance.</span> Am J Clin Nutr. 2014;99(5 Suppl):1251S–1255S. <a href="https://doi.org/10.3945/ajcn.113.073023" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/ajcn.113.073023</a>（消化のしくみ。菌のラクターゼが胃の酸を生き延び、小腸で働くこと。ブルガリア菌とサーモフィラス菌が1mLあたり1億個ほど含まれること。味つきのヨーグルトでは酵素の働きがやや落ちるが、それでも十分に耐えられると書かれています）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">順番で振り分けた試験</span>
  <h2>菌を止めたヨーグルトと比べて。乳糖が消化されずに残る量が、少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">ヨーグルトが牛乳と違うのは、菌が生きているからなのか。それを確かめるために、菌を止めたヨーグルトを相手にした試験です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>24人・15日ずつ</li>
    <li>1日500g</li>
    <li>生きた菌あり・なし</li>
    <li>2000年</li>
  </ul>

  <p>健康な男性24人に、ヨーグルトを1日500g、15日間食べてもらいました。片方は菌が生きているもの、片方は加熱して菌を止めたもの。同じ人が、15日の間をあけて両方を食べています。24人のうち半分は、乳糖をうまく消化できない人でした。</p>
  <p>乳糖をうまく消化できない人では、菌が生きているヨーグルトのあとのほうが、息に出てくる水素が少なくなりました。乳糖が消化されずに大腸まで届くと、そこの菌が分解して水素が出ます。その水素は血に溶けて肺から出てくるので、息を測ると、消化されずに残った量が分かります。</p>
  <p>乳糖を消化できる人では、血液のなかの酪酸が、菌が生きているヨーグルトのあとで高い値でした。酪酸は腸の菌がつくる短い脂肪酸で、大腸の細胞のエネルギー源になります。</p>
  <p>一方で、血糖、インスリン、中性脂肪、コレステロールは、どちらのヨーグルトでも変わっていません。15日で動いたのは、腸のあたりまででした。</p>

  <p class="fine">元の数字：乳糖をうまく消化できない人で、息の水素が、菌の生きたヨーグルトのあとのほうが低い値（p&lt;0.01）。乳糖を消化できる人で、血中の酪酸が高い値（p&lt;0.03）、プロピオン酸は高い傾向（p=0.059）。空腹時の血糖・インスリン・脂肪酸・中性脂肪・コレステロールと、500gを食べたあとの曲線下面積は、いずれも差なし。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>15日ずつを2回、24人の試験です。長く続けたときのことは、この試験の外になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Chronic consumption of fresh but not heated yogurt improves breath-hydrogen status and short-chain fatty acid profiles: a controlled study in healthy men with or without lactose maldigestion.</span> Am J Clin Nutr. 2000;72(6):1474–1479.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/ajcn/72.6.1474" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/ajcn/72.6.1474</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">日本語</span>
  <h2>酸っぱさだけをそろえた乳飲料と比べて。便のなかのビフィズス菌が、多かった</h2>
  <p class="hitokoto">1本目と同じ狙いの試験が、日本にもあります。今度は、発酵しているかどうかだけを変えています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>女子学生45人</li>
    <li>1日100mL・4週間</li>
    <li>菌を足していないプレーン</li>
    <li>二重盲検</li>
  </ul>

  <p>女子学生62人をくじ引きで2つに分け、1日100mLを4週間続けてもらいました。比べた相手が、この試験の見どころです。ヨーグルトと同じ乳の成分でつくった飲みものに乳酸を足して、ヨーグルトと同じ酸っぱさにそろえたもの。発酵していない、菌のいない「酸っぱい乳」です。</p>
  <p>4週間のあと、便のなかの生きたビフィズス菌の数は、酸っぱい乳の群よりヨーグルトの群のほうが高い値でした。同じ乳の成分で、同じ酸っぱさ。違うのは、発酵しているかどうかだけです。</p>
  <p>使ったのは、あとから菌を足していない、プレーンのブルガリアヨーグルトです。おなかの調子が悪い人や抗生物質を使った人は、あらかじめ除いています。最後まで残った45人（ヨーグルト20人、酸っぱい乳25人）で計算しました。</p>

  <p class="fine">元の数字：ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験。摂取前に2週間、摂取4週間、摂取後に2週間を置き、2週間ごとに便の菌を調べています。4週間の時点で、糞便中のビフィズス菌の生菌数が、酸乳の群より有意に高い値でした。著者には、昭和女子大学大学院生活機構研究科と、株式会社明治食機能科学研究所に所属する人が含まれています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>調べているのは便のなかの菌の数で、おなかの調子そのものではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：「ブルガリアヨーグルト摂取による糞便中ビフィズス菌の増加作用を検証するプラセボ対照二重盲検比較試験」栄養学雑誌 2013;71(4):171–184.<br>
  <a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/71/4/71_171/_article" rel="noopener" target="_blank">jstage.jst.go.jp</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>牛乳と比べて。24週間で、肝臓の脂肪とインスリンの効きにくさが下がった</h2>
  <p class="hitokoto">ここから期間が長くなります。比べた相手は、今度は牛乳です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>100人・24週間</li>
    <li>1日220g</li>
    <li>ヨーグルトか牛乳</li>
    <li>肝臓に脂肪のある女性</li>
  </ul>

  <p>中国の、肝臓に脂肪がたまっていて、メタボリックシンドロームもある36〜66歳の女性100人が参加しました。くじ引きで2つに分け、片方は1日220gのヨーグルト、片方は同じ量の牛乳を24週間。最後まで続いたのは、ヨーグルト48人、牛乳44人です。</p>
  <p>牛乳の群と比べて、ヨーグルトの群では、インスリンの効きにくさを表す指標が下がりました。空腹時のインスリンも、ブドウ糖を飲んで2時間後のインスリンも低い値です。</p>
  <p>肝臓のなかの脂肪の割合も、3.44ポイントぶん低くなっていました。肝臓の状態を映す血液の指標も低い値です。肝臓の脂肪は、それぞれの群から選んだ20人ずつで測っています。</p>
  <p>腸から血液に漏れ出た菌の膜の成分を表す指標も、低い値でした。腸の菌の並びも変わっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：牛乳と比べて、インスリン抵抗性の指標が−0.53（95%信頼区間 −1.03〜−0.02）、空腹時インスリンが−2.77mU/L（−4.91〜−0.63）、2時間後のインスリンが−25.5mU/L（−33.0〜−17.9）、ALTが−4.65U/L（−8.67〜−0.64）、肝臓の脂肪が−3.44%（−6.19〜−0.68）、肝脂肪率が−3.48%（−6.34〜−0.63）、血中のLPSが−0.31EU/mL（−0.48〜−0.14）。研究費は中国の国家自然科学基金と黒竜江省の研究基金から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>参加したのは、肝臓に脂肪のある中国の肥満の女性だけです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Yogurt improves insulin resistance and liver fat in obese women with nonalcoholic fatty liver disease and metabolic syndrome: a randomized controlled trial.</span> Am J Clin Nutr. 2019;109(6):1611–1619.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/ajcn/nqy358" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/ajcn/nqy358</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">集めたもの</span>
  <h2>194,458人を追いかけて。乳製品のなかで、ヨーグルトだけが糖尿病と逆を向いていた</h2>
  <p class="hitokoto">ここからは、食べさせる試験ではなく、ふだんの食事を何十年も記録してもらった調査になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>194,458人</li>
    <li>20〜30年</li>
    <li>2型糖尿病15,156人</li>
    <li>アメリカ</li>
  </ul>

  <p>アメリカの大きな調査を3つ合わせたものです。男性41,436人を1986年から2010年まで、女性67,138人を1980年から2010年まで追いかけました。もうひとつ、別の女性85,884人を1991年から2009年まで。4年ごとに食べているものを書いてもらい、そのあいだに2型糖尿病になった15,156人を数えています。</p>
  <p>乳製品全体では、差が出ていません。1日1食分増えたときの比は0.99。低脂肪のものも、高脂肪のものも同じでした。</p>
  <p>ヨーグルトだけが違いました。1日1食分増えるごとに0.83。3つの調査すべてで同じ向きです。ほかの14の調査を足した459,790人の計算でも、0.82でした。</p>
  <p>同じ乳からつくられていても、ヨーグルトのところだけ数字が動いている。この調査が見せているのは、その形です。</p>

  <p class="fine">元の数字：1日1食分あたりの比は、乳製品全体が0.99（95%信頼区間 0.98〜1.01）、ヨーグルトが0.83（0.75〜0.92、傾向のp&lt;0.001）。14の前向き調査・459,790人・35,863人の発症を集めた解析では、乳製品全体が0.98（0.96〜1.01）、ヨーグルトが0.82（0.70〜0.96）。追跡は延べ3,984,203人年。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>食べているものを本人の申告で集めた調査で、加糖のヨーグルトと無糖のヨーグルトは分けていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Dairy consumption and risk of type 2 diabetes: 3 cohorts of US adults and an updated meta-analysis.</span> BMC Med. 2014;12:215.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1186/s12916-014-0215-1" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1186/s12916-014-0215-1</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>184,178人を追いかけて。週5回以上食べる人で、血圧が高くなった人が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">ひとつ前と同じ集団を、今度は血圧のほうから見ています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>184,178人</li>
    <li>最長30年</li>
    <li>週5回以上と月1回未満</li>
    <li>アメリカ</li>
  </ul>

  <p>比べたのは、週に5回以上ヨーグルトを食べる人と、月に1回も食べない人です。追いかけた長さは、集団によって最長で30年、20年、24年になります。</p>
  <p>3つを合わせると、週5回以上の人のほうが、血圧が高くなった人が16%少なくなっていました。女性の2つの調査では、19%と17%です。</p>
  <p>男性の調査では6%で、はっきりした差にはなっていません。</p>
  <p>野菜と果物を増やす食べ方（DASH）の点数が高く、そのうえでヨーグルトもよく食べる人では、30%少なくなっていました。</p>

  <p class="fine">元の数字：週5回以上と月1回未満の比較で、女性の2つの調査が19%（95%信頼区間 0.75〜0.87）と17%（0.77〜0.90）、男性の調査が6%（0.83〜1.07）。3つを合わせると16%（0.80〜0.88）。乳製品全体16%、牛乳12%、チーズ6%。体重の影響を差し引くと、乳製品13%・ヨーグルト10%・牛乳8%・チーズ8%。DASHの点数が高くヨーグルトも多い人は30%（0.66〜0.75）。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>血圧が高くなったことを本人の報告で数えた調査で、加糖と無糖は分けていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Long-term yogurt consumption and risk of incident hypertension in adults.</span> J Hypertens. 2018;36(8):1671–1679.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1097/HJH.0000000000001737" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1097/HJH.0000000000001737</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">集めたもの</span>
  <h2>896,871人ぶんの調査を集めて。亡くなった人が全体で7%、心臓と血管の病気で11%少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">最後は、いちばん大きな集まりです。ここで、量の話が出てきます。</p>
  <ul class="facts">
    <li>17の調査・896,871人</li>
    <li>亡くなった人75,791人</li>
    <li>2022年8月まで</li>
    <li>2023年</li>
  </ul>

  <p>ヨーグルトをよく食べる人と、あまり食べない人を比べた前向きの調査を17本集めています。あわせて896,871人。そのあいだに亡くなったのは75,791人で、うち心臓や血管の病気が14,623人、がんが20,554人です。</p>
  <p>よく食べる人のほうが、亡くなった人が全体で7%、心臓や血管の病気で11%少なくなっていました。がんによる死亡には、差が出ていません。</p>
  <p>1日1食分増えるごとに見ても、同じ向きです。全体で7%、心臓や血管の病気で14%。</p>
  <p>ただし、この関係は途中で横ばいになります。1日半食分より多く食べても、そこから先は下がっていません。たくさん食べるほど、という形にはなっていないということです。</p>

  <p class="fine">元の数字：よく食べる人とあまり食べない人の比較で、総死亡が0.93（95%信頼区間 0.89〜0.98、I二乗値47.3%、12件）、心血管の死亡が0.89（0.81〜0.98、33.2%、11件）、がんの死亡が0.96（0.89〜1.03、26.5%、12件）。1日1食分あたりでは、総死亡が0.93（0.86〜0.99）、心血管の死亡が0.86（0.77〜0.99）。1日0.5食分より多いところでは、それ以上の低下は見られていません。研究費はイランのタブリーズ医科大学内分泌研究センターから出ています。利益相反はないと申告されています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>観察研究を集めたもので、加糖と無糖は分けていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Yogurt consumption and risk of mortality from all causes, CVD and cancer: a comprehensive systematic review and dose-response meta-analysis of cohort studies.</span> Public Health Nutr. 2023;26(6):1196–1209.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1017/S1368980022002385" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1017/S1368980022002385</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>食事の前にヨーグルトを食べた120人の試験。食後の体のなかの炎症の目印は下がりましたが、体で感じる変化を調べたものではないため、外しました。研究費はアメリカの全米酪農評議会から出ています（J Nutr 2018、<a href="https://doi.org/10.1093/jn/nxy046" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>骨のこと。12の観察研究を集めた解析で、股関節の骨折にも骨密度にも差が出ていません（Front Nutr 2025、<a href="https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1660505" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>大腸がんの解析。よく食べる人で少ないという結果ですが、思い出して答える形の研究が混ざっているため、外しました（Front Nutr 2021、<a href="https://doi.org/10.3389/fnut.2021.789006" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>日本の若い人32人が4週間食べた研究。比べる相手のグループがなく、食後の血糖の曲線にも差が出ていません（Nutrients 2018、<a href="https://doi.org/10.3390/nu10121834" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1798/">ヨーグルトと体</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>ブルーベリーと血管</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1796/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 09 Sep 2026 07:10:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[インスリン]]></category>
		<category><![CDATA[ブルーベリー]]></category>
		<category><![CDATA[血圧]]></category>
		<category><![CDATA[血管]]></category>
		<category><![CDATA[記憶]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://new-asakusa.com/?p=1796</guid>

					<description><![CDATA[<p>ブルーベリーの青紫は、アントシアニンという色素の色です。人を対象にした試験でいちばんはっきりしているのは、この色素をとると、血管がよく広がるようになる、という変化でした。血管のひろがりは、この先に心臓や血管の出来事が起こ [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1796/">ブルーベリーと血管</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<!-- 1796「ブルーベリーと血管」の本文を、この下で丸ごと置きかえます -->
<!-- タイトル・カテゴリー・タグはそのままで大丈夫です -->
<div class="eiyo">

<p class="lead">ブルーベリーの青紫は、アントシアニンという色素の色です。人を対象にした試験でいちばんはっきりしているのは、この色素をとると、血管がよく広がるようになる、という変化でした。血管のひろがりは、この先に心臓や血管の出来事が起こるかどうかと結びついている数字です。はじめに、そもそも何がどれだけ入っているのか。つづいて、それが体の中でどうなるのか。そこから、カップ半分から1杯ぶんを毎日食べてもらい、見た目も味も同じにそろえた偽物と比べる試験へ。集まった結果を並べると、はっきり差が出るところと、まったく出ないところが、きれいに分かれます。その分かれ方が見えるところまで、8本を順に読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>生の実100gあたりのアントシアニンは、栽培種で387mg、野生種で487mg。いちごは21mg、りんごは12mg、バナナやみかんは0mgです。</li>
    <li>6つの品種と野生種を測った研究では、入っている成分の量が品種によって違いました。有機栽培のものは、アントシアニンが少なく、クロロゲン酸が多くなっています。</li>
    <li>印をつけたアントシアニンを追いかけた研究では、思われていたよりも多くが体をめぐり、48時間たっても残っていました。</li>
    <li>健康な人の14試験・632人を集めると、血管のひろがりに差が出ました。血圧と頭のはたらきには出ていません。</li>
    <li>血管にしぼって集め直した解析では、血管のひろがりに加えて、下の血圧にも差が出ました。</li>
    <li>1日1カップを6か月続けた115人でも、血管のひろがりと動脈のしなやかさに差が出ました。半カップでは出ていません。</li>
    <li>脂っこい食事にブルーベリーを足した45人では、3時間後のインスリンが半分以下でした。</li>
    <li>スムージーを1日2回、6週間飲んだ32人では、インスリンの効きに差が出ました。</li>
    <li>記憶が下がりはじめた513人を集めた解析では、出来事を思い出す力に差が出ました。健康な人では出なかったところです。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそもアントシアニンとは</h2>
  <p>ブルーベリーの青紫は、アントシアニンという色素の色です。植物がつくるポリフェノールの一種で、赤や紫や青の実の色は、たいていこの仲間によるものです。</p>
  <p>よく食べる果物と並べて量を測ると、この色素の多さがはっきりします。生の実100gあたりのアントシアニンは、大粒の栽培種（ハイブッシュ）が387mg、小粒の野生種（ローブッシュ）が487mg。ブラックベリーが245mg、さくらんぼが122mg、ラズベリーが92mg、いちごが21mg、りんごが赤い皮つきで12mg。バナナ、みかん、キウイ、メロン、すいかは0mgです。</p>
  <p>同じブルーベリーのなかでも幅があります。栽培種80系統と野生種135系統を調べたところ、その9割が1.6倍の幅のなかに収まっていました。</p>
  <p>では、体にとって何がいいのか。人を対象にした試験でいちばんはっきりしているのは、血管です。</p>
  <p>血管の内側は、内皮という薄い膜でおおわれています。ここが元気だと、血が必要なときに、血管がふわりと広がります。衰えると、広がりにくくなる。腕の血流をいったん止めて、はなしたときにどれだけ広がるかを測れば、その元気さが分かります。血流依存性血管拡張反応、短くFMDと呼ばれる測り方です。</p>
  <p>この数字が大事なのは、先のことと結びついているからです。35の研究、17,280人を集めた解析では、FMDが1%大きい人ほど、心臓や血管の出来事が起こる割合が12%少なくなっていました。指先で測るやり方でも、同じような関係が出ています。</p>
  <p>この記事に出てくるブルーベリーの数字は、1.11%、1.45%、1.50%です。</p>
  <p>血管のほかにも、食べたあとの血糖とインスリン、そして記憶について調べた試験があります。ブルーベリーにはアントシアニンのほかにも多くのファイトケミカルが含まれます。そのなかで健康への働きにいちばん大きく関わっているのは、おそらくアントシアニンだろう、と総説は述べています。</p>
  <p>観察研究では、ふだんからほどほどに食べている人で、心臓と血管の病気、死亡、2型糖尿病が少ないことが示されています。体重が保たれやすいこと、神経が守られやすいことも、同じように結びついています。人での試験による裏づけも出てきていますが、まだ足りない、というのが著者たちの立場です。</p>
  <p>そのうえで、熟しておいしいブルーベリーをふだんから食べることは無条件に勧められる、という点では広く意見が一致している、と締めくくっています。</p>
  <p class="fine">出典：Kalt W ほか <span class="en">Recent Research on the Health Benefits of Blueberries and Their Anthocyanins.</span> Adv Nutr. 2020;11(2):224–236. <a href="https://doi.org/10.1093/advances/nmz065" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/advances/nmz065</a>（成分の量と、観察研究の並び。全文が無料で読めます）　アメリカのハイブッシュブルーベリー協会が、著者それぞれに謝金を出しています。同協会は、この総説の設計と実施には関わっていないと書かれています。著者のうち3名は利益相反なし、1名は同協会の助成委員会の顧問で研究費も受けており、4名が同協会から研究費を受けています。同協会は、アメリカ農務省が設けた農業の研究・広報の団体で、ブルーベリーの生産者・加工業者・輸入業者が資金を出し、農務省の独立した監督のもとで運営され、製品そのものは売っていない、と説明されています。　／　Matsuzawa Y ほか <span class="en">Prognostic Value of Flow-Mediated Vasodilation in Brachial Artery and Fingertip Artery for Cardiovascular Events: A Systematic Review and Meta-Analysis.</span> J Am Heart Assoc. 2015;4(11):e002270. <a href="https://doi.org/10.1161/JAHA.115.002270" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1161/JAHA.115.002270</a>（FMDと将来の出来事の関係。35試験17,280人でFMDが1%大きいと相対危険0.88［0.84〜0.91］、指先の指標でも0.1増えると0.79［0.71〜0.87］。研究ごとのばらつきは大きいと書かれています。研究費はアメリカ国立衛生研究所から。全文が無料で読めます）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>6つの品種と野生種を測って。入っているものが、品種によって違った</h2>
  <p class="hitokoto">「ブルーベリー」とひとくくりにはできない、ということが分かる研究です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>栽培種6品種と野生種1つ</li>
    <li>アントシアニン・フラバノール・クロロゲン酸</li>
    <li>イギリス</li>
    <li>2012年</li>
  </ul>

  <p>大粒の栽培種（ハイブッシュ）6品種と、小粒の野生種（ローブッシュ）1つについて、3つの成分の量を測っています。青紫の色をつくるアントシアニン、渋みのもとになるフラバノール、そしてクロロゲン酸です。</p>
  <p>アントシアニンから糖を外した形（アントシアニジン）で測ると、中心はデルフィニジンとマルビジンの2つでした。生の実100gあたり、デルフィニジンが45.0〜74.9mg、マルビジンが37.1〜62.2mg。品種のあいだで、1.5倍ほどの幅があります。</p>
  <p>クロロゲン酸がいちばん多かったのは、小粒の野生種でした。フラバノールは、二量体という形のものがいちばん多く、全体の24%ほどを占めています。</p>
  <p>有機栽培で育てたものは、フラバノールとクロロゲン酸がいちばん多い値でした。一方でアントシアニンは、同じ品種を慣行栽培で育てたものより少なくなっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：生の実100gあたり、デルフィニジンが45.0〜74.9mg、マルビジンが37.1〜62.2mg。フラバノールは二量体が全体の24±1.5%、単量体が11±0.7%。アントシアニンが多かったのはBluecrop、O'Neal、Bluejay、Brigittaの4品種。フラバノールが多かったのはBluejayと、有機栽培のBrigitta。クロロゲン酸がいちばん多かったのは野生種（ローブッシュ）。研究費は英国の生物工学・生物科学研究会議から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは実に入っている量で、人が食べたあとに何が起きるかは、この研究の外になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Procyanidin, anthocyanin, and chlorogenic acid contents of highbush and lowbush blueberries.</span> J Agric Food Chem. 2012;60(23):5772–5778.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1021/jf203812w" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1021/jf203812w</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">1グループを追った研究</span>
  <h2>印をつけたアントシアニンを飲んで48時間。思われていたよりも多くが、体をめぐっていた</h2>
  <p class="hitokoto">つぎに、その色の成分が、体の中でどうなるのかです。ここが分かると、あとの6本の読み方が変わります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>男性8人</li>
    <li>48時間</li>
    <li>炭素13で印をつけた</li>
    <li>2013年</li>
  </ul>

  <p>アントシアニンは、ブルーベリーの青紫の色をつくっている成分です。食べてもほとんど吸収されない、と長いあいだ思われてきました。血のなかを探しても、ごくわずかしか見つからなかったからです。</p>
  <p>この研究では、アントシアニンの1種類（シアニジン3-グルコシド）に、重い炭素（炭素13）で印をつけました。男性8人が500mgを飲み、48時間にわたって、尿と便、そして吐く息まで集めています。印がついているので、飲んだものが体のどこへ行ったかを追いかけられます。</p>
  <p>印のついた炭素の12%ほどが、体をめぐっていました。ほとんど吸収されないという、それまでの見方よりも、ずっと多い値です。</p>
  <p>血のなかでいちばん濃くなったのは、飲んでからおよそ10時間後でした。しかもその中身は、飲んだアントシアニンそのものではなく、そこから作られた別の物質（フェノール酸など）です。半分に減るまでの時間は12〜52時間と幅があり、48時間たっても残っていました。</p>
  <p>ブルーベリーを食べたあと、体の中をめぐっているのは、色の成分そのものではありません。そこから生まれた物質のほうです。しかもそれが、2日近く残っています。</p>

  <p class="fine">元の数字：男性8人が、炭素13で印をつけたシアニジン3-グルコシド500mgを摂取。尿・息・便で回収できたのは43.9±25.9%（範囲15.1〜99.3%）。相対的な生物学的利用能は12.38±1.38%（尿5.37±0.67%、息6.91±1.59%）。印のついた代謝物が血中で最も濃くなったのは10.25±4.14時間後で、最高5.97±2.14マイクロモル/L。半減期は12.44±4.22〜51.62±22.55時間。代謝物はフェノール酸、馬尿酸、フェニル酢酸、フェニルプロペン酸など。臨床試験登録はNCT01106729。研究費は英国の生物工学・生物科学研究会議から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>調べたのはアントシアニンのうち1種類で、ブルーベリーにいちばん多い種類ではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Human metabolism and elimination of the anthocyanin, cyanidin-3-glucoside: a 13C-tracer study.</span> Am J Clin Nutr. 2013;97(5):995–1003.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3945/ajcn.112.049247" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/ajcn.112.049247</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>健康な人の14試験を集めて。血管のひろがりに差が出て、血圧と頭のはたらきには出なかった</h2>
  <p class="hitokoto">ここからは、実際に食べてもらった試験です。まず、いま分かっていることの地図から。健康な人だけにしぼって集めています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>14試験・632人</li>
    <li>健康な人</li>
    <li>くじ引き試験のみ</li>
    <li>2026年</li>
  </ul>

  <p>集めたのは、ブルーベリーをとるグループととらないグループを、くじ引きで分けた試験です。14本、632人ぶん。ばらばらに行われた試験の結果を、ひとつの数字にまとめ直しています。</p>
  <p>差が出たのは、血管のひろがり（FMD）でした。その数字が1.11ほど大きい値になっています。研究どうしのばらつきも小さめです。</p>
  <p>一方で、上の血圧も下の血圧も動いていません。頭の切りかえの速さを見る指標（実行機能）も、気分も、差は出ませんでした。</p>
  <p>健康な人では、血管に差が出て、頭のはたらきには届かない。この解析はそういう並びになっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：血流依存性血管拡張反応が1.11%（95%信頼区間 0.50〜1.72、ばらつきを表すI二乗値23%）。上の血圧は−0.11mmHg（−2.82〜2.60）、下の血圧は−0.46mmHg（−2.80〜1.87）、実行機能は効果の大きさ0.21（−0.05〜0.46）、気分は1.67（−1.35〜4.69）。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>集めた試験は、ブルーベリーの量も種類も期間も参加者の年齢もばらばらだ、と論文自身が限界に挙げています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Blueberry consumption enhances vascular function but not cognitive abilities in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis.</span> Nutr Res. 2026;149:162–177.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.nutres.2026.03.007" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.nutres.2026.03.007</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">集めたもの</span>
  <h2>血管にしぼって集め直して。血管のひろがりと、下の血圧に差が出た</h2>
  <p class="hitokoto">別のグループが、血管の話だけを取り出して集め直しています。ひとつ前は健康な人だけ、こちらは大人全般です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>16の研究（うち11で計算）</li>
    <li>大人</li>
    <li>喫煙者だけの解析あり</li>
    <li>2024年</li>
  </ul>

  <p>調べているのは、血管の内側をおおう膜（内皮）のはたらきです。ブルーベリーをとる研究を16本集め、数字のそろった11本で計算しています。何をどう集めるかを、始める前に登録したうえでの解析です。</p>
  <p>血管のひろがりは1.50ほど大きく、指先の血流の戻りやすさを表す数字も高い値でした。下の血圧は2.20mmHgほど低くなっています。</p>
  <p>たばこを吸う人だけを取り出すと、上の血圧も3.92mmHgほど低い値でした。全体では、上の血圧に差は出ていません。コレステロールも、善玉・悪玉ともに変わっていません。</p>
  <p>ひとつ前では血管のひろがりだけでしたが、こちらでは下の血圧まで動いています。同じ血管の話でも、集めた相手が違う解析です。</p>

  <p class="fine">元の数字：血流依存性血管拡張反応が1.50%（95%信頼区間 0.81〜2.20、I二乗値87%）、反応性充血指数が0.26（0.09〜0.42、I二乗値72%）、下の血圧が−2.20mmHg（−4.13〜−0.27、I二乗値11%）。喫煙者では上の血圧−3.92mmHg（−6.88〜−0.97）。上の血圧は全体で−1.43mmHg（−3.11〜0.26）、HDLは0.06（−0.04〜0.16）、LDLは0.05（−0.14〜0.24）。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>血管のひろがりについては、研究ごとのばらつきが大きい解析です（I二乗値87%）。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Effect of blueberry intervention on endothelial function: a systematic review and meta-analysis.</span> Front Physiol. 2024;15:1368892.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3389/fphys.2024.1368892" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3389/fphys.2024.1368892</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>1日1カップを6か月。115人で、血管のひろがりと動脈のしなやかさに差が出た</h2>
  <p class="hitokoto">ここまでは集めた解析でした。ここからは1本の試験です。ブルーベリーの試験としては、いちばん長く続けたものになります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>115人・6か月</li>
    <li>1カップと半カップ</li>
    <li>平均63歳・メタボリックシンドローム</li>
    <li>二重盲検</li>
  </ul>

  <p>115人を、1日1カップ（生で150g）ぶん、半カップ（75g）ぶん、偽物の3つに分けています。ブルーベリーは凍結乾燥した粉にして小袋に詰め、見た目も味も同じ偽物と並べました。配る側も受け取る側も、どれが本物かは知りません。</p>
  <p>1カップのグループでは、血管のひろがりを表す数字が1.45ほど大きく、動脈の硬さを表す数字も低い値になりました。コレステロールを下げる薬を使っていない71人では、善玉コレステロールも高い値です。</p>
  <p>半カップのグループでは、どの指標にも差が出ていません。同じものを、量を半分にしたときの結果です。</p>
  <p>インスリン抵抗性、脈の波の速さ、血圧は、1カップのグループでも変わっていません。袋を回収して数えた、続けられた割合は94.1%でした。</p>

  <p class="fine">元の数字：血流依存性血管拡張反応が+1.45%（95%信頼区間 0.83〜2.1、p=0.003）、動脈の硬さの指標が−2.24%（−3.97〜−0.61、p=0.04）。スタチンを使っていない71人で、善玉コレステロール+0.08mmol/L（p=0.03）など。1カップぶんには364mg、半カップぶんには182mgのアントシアニンが入っています。研究費はアメリカのハイブッシュブルーベリー協会から、アメリカ農務省の監督と英国の生物工学・生物科学研究会議とともに出ています。著者2名は同協会の助成委員会の顧問を務めていると申告しています。資金提供者は、研究の設計、データの収集と解析、解釈、執筆に関わっていないと書かれています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>参加者は白人が多く、男性も多い集団のため、ほかの人に当てはまるかは分からない、と論文自身が書いています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Blueberries improve biomarkers of cardiometabolic function in participants with metabolic syndrome—results from a 6-month, double-blind, randomized controlled trial.</span> Am J Clin Nutr. 2019;109(6):1535–1545.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/ajcn/nqy380" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/ajcn/nqy380</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>脂っこい食事といっしょに。3時間後のインスリンが、半分以下だった</h2>
  <p class="hitokoto">ここで話が変わります。毎日続けるのではなく、重い食事に一度だけ足すとどうなるか、を見た試験です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>45人・24時間</li>
    <li>969キロカロリーの食事に足す</li>
    <li>平均63歳・メタボリックシンドローム</li>
    <li>二重盲検</li>
  </ul>

  <p>飲んでもらったのは、969キロカロリー、脂質64.5g、糖質84.5gという重い飲みものです。そこに凍結乾燥のブルーベリー26g（生で150g、1カップぶん）を足すか、同じカロリーの偽物を足すかで、45人を分けました。そのあと24時間、血液を追いかけています。</p>
  <p>3時間後のインスリンは、ブルーベリーのほうが23.4、偽物のほうが52.9でした。半分以下です。血糖も、3時間後には低い値になっています。</p>
  <p>ただし1時間後は逆で、ブルーベリーのほうが血糖は高くなっていました。上がってから、早く下りてくる形です。</p>
  <p>善玉コレステロールとその大きい粒も、90分後と3時間後に高い値でした。悪玉コレステロールと中性脂肪は変わっていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：3時間後のインスリンは23.4pmol/L（95%信頼区間 15.4〜31.3）対52.9pmol/L（41.0〜64.8）、p=0.0001。3時間後の血糖は4.3mmol/L（3.8〜4.8）対5.1mmol/L（4.6〜5.6）、p=0.03。1時間後の血糖は8.2mmol/L（7.7〜8.8）対6.9mmol/L（6.4〜7.4）、p=0.001。研究費はアメリカ農務省、アメリカのハイブッシュブルーベリー協会、英国の生物工学・生物科学研究会議から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>1回の食事のあと24時間を見たものです。毎日続けたときにどうなるかは、この試験の外になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Blueberry anthocyanin intake attenuates the postprandial cardiometabolic effect of an energy-dense food challenge: results from a double blind, randomized controlled trial in metabolic syndrome participants.</span> Clin Nutr. 2022;41(1):165–176.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.clnu.2021.11.030" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.clnu.2021.11.030</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>スムージーを1日2回、6週間。インスリンの効きに差が出た</h2>
  <p class="hitokoto">ひとつ前は、食べたあとの数時間の動きでした。こちらは、インスリンの効きそのものを測っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>32人・6週間</li>
    <li>1日2回のスムージー</li>
    <li>肥満・インスリンが効きにくい状態</li>
    <li>二重盲検</li>
  </ul>

  <p>32人を2つに分けています。片方はブルーベリーの成分22.5gを入れたスムージー、もう片方は同じ栄養価でブルーベリーだけ入っていないスムージー。それを1日2回、6週間飲んでもらいました。両方のグループとも、スムージーのぶんだけふだんの食事を減らして、体重が変わらないようにしています。</p>
  <p>インスリンの効きの変化は、ブルーベリーのグループで1.7、もう片方で0.4でした。血管にインスリンとブドウ糖を流しこんで、どれだけ処理できるかを直に測るやり方（クランプ法）での数字です。</p>
  <p>体重、食べた量、炎症の指標は、どちらのグループでも変わっていません。参加したのは、肥満があり、糖尿病ではないが、インスリンが効きにくい状態の人です。</p>

  <p class="fine">元の数字：インスリン感受性の変化は1.7±0.5対0.4±0.4（除脂肪体重1kgあたり1分あたりのmg、p=0.04）。ブルーベリー群15人、偽物の群17人。測り方は高用量の高インスリン正常血糖クランプ法です。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>32人の6週間の試験で、糖尿病のある人は含まれていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Bioactives in blueberries improve insulin sensitivity in obese, insulin-resistant men and women.</span> J Nutr. 2010;140(10):1764–1768.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3945/jn.110.125336" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3945/jn.110.125336</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>記憶が下がりはじめた513人を集めて。出来事を思い出す力に差が出た</h2>
  <p class="hitokoto">最後に、3本目で差が出なかった頭のはたらきに戻ります。相手を、すでに記憶が下がりはじめている人に変えた解析です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>9試験・513人</li>
    <li>軽度認知障害・自覚的な物忘れ</li>
    <li>くじ引き試験のみ</li>
    <li>2025年</li>
  </ul>

  <p>集めたのは、ブルーベリーを続けてとる試験9本、513人ぶんです。参加者は、軽度認知障害と診断された高齢者か、自分で物忘れを感じている高齢者にしぼられています。</p>
  <p>差が出たのは、出来事を思い出す力（エピソード記憶）でした。効果の大きさは0.34で、小さめにあたります。軽度認知障害のある人では、言葉の記憶にも差が出ています。</p>
  <p>一方で、処理の速さ、見たものを思い出す力、空間の学習、作業記憶には差が出ていません。記憶のなかでも、動いた場所と動かなかった場所が分かれています。</p>
  <p>3本目の健康な人では、頭のはたらきに差は出ていませんでした。同じ果物でも、誰を相手にした試験かで、出る場所が変わっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：エピソード記憶の効果の大きさ0.34（95%信頼区間 0.11〜0.57）、軽度認知障害での言語記憶0.30（0.01〜0.60）。差が出なかったのは、処理速度−0.33（−0.85〜0.19）、再認記憶0.14（−0.17〜0.46）、視空間学習0.32（−0.16〜0.79）、作業記憶0.09（−0.21〜0.39）。効果の大きさ0.34は、ばらつきを1としたときの差が0.34ということです。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>結果を確かめるには、もっと多くの施設での試験が必要である、と論文自身が書いています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Blueberries for brainpower: a systematic review and meta-analysis with Bayesian post hoc analysis of RCTs exploring cognitive function in the elderly with prior cognitive decline.</span> Biogerontology. 2025;26(5):171.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1007/s10522-025-10308-w" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1007/s10522-025-10308-w</a></p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>血圧を調べた解析。ブルーベリーとクランベリーをまとめて扱っているため、ブルーベリーだけの話として読みにくく、外しました（Phytother Res 2024、<a href="https://doi.org/10.1002/ptr.8069" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>メタボリックシンドロームの44人が6週間とった試験。指先の血流の戻りやすさは良くなりましたが、血圧とインスリンの効きには差が出ていません（Nutrients 2015、<a href="https://doi.org/10.3390/nu7064107" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>健康な人の頭のはたらきと気分について、11の論文（12の研究）を並べたレビュー。3本目の解析と重なるため、外しました（Brain Behav Immun 2020、<a href="https://doi.org/10.1016/j.bbi.2019.04.001" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>走る運動とブルーベリーを組み合わせた26人の探索的な研究。ブルーベリーをとったグループのほうが、空腹時の血糖は上がっていました。人数が少なく、探索のための研究とされています（Ups J Med Sci 2013、<a href="https://doi.org/10.3109/03009734.2013.825348" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1796/">ブルーベリーと血管</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>水と体</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1790/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 08 Sep 2026 08:27:47 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[体重]]></category>
		<category><![CDATA[水]]></category>
		<category><![CDATA[腎結石]]></category>
		<category><![CDATA[膀胱炎]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://new-asakusa.com/?p=1790</guid>

					<description><![CDATA[<p>水をたくさん飲むといい。そう言われます。ただ、なぜそれがいいのかを数字で見たものは、あまり出回っていません。ここ数年で、その景色が少し変わりました。血が濃いか、薄いか。健康診断の血液検査のなかに、その人の水の足り方を映し [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1790/">水と体</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
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<div class="eiyo">

<p class="lead">水をたくさん飲むといい。そう言われます。ただ、なぜそれがいいのかを数字で見たものは、あまり出回っていません。ここ数年で、その景色が少し変わりました。血が濃いか、薄いか。健康診断の血液検査のなかに、その人の水の足り方を映している数字があると分かってきたからです。しかも、検査で「異常なし」と書かれる範囲の中での、わずかな違いでした。はじめに、水を増やしてもらった試験を6本。そのあとに、その血液の数字を25年から30年追いかけた研究を3本。あわせて9本を読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>日本の55人が1日の水分を1.3リットルから2.0リットルに増やした12週間の試験では、上の血圧が123.8から117.4に下がりました。</li>
    <li>水を増やす試験を18本集めたレビューでは、体重の減り方と、腎結石の少なさに、はっきりした差が出ていました。</li>
    <li>腎結石を経験した199人を5年追った試験では、再発した人が100人あたり12人。水を増やさなかったグループでは27人でした。</li>
    <li>膀胱炎をくり返す140人が1年間、水を1.5リットル増やしたところ、膀胱炎の回数が平均1.7回。増やさなかったグループでは3.2回でした。</li>
    <li>食事の前に500mLの水を飲んだ48人では、12週間で減った体重が2kgほど多い値でした。</li>
    <li>頭痛のある102人が3か月、水を1.5リットル増やしたところ、「かなり良くなった」と答えた人が47%。増やさなかったグループでは25%でした。</li>
    <li>中年期に血が少しだけ濃いほうだった人では、25年のあいだに心不全になった人が39%多くなっていました。</li>
    <li>同じ見方で、認知症になった人の割合も上がっています。いちばん濃いほうで1.5倍から3倍。40万人の診療記録でも同じ形でした。</li>
    <li>体が実年齢より古く見える人は1.5倍。慢性の病気になった人が39%、若くして亡くなった人が21%多い値でした。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそも体の水とは</h2>
  <p>体重のうち、水が占める割合は、年齢とともに減っていきます。生まれて半年までは60%。60歳になると、男性で50%、女性で42%です。脂肪は水をあまり含まないので、体脂肪の割合が高いほど、水の割合は下がります。</p>

  <p>その水は、じっとしているわけではありません。毎日、入っては出ていきます。体の水のうち、1日に入れ替わる割合は、生まれたばかりの赤ちゃんで28%、18〜40歳の大人で10%ほどです。</p>

  <p>入ってくるのは、飲みものだけではありません。食べもの、呼吸で吸いこむ空気の中の水蒸気、皮膚から入るぶん、そして、食べたものを体の中で燃やしたときにできる水。この4つが足されます。</p>

  <p>そのため、1日に入れ替わる量は人によって大きく違います。5,604人を重い水素で追いかけた調査を見ると、少ない人で1日1〜1.5リットル、多い人で6リットルでした。外れた人では10リットルを超えています。年齢、体の大きさ、体脂肪の割合、運動量、気温、湿度、標高、住んでいる国。どれもがこの量に関わっています。妊娠の終わりごろには1日670mL、授乳中には260mL増えます。</p>

  <p>つまり、「1日に何リットル」と一律に決められるものではない、ということです。</p>

  <p>では、自分の体が足りているかどうかは、どこを見れば分かるのか。ここからが、この記事の後半につながる話になります。</p>

  <p>手がかりになるのは、「血が濃いか、薄いか」です。</p>

  <p>みそ汁を火にかけたまま忘れると、味が濃くなります。味噌の量は増えていません。水のほうが減ったから、濃くなります。</p>

  <p>血にも、同じことが起きます。血のなかには、塩の成分（ナトリウム）がとけています。体の水が減ると、その塩の量は変わらないのに、濃さのほうが上がります。<strong>だから、血のナトリウムの値は「塩をどれだけ食べたか」ではなく、「体に水がどれだけあるか」を映す数字になります。</strong>ここは、名前から受ける感じと逆かもしれません。</p>

  <p>体は、この濃さをとても狭い範囲に保とうとします。理由があります。細胞は、薄い膜でできた水のふくろのようなものです。ふくろの外の液が濃くなると、中の水が外へ引き出されてしまう。だから体は、濃さのほうを先に守ります。</p>

  <p>健康診断の血液検査にも、この数字は入っています。単位はmmol/L。血1リットルのなかにどれだけとけているかを表したもので、大きいほど濃いという意味です。<strong>「異常なし」とされるのは、135から145のあいだ。この記事の後半に出てくる141や143は、その「異常なし」の中の数字です。</strong>幅から外れた人の話ではありません。</p>

  <p>その141や143が、どれくらいの水不足にあたるのか。心不全の研究を書いた人たちは、143を「体重の1%にあたる水が足りていない状態」だと説明しています。体重60kgの人で600mLほど。500mLのペットボトル1本と少しです。一度に失う量というより、その状態がふだんから続いている、という意味になります。</p>

  <p>そして、体には守りの仕組みがあります。血が濃くなりかけると、バソプレシンというホルモンが出ます。腎臓に「水を捨てるな」と伝える指示です。尿は濃く、少なくなり、水は体にとどまります。</p>

  <p>この仕組みがあるおかげで、少しくらい水が足りなくても、血の濃さの数字は大きくは動きません。<strong>逆に言えば、数字が少し高いほうに寄っている人は、その指示がずっと出しっぱなしになっている、ということでもあります。</strong>この記事の1本目では、水を足した人たちで、その指示の目印が下がっていました。後半の3本が見ているのは、出しっぱなしが何十年も続いた人たちの、その先です。</p>

  <p>なお、世界の大人のおよそ半分が、すすめられている量の水分に届いていないと考えられる、と2026年の論文が書いています。</p>

  <p>それでも、水が足りないと困ることは、はっきりしています。人は水を飲まないと、3日ほどしか生きられません。</p>

  <p>では、足りている人がさらに意識して増やすと、何がいいのか。まず、そこから読みます。</p>

  <p class="fine">出典：Yamada Y ほか <span class="en">Variation in human water turnover associated with environmental and lifestyle factors.</span> Science. 2022;378(6622):909–915. <a href="https://doi.org/10.1126/science.abm8668" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1126/science.abm8668</a>（生後8日から96歳までの5,604人を、重水素を使って測ったもの。体重に占める水の割合は生後6か月までが60.0±6.4%、60歳で男性50.4±5.3%・女性42.0±4.8%。体の水のうち1日に入れ替わる割合は新生児28.3±7.2%、18〜40歳の大人9.9±3.0%。研究費は国際原子力機関、大陽日酸、SERCON、アメリカ国立科学財団、中国科学院から。資金提供者は内容に関わっていないと書かれています。全文が無料で読めます）　／　Dmitrieva NI, Boehm M, Yancey PH, Enhörning S. <span class="en">Long-term health outcomes associated with hydration status.</span> Nat Rev Nephrol. 2024;20(5):275–294. <a href="https://doi.org/10.1038/s41581-024-00817-1" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1038/s41581-024-00817-1</a>（水のバランスの仕組みと、バソプレシン・血のナトリウム・尿の濃さという3つの目印についての総説）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>水を1日660mL足した日本の55人。12週間のあいだに、上の血圧が123.8から117.4に下がった</h2>
  <p class="hitokoto">まず、日本で行われた試験から読みます。何が動いて、何が動かなかったのかが、いちばん見やすいものになります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>55人（男性24人・女性31人）</li>
    <li>550mLのペットボトルを1日2本</li>
    <li>12週間</li>
    <li>2020年・日本</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、空腹時の血糖が90から125mg/dLと少し高めの、健康な日本人です。平均年齢は64歳でした。くじ引きで2つに分かれ、片方はふだんの水分に加えて、550mLのペットボトルを1日2本。起きて2時間以内に1本、寝る2時間前に1本と、飲む時間も決められています。もう片方は、何も足しません。</p>
  <p>12週のあいだに、飲んだ側の1日の水分は1,342mLから1,998mLに増えました。体に占める水の割合も上がっています。</p>
  <p>上の血圧は、123.8から117.4mmHgに下がりました。下の血圧のほうは変わっていません。</p>
  <p>腎臓の側でも動きがありました。血のなかの老廃物（尿素窒素）が15.6から13.8mg/dLに下がっています。腎臓がどれだけ血をこせているかを表す数字（eGFR）は、水を足さなかった側では12週のあいだに下がり、足した側では下がっていません。</p>
  <p>もうひとつ。腎臓が水をとり戻すときに使う部品（アクアポリン2）が、尿に出てくる量で測られています。これは、箱で書いた「水を捨てるな」という指示がどれだけ出ているかの目印です。飲んだ側では、それが下がっていました。血の濃さのほうも、足さなかった側では上がり、足した側では上がっていません。守りの仕組みが、ひと息ついた形になります。</p>
  <p>一方で、この試験が最初に決めていた目標は、空腹時の血糖でした。そこには差が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：60人を割り付け、57人が試験期間に参加し、解析は対照27人・介入28人。飲み忘れのない割合は99.7%。1日の水分は対照1,428→1,445mL、介入1,342→1,998mL（p&lt;0.001）。収縮期血圧は介入群で123.8±20.5→117.4±15.7mmHg（p=0.01）。尿素窒素15.6±4.4→13.8±4.4mg/dL（p&lt;0.001）。eGFRは対照群で66.6±7.9→64.5±7.2mL/分/1.73平方メートル（p=0.003）、介入群では変化なし。血漿浸透圧は対照群で294.6→297.2mOsm/kgに上がり、介入群では上がらず（p=0.004）。尿中アクアポリン2/クレアチニン比は介入群で0.06→0.04。主要評価項目の空腹時血糖と、バソプレシンそのものには差なし。研究費は公的にも民間にも特定の助成を受けておらず、利益相反はないと申告されています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>あらかじめ主要な目標として決めていた空腹時の血糖には、差が出ていません。</p>
    <p>血圧や腎臓の数字は、その主要な目標のほうには入っていなかった項目です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Nakamura Y ほか <span class="en">Effect of Increased Daily Water Intake and Hydration on Health in Japanese Adults.</span> Nutrients. 2020;12(4):1191.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/nu12041191" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/nu12041191</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験を集めたもの</span>
  <h2>水を増やす試験を18本集めて。体重と腎結石で、はっきりした差が出ていた</h2>
  <p class="hitokoto">日本の1本で見えたことが、ほかの試験ではどうだったのか。実際に量を変えて確かめた試験だけを集めたものです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>18の試験</li>
    <li>期間は4日から5年</li>
    <li>2023年4月までの文献</li>
    <li>2024年</li>
  </ul>

  <p>体重の減り方は、水を増やしたグループのほうが44〜100%大きい値でした。腎結石は、5年で100人あたり15件少ない計算になります。</p>
  <p>そのほかに、片頭痛、膀胱炎、糖尿病の管理、低血圧について、それぞれ1本ずつ、良い結果を示す研究がありました。</p>
  <p>18本のうち、10本が何らかの良い結果を報告し、8本では差が出ていません。集められた試験は、1日の水の量を決めた分だけ増やす（または減らす）もので、比べる相手はふだんどおりに飲むグループでした。</p>

  <p class="fine">元の数字：1,464件から18本を選び、15本が並行群間のくじ引き試験、3本が交差試験。くり返し出てきた主な項目は、体重、空腹時の血糖、頭痛、尿路感染、腎結石でした。</p>

  <blockquote class="say"><p>水は安く、体に起きる困りごとも少ない。ここに挙げた状態について、よく設計された研究がさらに行われるべきである。</p><cite>——結論より（要約して訳したもの）</cite></blockquote>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>集まった試験の数は多くなく、質と量には限りがある、と論文自身が書いています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Outcomes in Randomized Clinical Trials Testing Changes in Daily Water Intake: A Systematic Review.</span> JAMA Netw Open. 2024;7(11):e2447621.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.47621" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.47621</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>腎結石を経験した199人を5年。水を増やしたグループで、再発した人が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">18本のなかで、いちばんはっきり差が出ていた側の1本です。この記事のなかでも、追いかけた期間が5年といちばん長くなります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>199人</li>
    <li>5年</li>
    <li>1996年</li>
    <li>イタリア</li>
  </ul>

  <p>5年のあいだに再発した人は、水を増やしたグループで100人あたり12人。増やさなかったグループでは27人でした。</p>
  <p>再発するまでの期間も違っています。水を増やしたグループが平均38.7か月、増やさなかったグループが25か月でした。1年ほどの差になります。</p>
  <p>参加したのは、初めて腎結石を起こした人たちです。くじ引きで2つに分かれ、片方は食事を変えずに水をたくさん飲みます。もう片方は、とくに何もしません。毎年、診察と検査と画像で調べています。</p>

  <p class="fine">元の数字：再発率は12.1%対27%（p=0.008）、再発までの平均期間は38.7±13.2か月対25±16.4か月（p=0.016）。結石のない101人とあわせて、尿の量が結石のできやすさとどう関わるかも調べています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>対象は、すでに腎結石を起こした人です。結石になったことのない人が水を増やした場合は、調べられていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Urinary volume, water and recurrences in idiopathic calcium nephrolithiasis: a 5-year randomized prospective study.</span> J Urol. 1996;155(3):839–843.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/S0022-5347(01)66321-3" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/S0022-5347(01)66321-3</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>膀胱炎をくり返す140人が、1年間、水を1.5リットル増やした</h2>
  <p class="hitokoto">腎結石と同じく、尿の量が増えることが関わっていそうな場所です。水を増やすといい、とよく言われてきたところに、実際の試験がひとつ入りました。</p>
  <ul class="facts">
    <li>140人</li>
    <li>12か月</li>
    <li>2013〜2016年</li>
    <li>アメリカ</li>
  </ul>

  <p>1年間の膀胱炎の回数は、水を増やしたグループで平均1.7回。増やさなかったグループでは3.2回でした。差は1.5回です。</p>
  <p>全体では327回の膀胱炎が起きていて、そのうち水のグループが111回、もう片方が216回でした。抗菌薬を使った回数も、水のグループのほうが少なくなっています。</p>
  <p>参加したのは、前の年に3回以上膀胱炎を起こし、1日の水分が1.5リットル未満だった閉経前の女性です。ふだんの水分に加えて、1日1.5リットルの水を飲みます。</p>

  <p class="fine">元の数字：膀胱炎の回数は1.7回（95%信頼区間 1.5〜1.8）対3.2回（3.0〜3.4）、差は1.5回（1.2〜1.8、p&lt;0.001）。参加者の平均年齢は35.7歳、前の年の膀胱炎は平均3.3回でした。この試験（ClinicalTrials.gov NCT02444975）の実施主体は、飲料を扱うダノンの研究部門です。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>対象は、膀胱炎をくり返していて、もともと水分が少なかった女性です。そうでない人のことは調べられていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Effect of Increased Daily Water Intake in Premenopausal Women With Recurrent Urinary Tract Infections: A Randomized Clinical Trial.</span> JAMA Intern Med. 2018;178(11):1509–1515.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2018.4204" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1001/jamainternmed.2018.4204</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>食事の前に500mLの水。12週間で、減った体重が2kgほど多かった</h2>
  <p class="hitokoto">ここまでは飲む量の話でした。この試験が変えたのは、量ではなく、飲むタイミングです。</p>
  <ul class="facts">
    <li>48人</li>
    <li>12週間</li>
    <li>55〜75歳</li>
    <li>2010年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>12週間で減った体重は、水を飲んだグループのほうが2kgほど多い値でした。減り方でいうと44%大きい計算になります。</p>
  <p>どちらのグループも、カロリーを減らした食事をしています。違いは、毎食の前に500mLの水を飲むかどうかだけでした。</p>
  <p>試験の最初には、水を先に飲むと、その食事で食べる量が減っていました。ただし12週間たったあとは、その差ははっきりしなくなっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：体重の減り方は水のグループでβ=−0.87（p&lt;0.001）、飲まないグループでβ=−0.60（p&lt;0.001）。試験の食事で食べた量は、開始時に水あり498±25kcal、水なし541±27kcal（p=0.009）、12週後は480±25kcalと506±25kcal（p=0.069）。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>参加したのは、体重が多めの55歳から75歳の48人です。ふつうの食事をしている人が水だけ増やした場合は、この試験の外になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Water consumption increases weight loss during a hypocaloric diet intervention in middle-aged and older adults.</span> Obesity (Silver Spring). 2010;18(2):300–307.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1038/oby.2009.235" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1038/oby.2009.235</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>頭痛のある102人が、3か月、水を1.5リットル増やした</h2>
  <p class="hitokoto">水を増やした試験の、最後の1本です。ここでは、感じ方と、日数とで、結果が分かれました。</p>
  <ul class="facts">
    <li>102人</li>
    <li>3か月</li>
    <li>2012年</li>
    <li>オランダ・診療所</li>
  </ul>

  <p>「かなり良くなった」と答えた人は、水を増やしたグループで47%。増やさなかったグループでは25%でした。頭痛にともなう生活の質の点数も、4.5点上がっています。</p>
  <p>一方で、中等度以上の頭痛が起きた日数のほうには、意味のある変化は出ていません。感じ方は変わり、日数は変わらなかった、ということになります。</p>
  <p>参加したのは、月に2回以上の中くらいの頭痛か、5回以上の軽い頭痛があり、1日の水分が2.5リットル未満だった人です。両方のグループに、ストレスと睡眠についての紙が配られ、片方はそれに加えて水を1.5リットル増やしています。</p>

  <p class="fine">元の数字：頭痛にともなう生活の質の点数は4.5点（95%信頼区間 1.3〜7.8）の改善。10点満点で6点以上の改善を感じた人は、水のグループ47%、対照25%。中等度以上の頭痛の日数には、意味のある変化はありませんでした。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>頭痛の日数そのものは変わっていません。良くなったと答えた人が多かった、というところまでの結果です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">A randomized trial on the effects of regular water intake in patients with recurrent headaches.</span> Fam Pract. 2012;29(4):370–375.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/fampra/cmr112" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/fampra/cmr112</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>中年期に血が少しだけ濃いほうだった人。25年のあいだに心不全になった人が39%多かった</h2>
  <p class="hitokoto">ここから3本は、水を増やした試験ではありません。箱で書いた「血の濃さ」を、何十年も追いかけたものです。飲んだ量の記録ではなく、体のほうに出ていた結果を見ています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>11,814人</li>
    <li>25年</li>
    <li>45〜66歳で登録</li>
    <li>2022年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>血のナトリウムは、135から145のあいだなら「異常なし」とされます。この研究が見たのは、その幅の中で143を超えていた人たちです。健康診断では、何も言われない値になります。</p>
  <p>その人たちでは、そのあと心不全になった人が39%多くなっていました。論文は、143という値を、体重の1%にあたる水が足りていない状態にあたる、と説明しています。</p>
  <p>使われたのは、ARICという、アメリカで45歳から66歳の人を集めて25年追いかけた調査の記録です。水のバランスが崩れる理由がはっきりある人（ナトリウムが幅の外にある、糖尿病がある、肥満、すでに心不全がある）を外して、11,814人を見ています。</p>
  <p>70歳から90歳になった4,961人を別に見ると、中年期のナトリウムが142.5から143だった人で、心臓の壁が厚くなる左室肥大と診断されていた割合が62%高く、143を超えていた人では107%高くなっていました。心不全そのものも54%高い値です。</p>

  <p class="fine">元の数字：心不全のハザード比1.39（95%信頼区間 1.14〜1.70）。左室肥大のオッズ比は142.5〜143mmol/Lで1.62（1.03〜2.55）、143超で2.07（1.30〜3.28）。心不全のオッズ比は143超で1.54（1.06〜2.23）。対象は血清ナトリウムが135〜146mmol/Lの範囲内で、糖尿病・肥満・心不全のない人。研究費はアメリカ国立心肺血液研究所（NHLBI）の内部研究プログラム（ZIA-HL006077-10）から。ARICそのものもNHLBIの連邦資金による調査です。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>見ているのは血液の数字であって、その人が1日に何リットル飲んでいたかではありません。</p>
    <p>水を増やしたらどうなるかは、この調べ方では分かりません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Dmitrieva NI, Liu D, Wu CO, Boehm M. <span class="en">Middle age serum sodium levels in the upper part of normal range and risk of heart failure.</span> Eur Heart J. 2022;43(35):3335–3348.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehac138" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/eurheartj/ehac138</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>同じ幅の、真ん中より少し上から。認知症になった人の割合が上がっていた</h2>
  <p class="hitokoto">心臓の次は、脳です。同じ調査に、イスラエルの40万人ぶんの診療記録を重ねています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>13,535人＋395,802人</li>
    <li>最長30年</li>
    <li>アメリカとイスラエル</li>
    <li>2026年</li>
  </ul>

  <p>ひとつはARICの13,535人。登録したときの平均年齢は57歳で、30年近くのあいだに2,965人（22%）が認知症になっています。もうひとつは、イスラエルの医療機関に残された395,802人ぶんの診療記録です。</p>
  <p>どちらでも、認知症になった人の割合は、血のナトリウムが141を超えたあたりから上がりはじめていました。135から145という「異常なし」の幅の、ちょうど真ん中より少し上です。いちばん濃いほうまで行くと、1.5倍から3倍でした。</p>
  <p>上がり方は、まっすぐではありません。幅の真ん中あたりまではほとんど平らで、そこから先で曲がっていきます。</p>
  <p>血のなかにとけているもの全体の濃さで見ても、同じあたりから上がりはじめていました。血糖の影響を差し引いて計算し直しても、認知症になる前に脳卒中を起こした人とそうでない人に分けても、同じ形が残っています。</p>

  <p class="fine">元の数字：ARICは13,535人、登録時の平均年齢57.1±5.7歳、55%が女性、30年近い追跡で認知症2,965人（22%）。曲線は制限付き三次スプラインで描かれ、上昇の始まりは血清ナトリウム約141mmol/L、血清浸透圧（とけているもの全体の濃さ）約287mOsm/kg。上端では1.5〜3倍。イスラエルのLeumit Health Servicesの記録395,802人ぶんでも、同じ形と同じしきい値が再現されました。研究費はNHLBIなどの内部研究プログラムと、ARICへの連邦資金（NHLBI・NINDS・NIA・NIDCD）から。著者らは金銭的な利益相反はないと申告しています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>血液の数字と認知症が一緒に動いていた、というところまでの結果です。</p>
    <p>水を増やすと認知症が減るかどうかを確かめた試験ではありません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Dmitrieva NI ほか <span class="en">Serum sodium, tonicity, and risk of dementia in cohort and healthcare populations.</span> Alzheimers Dement. 2026;22(8):e71725.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1002/alz.71725" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1002/alz.71725</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>血が少し濃いほうだった人。体が実年齢より古く見える人が1.5倍だった</h2>
  <p class="hitokoto">最後は、病気をひとつずつ数えるのではなく、体そのものの古さを測った研究です。箱で書いた「毎日入れ替わる水」の話が、いちばん長い時間の幅で戻ってきます。</p>
  <ul class="facts">
    <li>15,752人</li>
    <li>25年</li>
    <li>45〜66歳で登録</li>
    <li>2023年・アメリカ</li>
  </ul>

  <p>同じARICの記録から、血液の検査値をいくつも組み合わせて、その人の体が何歳くらいに見えるかを計算しています。心臓、腎臓、呼吸、炎症、代謝。年齢とともに動く指標を集めて、実年齢とは別に出した「体の年齢」です。</p>
  <p>中年期のナトリウムが142を超えていた人が、その体の年齢のほうが実年齢より上になる確率は、最大で1.5倍でした。</p>
  <p>病気のほうも見ています。142を超えていた人では、そのあと慢性の病気になった人が39%多く、144を超えていた人では、若くして亡くなった人が21%多い値でした。そして、体の年齢が実年齢より上だった人では、慢性の病気が70%、若くして亡くなる人が59%多くなっています。</p>
  <p>この研究チームは、マウスで生涯にわたって水を減らすと寿命が短くなり、体のあちこちに老化した変化が出ることを先に確かめていて、その仮説を人で見たものだ、と書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：45〜66歳で登録した15,752人を25年。血清ナトリウム142mmol/L超で慢性疾患のハザード比1.39（95%信頼区間 1.18〜1.63）、144mmol/L超で早期死亡のハザード比1.21（1.02〜1.45）。142mmol/L超で生物学的年齢が実年齢より上になるオッズ比は最大1.50（1.14〜1.96）。生物学的年齢が高いことは、慢性疾患のハザード比1.70（1.50〜1.93）、早期死亡の1.59（1.39〜1.83）と結びついていました。研究費はNHLBIの内部研究プログラムと、ARICへの連邦資金から。</p>

  <blockquote class="say"><p>中年期の血清ナトリウムが142mmol/Lを超える人は、生物学的に年上であり、慢性疾患を発症し、若くして亡くなるリスクが高い。水分状態と老化の結びつきを確かめるには、介入研究が必要である。</p><cite>——結論より（要約して訳したもの）</cite></blockquote>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>著者自身が、確かめるには水を増やす介入研究が要る、と書いています。</p>
    <p>血のナトリウムは、水の足り方以外の理由でも動きます。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：Dmitrieva NI, Gagarin A, Liu D, Wu CO, Boehm M. <span class="en">Middle-age high normal serum sodium as a risk factor for accelerated biological aging, chronic diseases, and premature mortality.</span> EBioMedicine. 2023;87:104404.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2022.104404" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.ebiom.2022.104404</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>慢性腎臓病のある631人に、1年間、水を増やしてもらった試験。尿の量は1日0.6リットル増えましたが、腎機能の下がり方には差が出ませんでした（JAMA 2018、<a href="https://doi.org/10.1001/jama.2018.4930" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>水が足りない人31人が、6週間、水を1.5リットル増やした試験。「水を捨てるな」という指示の目印が12.9から7.8に、空腹時の血糖も下がりました。ただし比べる相手のグループがなく、著者に飲料やサプリメントを扱う企業の研究員が入っているため、今回は外しました（J Clin Endocrinol Metab 2019、<a href="https://doi.org/10.1210/jc.2018-02195" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>イングランドの献血73か所・140万人の試験。もともと配られている500mLの水に、飲みものを変える、休む時間を延ばすなどを足しても、差は出ていません（Lancet Haematol 2026、<a href="https://doi.org/10.1016/S2352-3026(25)00319-9" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>飲む水の温度を、常温・氷水・温水で変えた14人の試験。気が遠くなるまでの時間に差は出ませんでした（Clin Auton Res 2022、<a href="https://doi.org/10.1007/s10286-022-00860-7" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>メニエール病の18人が2年間、体重1kgあたり35mLの水を飲んだ日本の報告。比べた相手が、7年から14年前に同じ病院にかかっていた人たちの記録なので、今回は外しました（Laryngoscope 2006、<a href="https://doi.org/10.1097/01.mlg.0000225904.78569.0c" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1790/">水と体</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>難聴と食べもの</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1786/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 03 Sep 2026 22:19:21 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[乳製品]]></category>
		<category><![CDATA[果物]]></category>
		<category><![CDATA[葉酸]]></category>
		<category><![CDATA[野菜]]></category>
		<category><![CDATA[難聴]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://new-asakusa.com/?p=1786</guid>

					<description><![CDATA[<p>聞こえの検査で出てくるデシベルという数字は、大きくなるほど、小さい音が聞きとれないという意味です。25を超えると難聴とされます。この数字が10悪くなるごとに、そのあと認知症と診断された人の割合が1.27倍だった、という研 [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1786/">難聴と食べもの</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[
<!-- 1786「難聴と食べもの」の本文を、この下で丸ごと置きかえます -->
<!-- タイトル・カテゴリー・タグはそのままで大丈夫です -->
<div class="eiyo">

<p class="lead">聞こえの検査で出てくるデシベルという数字は、大きくなるほど、小さい音が聞きとれないという意味です。25を超えると難聴とされます。この数字が10悪くなるごとに、そのあと認知症と診断された人の割合が1.27倍だった、という研究があります。そう置いてみると、1デシベル、2デシベルという小さな数字の見え方も変わってきます。はじめの2本は、実際に食べるものを変えて、体と聞こえに何が起きたかを確かめた試験。3本目は、食べた量の申告ではなく、血の中の量を測ったもの。後半の3本は、たくさんの人の食べ方と難聴を並べて眺めた研究です。あわせて6本を読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>日本の人間ドックのデータでは、両耳とも4キロヘルツの40デシベルが聞こえない人が、50代前半で4%未満、70代で男性46.5%、女性20.2%でした。</li>
    <li>639人を12年ほど追った研究では、はじめの聞こえが10デシベル悪いごとに、認知症と診断された人の割合が1.27倍でした。</li>
    <li>野菜と果物に低脂肪の乳製品を足し、脂肪を減らした献立を8週間続けた459人の試験では、血圧が対照の献立より低い値になりました。後半に出てくる「DASHの点数」は、この献立から来ています。</li>
    <li>葉酸を3年のんだ728人の試験では、低い音の聞こえの下がり方が、偽の薬のグループより小さい値でした。高い音では差が出ていません。</li>
    <li>赤血球の葉酸を測った1,149人の調査では、多いほどよいという形にならず、真ん中あたりのグループでいちばん低い値になりました。</li>
    <li>3年後にもう一度、機械で聴力を測った3,135人では、食べ方の点数が高いグループで、5デシベル以上下がった人の割合が低い値でした。</li>
    <li>同じ調査の81,818人を22年追った版では、点数が高い人で、聞こえにくさを申告した人が少ない値でした。こちらは機械ではなく申告です。</li>
    <li>33の研究を集めた解析では、ビタミンB2、β-カロテン、たんぱく質などが多い人で難聴が少なく、ビタミンA・C・Eでは差が出ていません。ビタミンB12は逆を向いていました。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそも、加齢による難聴とは</h2>

  <p>まず、数字の読み方からです。聞こえは、いくつかの高さの音を、どれだけ小さくしても聞きとれるかで測ります。純音聴力検査といいます。単位はデシベルで、この数字は大きくなるほど成績が悪くなります。小さい音では聞こえず、もっと大きくしないと届かない、という意味だからです。両耳の平均が25デシベルを超えると、難聴があるとされます。</p>

  <p>どれくらいの人に起きるのか。世界では15億人を超える人が、何らかの形で聞こえにくさを抱えています。年齢とともに急に増えていき、60代で15.4%、90歳を超えると58.2%です。日本のデータもあります。人間ドックを受けた人を2014年から2020年まで調べた研究では、両耳とも4キロヘルツの40デシベルが聞こえない人が、50代前半では4%未満。それが70代になると、男性で46.5%、女性で20.2%でした。高い音から、そして男性のほうが先に来ています。</p>

  <p>耳の中では何が起きているのでしょうか。音を感じ取っているのは、蝸牛という、かたつむりの形をした器官の中に並んだ細胞です。この細胞が働くには、電気が要ります。その電気を作っているのが、蝸牛の外側の壁を覆う血管条という組織です。名前のとおり、細い血管がびっしり通っています。ここがカリウムを送り込むことで、蝸牛の中はプラス80ミリボルトほどに保たれます。この電位があるから、音の振動が電気の信号に変わります。いわば、耳の中の電池です。</p>

  <p>60歳を過ぎると、この血管条がやせてくることが、人の組織でよく見つかります。動物では、血管条の毛細血管が細くなり、数も減っていくことが確かめられています。ただし、血管の減り方と電位の下がり方が、きれいに対応するわけではない、とも総説は書いています。血管の話だけで説明がつくものではない、ということです。</p>

  <p>それでも、この記事に並ぶ研究の出発点は、ここにあります。耳の中の電池が血管の集まりでできているのなら、血管の状態に関わる食べ方は、聞こえにも関わるのではないか、という見方です。</p>

  <p>では、聞こえが下がると、その先に何があるのか。</p>

  <p>639人を、聴力を測ったうえで12年ほど追った研究があります。はじめの聞こえが10デシベル悪いごとに、そのあと認知症と診断された人の割合は1.27倍でした。段階で見ると、聞こえがふつうの人を1として、軽い難聴で1.89倍、中くらいで3.00倍、重い難聴で4.94倍です。40の研究、20,264人を集めた解析でも、先々を追った研究にしぼると、認知症が1.28倍、認知機能の低下が1.22倍でした。血管の不調と、会話が通りにくくなることの両方が関わっているのかもしれない、と書かれています。</p>

  <p>この記事に出てくるのは、3年で0.7デシベルの差、3年で5デシベル以上下がった人の割合、といった数字です。10デシベルという幅と並べて読んでみてください。</p>

  <p>最後に、後半に何度も出てくる2つの言葉を説明しておきます。</p>

  <p>ホモシステインは、アミノ酸の一種です。体の中でたんぱく質を作り変える途中にできるもので、そのままにしておくものではありません。葉酸とビタミンB12、B6を材料にして、別の形に作り変えられていきます。材料が足りないと、作り変えが追いつかず、血の中にたまります。たまった状態は、血管の病気と結びつくことが知られています。2本目の試験が、ホモシステインの高い人を集めているのは、そのためです。</p>

  <p>DASHは、高血圧を下げるために組み立てられた献立の名前です。野菜と果物を増やし、低脂肪の乳製品を足して、脂肪を減らす。それだけで血圧がどれだけ動くのかを確かめたのが、この記事の1本目にあたります。後半に出てくる「DASHの点数」は、ふだんの食べ方がこの献立にどれだけ近いかを数えたものです。献立そのものを配ったわけではありません。</p>

  <p class="fine">出典：Bovee S ほか <span class="en">The Stria Vascularis: Renewed Attention on a Key Player in Age-Related Hearing Loss.</span> Int J Mol Sci. 2024;25(10):5391. <a href="https://doi.org/10.3390/ijms25105391" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/ijms25105391</a>（世界の人数と年齢別の割合、血管条の仕組みと加齢による変化。研究費はドイツ研究振興協会とHeinsius Houbolt財団から。全文が無料で読めます）　／　Akamatsu Y ほか <span class="en">Prevalence, Age-Standardized Prevalence, and Incidence Rates of Bilateral High-Frequency Hearing Loss among Japanese Individuals Undergoing Comprehensive Health Checkup System (Ningen Dock) from 2014 to 2020.</span> JMA J. 2026;9(1):115–123. <a href="https://doi.org/10.31662/jmaj.2024-0328" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.31662/jmaj.2024-0328</a>（毎年5万5千人から6万2千5百人ぶんのデータ。全文が無料で読めます）　／　Lin FR ほか <span class="en">Hearing loss and incident dementia.</span> Arch Neurol. 2011;68(2):214–220. <a href="https://doi.org/10.1001/archneurol.2010.362" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1001/archneurol.2010.362</a>（639人、追跡期間の中央値11.9年、認知症58人。10デシベルあたり1.27倍［95%信頼区間 1.06〜1.50］。年齢・性別・人種・学歴・糖尿病・喫煙・高血圧で調整。研究費はアメリカ国立聴覚・コミュニケーション障害研究所と国立老化研究所から。全文が無料で読めます）　／　Loughrey DG ほか <span class="en">Association of Age-Related Hearing Loss With Cognitive Function, Cognitive Impairment, and Dementia: A Systematic Review and Meta-analysis.</span> JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2018;144(2):115–126. <a href="https://doi.org/10.1001/jamaoto.2017.2513" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1001/jamaoto.2017.2513</a>（12か国40研究、解析は36研究・推定20,264人。前向き研究で認知症のオッズ比1.28［1.02〜1.59］、認知機能の低下1.22［1.09〜1.36］。断面研究ではそれぞれ2.42と2.00。全文が無料で読めます）</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>野菜と果物と、脂肪を減らした献立を8週間。血圧は、対照の献立より低かった</h2>
  <p class="hitokoto">耳の研究ではありません。食べ方を変えると、体に測れるだけの違いが出るのかを確かめた試験です。後半に出てくる「DASHの点数」という言い方は、この献立から来ています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>459人</li>
    <li>8週間</li>
    <li>1997年</li>
    <li>アメリカ</li>
  </ul>

  <p>はじめの3週間は、全員が同じ献立を食べます。野菜と果物と乳製品が少なく、脂肪はアメリカの平均的な量、という献立です。</p>
  <p>そのあと、くじ引きで3つに分かれます。そのままの献立、野菜と果物を増やした献立、野菜と果物に低脂肪の乳製品を足して脂肪を減らした献立（組み合わせの献立）。この3つを8週間続けます。</p>
  <p>食事はすべて用意されたものです。塩の量と体重は、期間を通して変わらないようにしてあります。血圧の違いが、塩や体重ではなく献立の違いから来ていると分かるようにするためです。</p>
  <p>8週間のあと、組み合わせの献立のグループの血圧は、そのままの献立のグループより低い値でした。もともと血圧が高かった人たちでは、差はさらに大きくなっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：組み合わせの献立は、上の血圧が5.5mmHg、下の血圧が3.0mmHg、対照の献立より低い値（いずれもp&lt;0.001）。もともと高血圧のあった133人では11.4mmHgと5.5mmHg、なかった326人では3.5mmHg（p&lt;0.001）と2.1mmHg（p=0.003）。野菜と果物の献立は、上が2.8mmHg低く（p&lt;0.001）、下は1.1mmHg（p=0.07）。研究費はアメリカ国立心肺血液研究所（NHLBI）から。</p>

  <blockquote class="say"><p>野菜と果物と低脂肪の乳製品が多く、飽和脂肪と脂肪全体を減らした食事は、血圧をかなり下げうる。</p><cite>——結論より（要約して訳したもの）</cite></blockquote>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>耳と聞こえは、この試験では測っていません。</p>
    <p>食事はすべて用意されたもので、期間は8週間です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure.</span> N Engl J Med. 1997;336(16):1117–1124.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1056/NEJM199704173361601" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1056/NEJM199704173361601</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>葉酸を3年のんだグループで、低い音の聞こえの下がり方が小さかった</h2>
  <p class="hitokoto">聞こえについて、実際にのんでもらって確かめた試験です。この分野では数の少ない形になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>728人</li>
    <li>3年</li>
    <li>2000〜2004年</li>
    <li>オランダ</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、血のホモシステインが高めの人たちです。13マイクロモル毎リットル以上あり、ビタミンB12のほうは保たれていることが条件でした。中耳の病気や、片側だけの難聴がある人は入っていません。</p>
  <p>くじ引きで2つに分かれます。片方は葉酸を1日800マイクログラム、もう片方は見た目の同じ偽の薬を、3年のみます。どちらをのんでいるかは、本人にも調べる側にも分かりません。</p>
  <p>聞こえは機械（純音聴力検査）で測っています。低い音（0.5・1・2キロヘルツ）と高い音（4・6・8キロヘルツ）に分け、両耳の平均が3年でどれだけ変わったかを見ています。</p>
  <p>3年で、低い音の聞こえは両方のグループで下がりました。その下がり方が、葉酸のグループのほうが小さい値でした。高い音では、差は出ていません。</p>
  <p>この試験が行われた当時のオランダでは、食品に葉酸を加えることが認められていませんでした。参加者の葉酸は、アメリカの人のおよそ半分だった、と論文に書かれています。</p>

  <p class="fine">元の数字：低い音の閾値は3年で、葉酸のグループが1.0デシベル（95%信頼区間 0.6〜1.4）、偽の薬のグループが1.7デシベル（1.3〜2.1）上がりました。差は−0.7デシベル（−1.2〜−0.1）、p=0.020。高い音では差はありません。追えなくなった人は16人（2%）。研究費はワーヘニンゲン大学、ワーヘニンゲン食品科学センター、オランダ保健研究開発機構（ZonMw）から。</p>

  <blockquote class="say"><p>食品に葉酸を加えていない国の集団で、加齢にともなう会話の音域の聞こえの低下がゆるやかだった。この結果は、とくに葉酸を加えている国での確認を必要とする。</p><cite>——結論より（要約して訳したもの）</cite></blockquote>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>参加したのはホモシステインが高めの人に限られ、そのまま一般の人に広げられるものではないと論文自身が断っています。</p>
    <p>高い音の聞こえは変わっておらず、この試験で動いたのは低い音のほうです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Effects of folic acid supplementation on hearing in older adults: a randomized, controlled trial.</span> Ann Intern Med. 2007;146(1):1–9.<br>
  <a href="https://doi.org/10.7326/0003-4819-146-1-200701020-00003" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.7326/0003-4819-146-1-200701020-00003</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>血の中の葉酸と聞こえ。真ん中あたりのグループで、聞こえにくい人がいちばん少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">食べた量の申告ではなく、赤血球の中の葉酸を測って、聞こえと並べたものです。多いほどよい、という形にはなっていません。</p>
  <ul class="facts">
    <li>1,149人</li>
    <li>20〜69歳（平均42歳）</li>
    <li>2003〜2004年</li>
    <li>アメリカ</li>
  </ul>

  <p>アメリカの全国調査（NHANES）で、聞こえの検査と血液の検査の両方を受けた人のデータです。</p>
  <p>聞こえは機械で測っています。0.5・1・2・4キロヘルツの平均が25デシベルを超える耳がひとつでもあれば「難聴あり」としています。1,149人のうち、16.4%がこれにあたりました。</p>
  <p>赤血球の葉酸の量で4つのグループに分け、いちばん少ないグループを1として比べています。3番目のグループでいちばん低い値になり、いちばん多いグループでは1のあたりに戻っています。論文はこれを、U字のような形だと書いています。</p>
  <p>ビタミンB12については、多い人で聞こえにくい人が少ない向きが見えましたが、はっきりした差にはなっていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：赤血球葉酸の4分位で、いちばん少ない群を1としたときのオッズ比は、2番目0.87（95%信頼区間 0.49〜1.53）、3番目0.70（0.49〜1.00）、4番目1.08（0.61〜1.94）。年齢、性別、ビタミンB12、喫煙、飲酒、体格、人種、騒音を浴びた経験、収入、学歴で調整しています。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>ある時点で一度だけ測った調査で、葉酸の量が先にあったのか、聞こえのほうが先だったのかは分かりません。</p>
    <p>20歳から69歳までのデータで、それより上の年齢は含まれていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Erythrocyte folate, serum vitamin B12, and hearing loss in the 2003-2004 National Health And Nutrition Examination Survey (NHANES).</span> Eur J Clin Nutr. 2018;72(5):720–727.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1038/s41430-018-0101-6" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1038/s41430-018-0101-6</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>食べ方の点数が高い人たちで、3年後に聴力が下がった人の割合が低かった。3,135人</h2>
  <p class="hitokoto">食べ方に点数をつけ、3年をおいて、機械でもう一度聴力を測っています。申告ではなく測定で見た研究です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>3,135人</li>
    <li>3年</li>
    <li>2012〜2018年</li>
    <li>アメリカ19か所</li>
  </ul>

  <p>参加したのは、看護師を長く追いかけている調査（Nurses' Health Study II）の女性で、平均年齢は59歳です。</p>
  <p>食べ方は、食べたものの頻度をたずねる用紙から3つの点数を計算しています。DASH（1本目の献立にどれだけ近いか）、地中海食にどれだけ近いか、健康的な食事の指数、の3つです。</p>
  <p>聴力は、はじめと3年後に、アメリカ国内19か所で純音聴力検査を行っています。平均の閾値が5デシベル以上上がったかどうかを見ています。</p>
  <p>点数が高いグループでは、中くらいの音（3・4キロヘルツ）と高い音（6・8キロヘルツ）で、下がった人の割合が低い値でした。低い音では差が出ていません。</p>

  <p class="fine">元の数字：DASHの点数がいちばん高い5分の1は、いちばん低い5分の1とくらべて、中くらいの音のオッズ比0.71（95%信頼区間 0.55〜0.92、傾向のp=0.003）、高い音0.75（0.59〜0.96、p=0.02）。中くらいの音では、地中海食が0.77（0.60〜0.99、p=0.02）、健康的な食事の指数が0.72（0.57〜0.92、p=0.002）。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>食べ方をくじ引きで割り当てた研究ではなく、よく食べている人とそうでない人のあいだにある暮らしの違いが、この数字には混ざります。</p>
    <p>食べたものは本人の申告で、参加したのは女性だけです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Prospective Study of Dietary Patterns and Hearing Threshold Elevation.</span> Am J Epidemiol. 2020;189(3):204–214.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/aje/kwz223" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/aje/kwz223</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">観察研究</span>
  <h2>81,818人を22年。食べ方の点数が高い人で、聞こえにくさを申告した人が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">ひとつ前と同じ調査の、人数の多い版です。ただし聞こえは、機械ではなく本人の申告になります。</p>
  <ul class="facts">
    <li>81,818人</li>
    <li>1991〜2013年</li>
    <li>はじめの年齢 27〜44歳</li>
    <li>アメリカ</li>
  </ul>

  <p>食べたものは4年ごと、聞こえについては2年ごとにたずねています。中等度以上の聞こえにくさを申告した人は、22年間で2,306人でした。</p>
  <p>3つの点数それぞれについて、いちばん高い5分の1と、いちばん低い5分の1を比べています。どの点数でも、高いグループのほうが、申告した人は少ない値でした。</p>
  <p>聞こえについて追加の情報がある33,102人にしぼると、差はもう少し大きくなっています。</p>

  <p class="fine">元の数字：いちばん高い5分の1といちばん低い5分の1をくらべた相対危険は、地中海食0.70（95%信頼区間 0.60〜0.82）、DASH 0.71（0.61〜0.83）、健康的な食事の指数0.79（0.69〜0.91）、いずれも傾向のp&lt;0.001。追加の情報がある33,102人では、順に0.63（0.49〜0.81）、0.64（0.50〜0.83）、0.71（0.56〜0.89）。追跡はのべ100万人年を超えます。研究費はアメリカ国立衛生研究所（NIH）から。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>聞こえにくさは本人の申告で、ひとつ前の研究のように機械で測ったものではありません。</p>
    <p>参加したのは女性だけで、はじめの年齢は27歳から44歳です。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Adherence to Healthful Dietary Patterns Is Associated with Lower Risk of Hearing Loss in Women.</span> J Nutr. 2018;148(6):944–951.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1093/jn/nxy058" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1093/jn/nxy058</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">集めたもの</span>
  <h2>33の研究を集めて。ビタミンB2、β-カロテン、たんぱく質が多い人で、難聴のある人が少なかった</h2>
  <p class="hitokoto">成分ごとに、難聴との関係を調べた研究を集めて計算し直したものです。差が出なかった成分も、逆を向いた成分も、同じ表に並んでいます。</p>
  <ul class="facts">
    <li>33研究（断面21・コホート10・症例対照2）</li>
    <li>2024年8月までの文献</li>
    <li>2025年</li>
    <li>事前に登録あり（PROSPERO）</li>
  </ul>

  <p>集まった33のうち、20は加齢にともなう難聴、11は種類を分けていない難聴、1つは突発性難聴、1つは騒音による難聴を扱っています。</p>
  <p>多い人のほうが難聴のある人が少ない、という向きがはっきり出たのは、ビタミンB2、β-カロテン、カロテノイド、β-クリプトキサンチン、脂質、たんぱく質、食物繊維、魚でした。</p>
  <p>差が出なかったものもあります。ビタミンA全体、ビタミンC、ビタミンEは、ほとんど1のままでした。抗酸化のはたらきで知られる成分が、この表のなかでそろって同じ向きになっているわけではありません。</p>
  <p>ビタミンB12は、2つの研究を合わせると逆を向いています。多い人のほうが、難聴のある人が少し多い、という値でした。</p>

  <p class="fine">元の数字：ビタミンB2は4研究でオッズ比0.835（95%信頼区間 0.731〜0.954、p=0.008、ばらつきを表すI二乗値21.6%）、β-カロテンは6研究で0.932（0.887〜0.980、p=0.006、I二乗値19.2%）、β-クリプトキサンチン0.926、カロテノイド全体0.928、たんぱく質0.858、脂肪酸を分けずに扱った脂質0.92（0.85〜0.991、p=0.028）。差の出なかったものは、ビタミンA全体0.979（0.902〜1.062）、ビタミンC 0.988（0.896〜1.088）、ビタミンE 1.019（0.909〜1.142）。ビタミンB12は2研究で1.087（1.001〜1.180、p=0.047）。研究費は受けていない、利益相反はない、と申告されています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>集まった33のうち21は、ある時点で一度だけ調べた研究です。</p>
    <p>成分ごとに集まった研究の数はまちまちで、ビタミンB2は4本、ビタミンB12は2本から計算されています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Protective effects of dietary nutrients on hearing loss: a systematic review and meta-analysis.</span> Front Nutr. 2025;12:1528771.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1528771" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3389/fnut.2025.1528771</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。</p>
<p>イギリスの大きな調査（UK Biobank）で、フラボノイドの多い食べ方の点数と、そのあと難聴になった人を並べた研究。枠としては上の2本と重なるため、外しました（J Nutr Health Aging 2026、<a href="https://doi.org/10.1016/j.jnha.2026.100891" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>男性26,273人で、ビタミンC・E・β-カロテン・B12・葉酸の摂取と難聴を調べた研究。こちらも食べ方と難聴という枠が重なります（Otolaryngol Head Neck Surg 2010、<a href="https://doi.org/10.1016/j.otohns.2009.10.049" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>職場の騒音による難聴に、ビタミンB12、葉酸、N-アセチルシステインなどを使った12件の試験を集めたレビュー。日々の食事の話ではなく、騒音への対策として使う話なので、別の記事の材料になります（J Occup Health 2021、<a href="https://doi.org/10.1002/1348-9585.12217" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>難聴のある高齢者を補聴器などで支える3年の大きな試験。聞こえと頭のはたらきの話に進むもので、食べものの記事からは離れるため、別の記事の材料にします（Lancet 2023、<a href="https://doi.org/10.1016/S0140-6736(23)01406-X" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>日本語では、地域に住む高齢の女性で、難聴のリスクが低い食品を検討した記録があります。学会の一般演題として2ページにまとめられたもので、研究の報告としての人数や比べ方までは示されていないため、外しました（Audiology Japan 2015;58(5):265–266、<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/58/5/58_265/_article/-char/ja/" rel="noopener" target="_blank">J-STAGE</a>）。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1786/">難聴と食べもの</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>甘酒の論文を6本</title>
		<link>https://new-asakusa.com/kiji/1765/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[hideki.maejim]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 01 Sep 2026 09:50:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[からだ]]></category>
		<category><![CDATA[食べもの]]></category>
		<category><![CDATA[便通]]></category>
		<category><![CDATA[甘酒]]></category>
		<category><![CDATA[米麹]]></category>
		<category><![CDATA[肌]]></category>
		<category><![CDATA[酒粕]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://new-asakusa.com/?p=1765</guid>

					<description><![CDATA[<p>甘酒には2種類あります。米麹から作るものと、酒粕から作るもの。名前は同じでも、甘さのもとになっている糖からして別ものです。人に飲んでもらった試験でいちばん調べられているのは、お通じでした。その試験で比べものに使われている [&#8230;]</p>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1765/">甘酒の論文を6本</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<!-- 1765 の本文を、この下で丸ごと置きかえます -->
<!-- タイトルも「甘酒の論文を6本」に変えます（いまは「5本」のままです） -->
<div class="eiyo">

<p class="lead">甘酒には2種類あります。米麹から作るものと、酒粕から作るもの。名前は同じでも、甘さのもとになっている糖からして別ものです。人に飲んでもらった試験でいちばん調べられているのは、お通じでした。その試験で比べものに使われている「偽の飲みもの」が少し変わっていて、糖もカロリーもほとんど同じにそろえた、米の水あめなのです。だから、もし差が出たとすれば、それは糖のはたらきではないことになります。はじめに、飲んでいるものの中に何が入っているのか。つぎに、お通じについての試験が3本。最後に、肌について調べたものが2本。中身の話、お通じの話、肌の話、の順に、6本を読みます。</p>

<section class="box">
  <h2>ざっと言うと</h2>
  <ul>
    <li>麹甘酒の甘さはブドウ糖で、100gあたり23.2g。砂糖は加えていません。酒粕甘酒はその逆で、ブドウ糖が2.1g、加えた砂糖が13.8gです。</li>
    <li>麹甘酒の中身をまとめて測った研究では、300を超える成分が見つかりました。糖、アミノ酸、有機酸、ビタミンB群です。</li>
    <li>健康な大人44人の二重盲検の試験では、お通じの日数が、偽の飲みものより多くなりました。糖もカロリーもそろえたうえでの比べ方です。</li>
    <li>中高年32人が6週間飲んだ研究では、便秘の点数が下がり、ビフィズス菌が増えています。</li>
    <li>10人の研究では、もともとの腸内細菌の型によって、変化のしかたが違っていました。</li>
    <li>肌については2本。片方は左の頬の水分だけ、もう片方は皮脂の量に差が出ています。調べた場所も指標も、そろっていません。</li>
    <li>ブドウ糖の塊のような飲みものですが、118g飲んだあとの血糖の上がり幅は46mg/dLでした。</li>
  </ul>
</section>

<section class="box">
  <h2>そもそも甘酒とは</h2>

  <p>甘酒と呼ばれる飲みものには、2種類あります。米麹から作るものと、酒粕から作るものです。</p>

  <p>米麹のほうから説明します。麹菌（アスペルギルス・オリゼー）は、蒸した米に生やす、カビの仲間です。味噌、醤油、日本酒、焼酎、みりん、米酢、漬物。日本の発酵食品は、だいたいこの菌で作られています。そのなかで麹甘酒はいちばん単純で、米麹と水を混ぜて、50〜60度に置いておくだけです。日本書紀（720年）に、もう出てきます。</p>

  <p>置いておくあいだに、何が起きるのか。麹菌が出すアミラーゼという酵素が、米のデンプンを切っていきます。デンプンはブドウ糖が長くつながったものなので、切れた先はブドウ糖です。これが甘さの正体で、砂糖は加えません。酒粕のほうは、日本酒を搾ったあとに残るものを湯で溶いたもので、甘さは足した砂糖から来ます。少しですが、アルコールも残ります。</p>

  <p>100gあたりで並べると、こうなります。麹甘酒は105kcalで、ブドウ糖が23.2g、砂糖（ショ糖）はゼロ。酒粕甘酒は102kcalで、ブドウ糖が2.1g、砂糖が13.8g。たんぱく質はどちらも1.3〜1.4gです。砂糖を一粒も入れていない麹甘酒のほうが、糖は多いことになります。果物のジュースの主な糖はショ糖と果糖ですから、ブドウ糖が主役の飲みものは、けっこう珍しいものです。</p>

  <p>世界保健機関は、砂糖などの糖を、1日にとるエネルギーの10%より少なくするようすすめています。1日2000kcalの人なら、糖で50gほど。甘酒を100mLくらい飲むぶんには、この目安は超えません。</p>

  <p>では、糖のほかに何が入っていて、それは体にとって何なのか。分かっている範囲で並べます。</p>

  <p>まず、アミノ酸が20種類。米のたんぱく質を、麹菌の出すプロテアーゼという酵素が切ったものです。そのなかに、エルゴチオネインという変わったアミノ酸があります。人の体はこれを自分では作れず、食べものからとるしかありません。ところが体のほうには、この成分専用の入り口（輸送体）が用意されています。しかも、いったん取り込んだら、なかなか外に出しません。この入り口を持たないマウスに注射で入れると、半分以上が尿に出てしまうのに、ふつうのマウスでは1割も出ていきませんでした。わざわざ専用の入り口を用意して、抱え込む。体にとって要るものだ、ということです。</p>

  <p>血のなかのエルゴチオネインは、年齢とともに減っていきます。そして、少ない人ほど、パーキンソン病、軽い物忘れ、クローン病、体の弱りが多いことが報告されています。もの忘れの外来に通う高齢者470人を、最長5年追った研究があります。血のなかのエルゴチオネインが少ない人ほど、記憶、段取りの力、注意、手の速さ、ことばの成績が、速く下がっていました。ただし、これらはいずれも「少ない人にそうした状態が多い」という関係で、減ったから起きるのか、起きたから減るのかは、まだ分かっていません。いちばん多く含まれている食べものは、きのこです。</p>

  <p>ビタミンB群も入っています。B1、B2、B3、B5、B6、B7。米ぬかにあったぶんは精米で削り落とされているのですが、麹を作るあいだに、麹菌が作り直しています。</p>

  <p>オリゴ糖も入っています。ブドウ糖どうしが2つ3つつながった形のもので、いちばん多いイソマルトースが全体の2〜3%です。この形になると、人の消化酵素では切りにくく、大腸まで届いて腸の菌のえさになります。</p>

  <p>脂のなかには、グルコシルセラミドがあります。麹菌の細胞膜からくる成分です。肌の表面には、水を逃がさないための脂の層があって、その材料がセラミドです。米、とうもろこし、こんにゃく、ビートから取ったグルコシルセラミドを口からとると、肌から水が逃げる量が減った、という報告があります。麹甘酒のものも形が似ているので、同じようにはたらくかもしれない、という段階です。</p>

  <p>もうひとつ、麹菌そのものの菌体も入っています。この記事の2本目に出てくる試験では、118gあたり302mg。試験を行った人たちは、これが効いている成分ではないか、と考えています。</p>

  <p>酒粕のほうに特徴的なのは、レジスタントプロテインです。消化されにくいたんぱく質で、胃や腸の酵素で切られないまま先へ進むため、食物繊維に近いふるまいをします。もうひとつ、α-エチルグルコシドという、日本酒を造る過程でできる成分があります。</p>

  <p>ここまでが中身の話です。最後に、意外なことを2つ。</p>

  <p>ひとつめ。ブドウ糖の塊のような飲みものですが、血糖の上がり方は、思ったほどではありませんでした。健康な18人に118g飲んでもらって測ると、血糖の最高値は133.5mg/dL、上がり幅は46mg/dLです。同じ量のご飯を食べたときの報告より低い値だ、と総説は書いています（別々の研究どうしを並べた比べ方です）。ラットの腸を裏返して調べた実験でも、ブドウ糖の吸収が抑えられていました。オリゴ糖か、麹菌の菌体が関わっているのかもしれない、とされています。血糖が高め（100〜125mg/dL）の24人が、3倍の量を4週間飲み続けた試験でも、体重も血液検査の値も変わりませんでした。</p>

  <p>ふたつめ。この記事の2本目の試験で「偽の飲みもの」に使われているのは、米に酵素を加えて作った水あめです。1本118gあたり、エネルギーは128.6kcalで甘酒が127.4kcal。ブドウ糖は27.8gで甘酒が26.1g。糖もカロリーも、ほとんど同じにそろえてあります。違うのは、麹菌の菌体が302mg入っているかどうか、麹菌由来のグルコシルセラミドが1.16mg入っているかどうか、といったところです。だから、もし差が出たとすれば、それは糖やカロリーのはたらきではないことになります。</p>

  <p class="fine">出典：Kurahashi A. <span class="en">Ingredients, Functionality, and Safety of the Japanese Traditional Sweet Drink Amazake.</span> J Fungi (Basel). 2021;7(6):469. <a href="https://doi.org/10.3390/jof7060469" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/jof7060469</a>（成分の量、世界保健機関の目安、血糖と安全性の並び。全文が無料で読めます）　研究費は、米麹甘酒を作っている八海醸造株式会社から。著者は同社の生産と研究開発の責任者です。血糖と安全性のもとになっている試験も、同じ著者らによるものです。　／　Cheah IK, Halliwell B. <span class="en">Ergothioneine, recent developments.</span> Redox Biol. 2021;42:101868. <a href="https://doi.org/10.1016/j.redox.2021.101868" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.redox.2021.101868</a>（エルゴチオネインの入り口と、血中濃度の話。利益相反はないと書かれています。全文が無料で読めます）　／　Wu LY ほか <span class="en">Low Plasma Ergothioneine Predicts Cognitive and Functional Decline in an Elderly Cohort Attending Memory Clinics.</span> Antioxidants (Basel). 2022;11(9):1717. <a href="https://doi.org/10.3390/antiox11091717" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/antiox11091717</a>（シンガポールの470人を最長5年追った観察研究。研究費はシンガポール国立医学研究評議会などの公的な資金から。全文が無料で読めます）　／　118gあたりの中身は、この記事の2本目（J Fungi. 2021;7(9):782）の表によります。</p>
</section>

<article class="paper">
  <span class="kicker">成分を測った研究</span>
  <h2>麹甘酒に何が入っているのかを、まとめて測った。300を超える成分が見つかった</h2>
  <p class="hitokoto">まず、飲んでいるものの中身の話です。千年以上飲まれてきた飲みものですが、何が入っているかは、あまり調べられていませんでした。</p>
  <ul class="facts">
    <li>2017年・日本</li>
    <li>麹甘酒と、乳酸発酵させた甘酒</li>
    <li>まとめて測る方法（メタボロミクス）</li>
    <li>300を超える成分</li>
  </ul>

  <p>調べたのは2つの飲みものです。ふつうの麹甘酒と、それを乳酸菌（雪室から取り出したラクトバチルス・サケイUONUMA株）でもう一度発酵させた甘酒。どちらにも何がどれだけ入っているかを、成分をまとめて測る方法で調べています。</p>
  <p>2つ合わせて、300を超える成分が見つかりました。糖、アミノ酸、有機酸、そしてビタミンB群です。糖は13種類が特定され、そのうち2つは、まだ名前のついていない三糖でした。</p>
  <p>糖の顔ぶれは、2つの甘酒で違いがありませんでした。乳酸発酵させたほうでは、乳酸とビタミンB2、B3、B6が増え、リンゴ酸とグルタミンが減っています。これらのビタミンは、乳酸菌が作っていました。</p>
  <p>乳酸発酵させたほうからは、アセチルコリンという、神経のあいだで信号を伝える物質も新しく現れています。論文はこれを「驚いたことに」と書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：2つの飲みものから、合わせて300を超える成分を検出。糖は13種類（うち名前のついていない三糖が2つ）。乳酸発酵させたほうで、乳酸、ビタミンB2（リボフラビン）、B3（ニコチン酸とニコチンアミド）、B6（ピリドキシン）が有意に増え、リンゴ酸とグルタミンが減少。研究費は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムと、科学技術振興機構から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>測ったのは飲みものの中身で、人が飲んだあとに何が起きるかは、この研究の外になります。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Metabolite profile of koji amazake and its lactic acid fermentation product by Lactobacillus sakei UONUMA.</span> J Biosci Bioeng. 2017;124(2):178–183.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1016/j.jbiosc.2017.03.011" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1016/j.jbiosc.2017.03.011</a></p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>健康な大人44人。お通じの日数が、偽の飲みものより多かった</h2>
  <p class="hitokoto">甘酒の人の試験のなかで、いちばん条件のそろったものです。比べものの作り方を見てください。</p>
  <ul class="facts">
    <li>44人</li>
    <li>1日118g・4週間</li>
    <li>二重盲検</li>
    <li>新潟</li>
  </ul>

  <p>週に2〜5日お通じがある健康な大人44人を、くじ引きで2つに分けました。片方は麹甘酒、もう片方は米に酵素を加えて作った水あめ。4週間、毎日1本飲みます。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。</p>
  <p>この水あめが、うまく作られています。1本118gあたり、エネルギーは128.6kcalで甘酒の127.4kcalとほぼ同じ。ブドウ糖は27.8gで、甘酒は26.1g。糖もカロリーもそろえてあります。違うのは、麹菌で発酵させたかどうか。甘酒には麹菌の菌体が302mg入っていて、水あめには入っていません。麹菌由来のグルコシルセラミドも、甘酒に1.16mg、水あめには0mgです。</p>
  <p>1週間あたりのお通じの日数は、2週間目で5.09日と4.14日、3週間目で5.41日と4.18日、4週間目で5.09日と3.95日。どの時点でも、甘酒のほうが多くなっています。4週間目の1週間ぶんの便の重さは、724gと501gでした。</p>
  <p>便のなかの短鎖脂肪酸には、差が出ていません。3週間目に、ブラウティアという菌が減り、バクテロイデスが増えていました。</p>
  <p>糖もカロリーもそろっているので、差が出たとすれば、それは糖のはたらきではありません。著者は、麹菌の菌体そのものが働いている成分かもしれない、と書いています。</p>

  <p class="fine">元の数字：1週間あたりの排便日数が、2週後5.09日対4.14日、3週後5.41日対4.18日、4週後5.09日対3.95日。4週後の1週間の便重量が724g対501g。麹菌の菌体は118gあたり302±15.5mg。1本あたりのエネルギーは127.4kcal対128.6kcal、ブドウ糖26.1g対27.8g、グルコシルセラミドは合計1.39mg対0.41mg（うち麹菌由来が1.16mg対0mg）。臨床試験登録はUMIN000038520。研究費は、麹甘酒を作っている八海醸造株式会社から出ています。著者の1人は同社の生産と研究開発の責任者、4人は同社の社員です。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>参加したのは、もともと週に2〜5日お通じのある健康な人で、便秘のある人は含まれていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Intake of Koji Amazake Improves Defecation Frequency in Healthy Adults.</span> J Fungi (Basel). 2021;7(9):782.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/jof7090782" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/jof7090782</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">日本語</span>
  <h2>中高年32人が6週間。便秘の点数が下がり、ビフィズス菌が増えた</h2>
  <p class="hitokoto">岡山県立大学のグループによる、日本語の研究です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>中高年32人</li>
    <li>1日35g・6週間</li>
    <li>便の形と便秘の点数</li>
    <li>前後の比較</li>
  </ul>

  <p>中高年32人に、米麹甘酒を1日35g、6週間飲んでもらいました。飲む前と後で、便の形を段階で見る指標と、日本語版の便秘評価尺度、それに便のなかの菌13項目を調べています。</p>
  <p>便の形も便秘の点数も、前後で有意に変わりました。便秘のあった人では、便秘の症状がはっきり良くなっています。</p>
  <p>便秘のなかった人で、便がゆるくなりすぎたり、もれが増えたりはしていません。下剤や浣腸ではそこが問題になりやすい、というのがこの研究の出発点でした。</p>
  <p>菌のほうでは、フィルミクテスとバクテロイデーテスの比が有意に下がりました。便秘のあった人では、ビフィズス菌とアッカーマンシアが有意に増えています。</p>

  <p class="fine">元の数字：32人、1日35g、6週間。ブリストル便形状スケールと日本語版便秘評価尺度が、介入の前後で有意に変化。Firmicutes/Bacteroidetes比が有意に低下し、便秘群でBifidobacteriumとAkkermansiaが有意に増加。著者は岡山県立大学と甲南女子大学の所属です。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>飲まないグループを置かず、同じ人の前と後を比べたものです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：「中高年者における米麹甘酒摂取に伴う腸内環境と排便の変化」日本臨床栄養学会雑誌 2020;42(1):54–65.<br>
  <a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjscnut/42/1/42_54/_article" rel="noopener" target="_blank">jstage.jst.go.jp</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">1グループを追った研究</span>
  <h2>10人で、もともとの腸内細菌の型によって、変化のしかたが違った</h2>
  <p class="hitokoto">同じ岡山のグループが、重い障害のある子どもと大人を対象に行った研究です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>10人</li>
    <li>6週間</li>
    <li>2021年・日本</li>
    <li>比べるグループなし</li>
  </ul>

  <p>重い運動と知的の障害のある10人に、米麹甘酒を6週間飲んでもらいました。便のなかの菌を、飲む前と後で詳しく調べています。</p>
  <p>便秘の程度をはかる尺度の点数は、有意に下がりました。便のなかでは、乳酸菌の仲間が有意に増え、大腸菌やシゲラの仲間が有意に減っています。</p>
  <p>面白いのはここからで、飲む前の腸内細菌の顔ぶれによって、参加者を3つに分けています。フィルミクテスが多い5人、アクチノバクテリアが多い4人、プロテオバクテリアが多い1人。便秘の点数が下がったのは、前の2つのグループでした。</p>
  <p>ビフィズス菌は、全体でも、フィルミクテスの多いグループでも増える傾向がありました。アクチノバクテリアの多いグループでは、もともと多い状態です。著者は、甘酒による変化は、もともとの腸内細菌の組み合わせによって違うかもしれない、と述べています。</p>

  <p class="fine">元の数字：10人、6週間。便秘評価尺度が有意に低下、Lactobacillalesが有意に増加、Escherichia-Shigellaが有意に減少。研究費は岡山県立大学、日本医療研究開発機構（AMED）、厚生労働省の事業から出ています。利益相反はないと書かれています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>10人を3つに分けると1人だけのグループもでき、著者自身が予備的な研究と位置づけています。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Effects of Malted Rice Amazake on Constipation Symptoms and Gut Microbiota in Children and Adults with Severe Motor and Intellectual Disabilities: A Pilot Study.</span> Nutrients. 2021;13(12):4466.<br>
  <a href="https://doi.org/10.3390/nu13124466" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.3390/nu13124466</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>肌の水分を8週間。差が出たのは、左の頬だけだった</h2>
  <p class="hitokoto">乾燥が気になる健康な大人60人を、くじ引きで2つに分けた試験です。</p>
  <ul class="facts">
    <li>60人</li>
    <li>1日118g・8週間</li>
    <li>2022年</li>
    <li>二重盲検</li>
  </ul>

  <p>30人が米麹甘酒、30人が見た目と味を似せた飲みものを飲みます。始める前と8週間後に、肌の水分量と、肌から水分が逃げていく量を測りました。本人にも、調べる人にも、どちらか分かりません。</p>
  <p>左の頬の水分量は、甘酒のグループのほうが保たれていました。8週間での変化は、甘酒が0.19、比べた飲みものが−3.98です。</p>
  <p>一方、肌から水分が逃げていく量には差がありませんでした。論文には「予想に反して」と書かれています。</p>

  <p class="fine">元の数字：左頬の角層水分量の8週間での変化が、甘酒0.19、対照−3.98。経表皮水分蒸散量には差なし。研究費は八海醸造株式会社から出ています。著者のうち1人は同社の生産と研究開発の責任者、4人は同社の社員です。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>差が出たのは左の頬で、ほかの場所と、肌のバリアの働きを見る指標には、差が示されていません。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Koji amazake Maintains Water Content in the Left Cheek Skin of Healthy Adults: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group, Comparative Trial.</span> Clin Cosmet Investig Dermatol. 2022;15:1281–1288.<br>
  <a href="https://doi.org/10.2147/CCID.S366979" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.2147/CCID.S366979</a>（全文が無料で読めます）</p>
</article>

<article class="paper">
  <span class="kicker">くじ引き試験</span>
  <h2>酒粕と米麹の甘酒を4週間。17人で、皮脂の量が偽の飲みものより低かった</h2>
  <p class="hitokoto">同じ論文の中に、ハムスターの細胞を使った実験と、人に飲んでもらった試験の両方が入っています。</p>
  <ul class="facts">
    <li>17人</li>
    <li>4週間</li>
    <li>2020年・日本</li>
    <li>二重盲検</li>
  </ul>

  <p>日本人女性17人が、酒粕と米麹から作った甘酒か、見た目を似せた飲みものを4週間飲みます。</p>
  <p>甘酒のグループでは、皮脂の量が偽の飲みものより低い値でした。目の下の明るさを表す数値も、偽の飲みものより上がっています。</p>
  <p>アンケートでは、顔色、目の下のくま、髪のつや、寝起きのよさについて、甘酒のグループだけで改善がありました。</p>
  <p>同じ論文の細胞の実験では、酒粕や米麹を加えると、皮脂を作る細胞のなかに脂がたまるのが抑えられています。PPARγという遺伝子の働きが下がったことが関わっているようだ、と書かれています。</p>

  <p class="fine">元の数字：17人、4週間。皮脂量が対照より低く、目の下のL*値が対照より高い値。細胞の実験はハムスターの皮脂腺細胞を使ったもの。研究費は森永製菓株式会社から出ています。</p>

  <div class="limit">
    <h3>この研究が調べていないこと</h3>
    <p>17人、4週間の試験で、アンケートの項目は本人の感じ方によるものです。</p>
  </div>

  <p class="orig">原文：<span class="en">Amazake made from sake cake and rice koji suppresses sebum content in differentiated hamster sebocytes and improves skin properties in humans.</span> Biosci Biotechnol Biochem. 2020;84(8):1689–1695.<br>
  <a href="https://doi.org/10.1080/09168451.2020.1756734" rel="noopener" target="_blank">doi.org/10.1080/09168451.2020.1756734</a></p>
</article>

<h2 class="sec">この記事に入れなかったもの</h2>
<p>読んだけれど、今回は入れなかったものです。差が出なかった研究も、ここに置いておきます。</p>
<p>発芽させた米で作った甘酒の中身を測ったポルトガルの研究。γ-オリザノールとGABAが増えていますが、店で買う甘酒とは別のものになるため外しました（Foods 2023、<a href="https://doi.org/10.3390/foods12071476" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>在宅で療養している21人に6週間飲んでもらった日本語の試験。水か白湯と比べていて、便秘の点数は下がる傾向どまりでした（日本臨床栄養学会雑誌 2023;45(2):122–139、<a href="https://doi.org/10.60432/jjscnut.45.2_122" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>施設の高齢者13人が6週間飲んだ研究。栄養状態の指標とアルブミンが少し上がりましたが、比べるグループがありません（J Nutr Gerontol Geriatr 2025、<a href="https://doi.org/10.1080/21551197.2024.2431283" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>牛乳と麹から作る「ミルク甘酒」を40人が8週間飲んだ、二重盲検の試験。肌の弾力が上がっています。ただし別の飲みものなので外しました（J Oleo Sci 2023、<a href="https://doi.org/10.5650/jos.ess22342" rel="noopener" target="_blank">doi</a>）。</p>
<p>甘酒を飲んだあとの血糖とインスリンを調べた試験と、血糖が高めの人が3倍量を飲んだ安全性の試験。箱のなかで数字を紹介しましたが、どちらも日本醸造協会誌に載ったもので、作り手である八海醸造の研究者によるものです。論文として並べるのではなく、箱のなかの参考にとどめました。</p>

<div class="note">
  <h3>試す前に</h3>
  <p>試してみたいものが見つかった場合は、現在かかっている医師に確認してください。服用中の薬との相互作用や体調については、その医師が最も正確に判断できます。</p>
</div>

</div>
<p>投稿 <a href="https://new-asakusa.com/kiji/1765/">甘酒の論文を6本</a> は <a href="https://new-asakusa.com">新あさくさ商店街</a> に最初に表示されました。</p>
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